【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

前橋汀子ヴァイオリン・リサイタル

2008-04-20 01:06:02 | 音楽/CDの紹介
 前橋汀子さんは情熱的な演奏をするヴァイオリニストです。かつてTVか何かで演奏を聴き、ファンになり、いつか実際の演奏を観たいと思っていました。それが実現しました。この日の演奏曲は以下の12曲です(於:北トピア・さくらホール)。ピアノは、イーゴリ・ウリヤシュさんです。期待に違わない圧倒的迫力の演奏、高度な技術はもちろん、音楽の魂が伝わってきました。使用楽器は、グァルネリ・デルジェスです。曲の説明は、前橋さん自身が書いたレジュメを一部を省略し、要約したものです。
             
①クライスラー(1875-1962):美しきロスマリン
 *クライスラーはウィーン生まれのヴァイオリニストで、作曲家。中間部の典雅なワ
 ルツが美しい。
②ヴィターリ(1663-1745):シャコンヌ ト長調
 *ヴィターリはバロック後期のイタリアの作曲家。この作品は南欧イベリア半島に
 伝わる古い「ラ・フォリア」の旋律による主題と変奏曲。20の変 奏が繰り返され、
 当時のヴァイオリンの技巧が駆使され、情熱を湛えた詠 嘆調で、多彩な曲想が
 展開される。
③フランク(1822-1890):ヴァイオリン・ソナタ イ長調
 *フランクのヴァイオリン・ソナタはこの一曲のみ。人間の奥深い精神性を秘めた
 この曲はあらゆるソナタのなかでも最高のものに数えられている。
④ベートーヴェン(1770-1827):ロマンス第2番 ヘ長調 Op.60
 *ベートーヴェン28歳の作品。アダージョ・カンタービレの指定をもつ優美でロマン
 ティックな作品。
 ⑤ヴィエニャフスキ(1835-1880):モスクワの思い出 Op.6
 *ポーランド出身の作曲家。近代ヴァイオリン演奏法の基礎を築いた作曲家の彼
 が、演奏旅行でロシアに滞在したおりに作曲。その時18歳。ロシア民謡の「赤いサ
 ラファン」の旋律にり、ピアノが主題を演奏し、ヴァイオ リンが技巧を駆使して変奏
 していく。
⑥チャイコフスキー(1840-1893):メランコリックなセレナーデ Op.26
 *1875年の作品。G線上で使われる楚々とした寂しさ漂わせた美しい主題が次第
 に胸に迫り、染みとおるような楽想に変わる。
⑦プロコフィエフ(1891-1953):「3つのオレンジへの恋」より(行進曲)ハイフェッツ編 
 *1919年にアメリカに亡命中に書き上げた4幕の童話オペラの第2幕の場面転換
 のさいに演奏される行進曲。
⑧ショパン(1810-1849):ノクターン 嬰ハ短調 サラサーテ編
 *ショパンは21曲のノクターンを作曲。そのうちのひとつ。高い音とG線上で歌う中
 音とのコントラストが見事な効果を見せる優雅で気品のある作品。
⑨ドヴォルザーク(1841-1904):わが母の教え給いし歌
 *ボヘミアの詩人アドルフ・ヘイドゥーの詩を歌曲にした作品。「老いた母が私に歌
 を教えたとき、目に涙を浮かべていた。私がその歌を子どもに 教えるとき、日焼
 けした頬に同じように涙が流れる」と歌われる。
⑩ドヴォルザーク:スラブ舞曲 Op.72-2 クライスラー編
 *オーストリアの政府国家奨学金の作品募集に受かり、その審査にあたったブラ
 ームスの紹介で作品を出版することができた。ブラームスへの尊敬と感謝の想い 
 を込めハンガリー舞曲集」に相当するボヘミアの踊りの曲の旋律を駆使したピア
 ノ連弾の舞曲集を作った。憂愁漂う甘美な旋律で、クライスラーがヴァイオリン用に
 編曲した。
⑪ブラームス(1833-1897):ハンガリー舞曲第1番 ヨアヒム編
 *原曲はピアノ連弾用として作曲された。ブラームスの親友、ヨアヒムがヴァイオ 
 リン用に編曲。第一番はチェルダッシュ舞曲の、哀愁をおびた旋律がひたひたと押
 し寄せるように歌われ、中間部で再び最初の旋律に戻 り、吹き抜けるように終わ
 る。
⑫ブラームス:ハンガリー舞曲第5番 ヨアヒム編
 *情熱的で流麗な旋律の静と動が交差するリズムが刻まれるジプシー音楽の特
 徴が際立つ作品。