雲ノ平界隈 3日目(2)

2011年08月27日 | 登山

 赤木岳に向かって下り、また登る。眼下に見える赤木平が美しい。緑の大地の中を川がゆったりと流れ標高2000mとは思えないような風景だった。黒部五郎岳の右には笠ヶ岳、乗鞍岳、御嶽山が等間隔で並んでいる。槍や穂高側から見た笠ヶ岳は威風堂々としていたが、こちらから見るとかっこ悪かった。

 9時40分、赤木岳は山頂の北側を巻いて通過した。テント場を出てから4時間経っていた。岩場に座り、唯一持っていた行動食のサーターアンダギを1個食べた。険しい所は一切なくてのんびりとしたコースであるが、歩みものんびりし過ぎていた。コースタイムに比べて1時間か、1時間半オーバーしているのではないだろうか。少しずつ雲が増えている。朝から天気が良かっただけに午後からの入道雲が心配である。
 
 黒部五郎の姿は少しずつ大きくなっているが、黒部五郎に取りつくにはあとふたつコブを越えないと辿り着けなかった。朝は霞んでシルエットとしか識別できなかった水晶岳が、太陽の方角が変わり本来の色を取り戻している。双耳峰が美しかった。2578mのピークでは雷鳥の親子が花をついばんでいた。子ども5羽に対して親は1羽。父親は何処にいる。さては子育てを放棄したのか、或いは出稼ぎに行ったのか。我が家と似たようなものだと思った。

 北ノ俣岳から幾つかのアップダウンを越えてやっと到着した黒部五郎直下。これから標高差300mを真っすぐに登る。見上げれば200m先に一人、かなり上部に数人の登山者が米粒のように見える。背後からは灰色の雲が追いかけて来ていて、雷が潜んでいるのかどうか心配である。2個目のサーターアンダギを食べて昼食抜きにすることにした。口に入れるとモソモソするので水が要るが、山の行動食としてなかなか優れ物だと思った。

 そうこうしていると、雷鳥に出会った付近から視認していた母娘がやってきた。二人とも60Lクラスのザックを目いっぱい膨らませて担いでいる。今夜は同じテント場とのこと。先に立ち上がって歩き出した。少し登って見下ろすと母娘も動き出していた。30分ほど休まずに真面目に登ったが、50mあった距離が30m、10mと縮まってとうとう道を譲った。娘さんのほうが、テント場で待ってますからね、と言う。いったん追い越されてしまうと、糸が切れたようにぐうたらと歩いてしまった。

 黒部五郎の肩から北方向へ向かって歩く登山者を見つけ、山頂が近いとわかった。肩に達すると10人ほどが休んでいる。雨が心配なのでデポするザックにレインカバーを掛けてから五郎山頂へ向かった。双六岳の向こうに槍の穂先が見えたがほんの一瞬だった。赤か茶色の屋根をした黒部五郎小舎も見える。目的地が見えて安心したが、まだまだ遠いなとも思った。10分あまりで山頂に着くと、追い越していった母娘がいた。写真を撮ったり撮ってもらったりした。

 眼下のカールには大岩が点在し巨大な日本庭園のようである、しかし、気になるのはカールの向こうに見える水晶岳。魅せられてしまったようだ。予定通り行動すれば、明日はもっと近くで見られる。明後日には登る。


  笠ヶ岳、乗鞍岳、御嶽山


  黒部五郎も入れる


  薬師岳


  水晶岳


  水晶岳


  黒部五郎






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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
雲の平・・・ (kazashi)
2011-08-27 21:34:25
いよいよ近づいて来ましたね。

でもその途中でも、随分ときれいな稜線が続いているようで・・・・。

羨ましい限りです。

楽しみです。
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Unknown (霧の山)
2011-08-28 01:11:46
kazashiさん、今晩は。

イベント御苦労さまでした。
今日は暑かったですね。
ぬいぐるみを被ったいた人は地獄を見たのではないでしょうか。

4日目に雲ノ平に入る予定ですが、気ままな一人旅ですからどっちへ向いて行くことやら。
明日から3日間稲刈りです。
疲れていたら更新お休みになるかも知れません。
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