【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

山田和夫『映画100年-映画が時代を語るとき』新日本出版社、1995年

2008-06-24 00:15:38 | 映画
山田和夫『映画100年-映画が時代を語るとき』新日本出版社、1995年

                

 1895年12月のリュミエール兄弟のシネマトグラフから100年間の映画の発展をたどっています。視野が大変に広いです。

 メリエスのトリックの発見,演劇的伝統に縛られた西欧の映画とそれから自由であったアメリカの映画など興味深い指摘があります。また「戦艦ポチョムキン」が映画史で果たした役割,ハンガリー革命のなかでの「映画国有化宣言」(1919年),トーキー化によるハリウッドの系列化,ナチス・ドイツ,スターリン体制,ハリウッド非米活動委員会の「赤」狩り,中国文化大革命のもとでの映画芸術退潮の教訓,ジェラール・フィリップの日本映画の評価,フランス,ソ連,ニューヨーク,ロンドンのヌーベル・バーグ,インド,ラテン・アメリカ,ベトナム,アフリカでの映画の発展,ウルグアイ・ラウンドとアメリカ映画界の野望についての論述など,実に詳しいのです。

 映画の発展が社会変革と密接に結びついていることがよくわかります。

 著者には2002年10月の中津川映画祭でお会いし,この本にサインをいただきました。