【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

メンデルスゾーン&ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲」(マクシム・ヴァンゲーロフ)

2012-10-25 00:22:09 | 音楽/CDの紹介

          

 このCDでライプツィッヒ・ゲバントハウス管弦楽団(指揮:クルト・アズマ)と共演しているマクシム・ヴァンゲーロフ(1974-)は駿才ヴァイオリニストである。生まれはロシアのノボシビルスク(札幌市の姉妹都市)。このCDを録音したときには、20才にまだなっていなかった。


 ヴァンゲーロフはどちらの曲も達者に弾いている。音色はのびやかで、若々しい。強弱のつけかた、バイオリンの響かせ方もすでに一流の領域に入るばかりの腕前である。聴いていて、安定感と躍動感が交錯する。

 ヴァンゲーロフ自身は、自らの音楽観を次のように表現している、「・・・演奏という行為は、音の世界への飽くなき発見の旅、休みなき美の追求だと思います。しっさい、ぼくが成し遂げたいという目的は、ただひとつです。自分の演奏が非常に明晰であること、そして観衆の方々がぼくを理解してくれることです。・・・音楽は、詩およびバレエとともに芸術の最高の形で、人々を元気づけ、感動させるための巨大な力をもっています」と。

 演奏曲について若干。

 ブルッフ(1838-1920)はドイツ・ロマン派の中後期の第一人者で、生涯に3つのヴァイオリン協奏曲を書いているが、「ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調」はそのなかでもきわだって有名な作品。この曲は彼がコブレンツでオーケストラの指揮者・音楽監督をつとめていたころ(1866年頃)、当時随一のヴァイオリニストであったヨーゼフ・ヨアヒムに演奏をしたもらうために作曲したといわれる。
  当然、ヨアヒムはこの作品を演奏することいなったが、大変な人気を博した。人気の秘密は、まず主題旋律の美しさ、情緒深さであり、さらには各主題の配合の巧みさがある。

 メンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調」は1844年に完成されたが、着想されたのは1838年だった。メンデルスゾーンにしては異例なほど長い年月をかけて作られた。メンデルスゾーンは彼の友人で名ヴァイオリニストであったフェルジナンド・ダーヴィトのためにこの作品を書いた。そして、いうまでもなくダーヴィトがこの作品を初演した。1845年3月のゲバントハウスでのことであった。
 この作品は3つの楽章からなるが、それらが互いになめらかにつながっている。その点に特別の配慮がなされつつ、この作品は何よりも真にロマン的、そして美しい旋律で、聴く者の魂を豊かにする。


MAx Bruch(1838-1920)
ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 作品26(Violin Concerto No.1 in G minor,op.26)
第一楽章:Vorspiel (Allegro moderato)
第二楽章:Adagio
第三楽章:Finale (Allegro energico)

Felix  Mendelssohn(1809-1947)
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64 (Violin Concerto  in E minor,op.64)
第一楽章:Allegro molto appassionato
第二楽章:Andante
第三楽章:Allegro non troppo - Allegro molto vivace