【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

成瀬巳喜男「浮雲」(1953年)

2020-04-06 11:29:48 | 映画
成瀬巳喜男「浮雲」(1953年)

何ともやるせないストーリーであるが、人間の業をあぶりだした作品と評価するべきだろうか。巨匠小津安二郎をして「俺にできないシャシンは溝口の『祇園の姉妹』と成瀬の『浮雲』だけだ」と唸らせた。原作は林扶美子の同名の小説。

戦時中の1943年という設定。農林省のタイピストとして仏印(ベトナム)へ渡ったゆき子(高峰秀子)は、その地で農林省技師の富岡(森雅之)に会う。当初、富岡に好ましくない感情をもったゆき子だったが、やがて富岡に妻が居ることを知りながら、関係を結ぶ。

終戦。妻・邦子との離婚を約束して富岡は先に日本に戻った。ところが、ゆき子はあとを追って帰国するが、富岡が妻とは別れていなかった。失意のゆき子は富岡と別れる。富岡はだらしない男であった。

終戦後の混乱した経済状況で富岡は仕事が上手くいかず、よりを戻したゆき子を連れ、伊香保温泉へ旅行に行く。ゆき子にとってこの旅行がまた失敗だったが、それも富岡の不埒がまねいたものだった。破綻がまた破綻をよぶ。宿命といえばそれまでだが・・・。






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1 コメント

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ギガキャスト (鉄鋼材料エンジニア)
2024-10-21 14:49:24
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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