聴覚障害をもつ夫婦の物語。
幼いころ、高熱の病気で聴覚を失った福島の中学2年の高森昌宏(天宮良)は、全国の同じ障害をもつ女性との文通をもとめていたが、なかに気にいった函館の女子中学生・奈津子(中江有里)と手紙の交換を始めます。
しかし、文通だけではお互いを理解することに限界があり、次第に疎遠になります。ところが、高校に入って昌宏が函館の奈津子を訪れ、実際にあい、大沼公園でのデートで次第に互いに打ち解けるようになります。
東京で就職した昌宏は、沖縄・宮古島で毎年行われているトライアスロンに参加します。この間も昌宏と奈津子は交際を続け、ふたりは結婚します。結婚までにはいろいろなことがあり、そのひとつひとつが映画では丁寧に描かれています。
奈津子も昌宏に誘われて、トライアスロンに参加するようになります。
二人の間に子どもができます。奈津子が産婦人科での子どもの出産をひかえるなか、昌宏はその年も沖縄のトライアスロンに参加していました。
この映画は、実話をもとにしています。二人とも聴覚障害なので、会話は手話をつうじて行われています。聴覚障害をもっていても普通に生活していて、とくに不自由さは感じられません。むしろ、しっかり相手の表情をみての手話なので、心の交流がしっかりとらえられています。大林監督の優しいまなざしがそこにあります。