【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

高杉良著の2冊

2007-01-23 15:53:22 | 小説

 松本清張、司馬遼太郎に次いで本がよく売れている作家とか。経済小説のジャンルでは城山三郎、清水一行に次ぐという評価もあります。
 今まで、高杉さんの本は読んだことがなかったのですが、『小説消費者金融』『勇気凛々』(いずれも講談社文庫)を読みました。面白かったので、以下に紹介します。
 ノンフィクションに限りなく近く、徹底的な取材から生まれた作品でリアリティがあります。

 【小説消費者金融】はこんな話
 主人公は玉崎英太郎(CCS、クレジット・コレクション・サービス社長)とその妻、早苗(クレジット債権共同管理組合業務執行者)。ふたりはクレジット社会で返済不能におちいった債務者に対して、債権者の委託を受けて債権回収に挑む組織の両輪。
 かつて栄太郎は「京橋クレジット」であこぎな取立ての仕事をしていた。前妻のかほるとの間に英雄と弥生という二人の子がいたが、彼女の放蕩な生活に愛想をつかして離婚。その後、英太郎は、社員で子どもの面倒をみてくれていた小川早苗と結婚。ところが、英太郎が不妊手術をしていたことを知り、怒った早苗は一端離婚するも、子どもたちへの愛着から再婚。
 英太郎は通産省の同窓の渡辺と会い、アメリカへの視察旅行でかの国の消費者金融の実態を知り、帰国後直ちにそのメリットを実践に移すが、日本の土壌にあわず倒産の憂き目に合う。CCSを新た設立し、クライアントの委託を受け、債務者のデータバンク構築業務にのりだし、「ローラー」という方法で債務者を訪問、成果をあげていた矢先、それが弁護士法72条に抵触する「非弁活動」と弁護士サイドから訴えられ、窮地(事業の危機に陥る。しかし、・・・・・・。

【勇気凛々】はこんな話
 早稲田大学政治経済学部を卒業し、文華放送の「一流の営業マン」となって将来を嘱望されていた武田光司。
 しかし、その仕事に飽きたらず、新天地の自転車販売の世界に飛び込み、サンポール物産に再就職するも、台湾製の自転車「ハイライザー」の販売に失敗。紆余曲折を経て、同業のホダカ物産(埼玉県越谷市に本社を置く自転車および自転車関連商品の開発・輸入・販売を業とする企業)を立ち上げ、イトーヨーカドーとの順調な提携もあり、事業に成功。
 この間、本人はもちろん、再婚した妻、香榮子そして同僚、部下の並々ならぬ苦労と確執があった。バブル期には無責任な業者の口利きに便乗、スポーツウエアの販売に手を出し大損をする。その結末は・・・・。ホダカ物産は有名な上場企業。

 

 結末は書きません。わかってしまうと悪いので・・・。上記2冊のうち、わたしは前者のほうが面白かった。