映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

魔術師(1958年)

2021-12-01 | 【ま】

作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv12490/


 
 以下、映画.comよりあらすじのコピペです。

=====ここから。

 スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマンが、魔術師の旅芸人一座と彼らのトリックを暴こうとする役人たちが繰り広げる騒動を描き、ベルイマン初期の到達点とされる傑作喜劇。

 19世紀スウェーデン。魔術師フォーグラー率いる旅芸人一座が、ある町にたどり着く。暇を持て余していた領事エガーマンは彼らを屋敷に拘束し、警察署長や医師らの前で芸を披露させてそのトリックを見破ろうとするが……。

=====ここまで。
 

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 ベルイマンというと、どうも難解というイメージがあるのだけれど、映画友が言うには、初期の頃のは結構面白いのだそうな。初期っていつ頃のことまでをいうのか分からないけど、本作は、初期になるのか? まあともかく、見終わって、これはコメディだな、と思いました。

 のっけから、シドー演ずるフォーグラー博士と名乗る魔術師は“口がきけない”とかってことになっていて声一つ発しない。マックス・フォン・シドー、めっちゃ怪しい風体をしていて、これだけで、この博士とやらはイカサマとバレバレ。

 この博士を含む魔術師一団は馬車に乗って移動中なんだが、そこでの会話がなんとも可笑しい。通りすがりに死にかけている自称役者の男を拾って、死にそうとか言っている割によく話すその男を交えて、「未来になんて過去同様興味がない」とか「真実が存在すると思っているのか」とかいう会話をしている。これはベルイマンの宗教観の表れなのかもしれないけど、単純にやりとりがヘンで笑える。

 とある街で領事館に招かれて、領事は口のきけないフォーグラー博士に向かって「魔術を見せろ」と言う。この領事は、本当に魔術が存在するのか、知り合いの医師と賭けをしている、、、とか、もう話がヘンすぎて……。死にかけの自称役者も本当に死んじゃうし。

 もちろん、魔術もインチキなんだが、その領事館にいる人たちも変人ばかり。中でも、領事の妻は、「夫とはもう冷めた関係で一人で寝ているから、夜中の2時に寝室に来て」とか言ってフォーグラー博士を誘惑しに来る。で、待っている妻の部屋に現れたのは、フォーグラーではなくて夫の領事だった、、、とか。

 フォーグラーには、一座の中に妻がいるのよね。その妻は男装しているから、領事の妻には分からなかったのです、お気の毒に。

 領事館には当地の警察署長夫婦もいて、一座がインチキ魔術を披露している場に冷やかしに来ていたんだが、フォーグラーが催眠術をこの署長の妻にかけると、なぜか署長妻は夫の悪口をペラペラと喋りだす。しかも催眠が解けると本人は自分が何を言っていたかケロッと忘れている。インチキ魔術やなかったんかい! と、そらみんな思うわね。署長の面目も丸つぶれ。

 で、催眠術が本物かどうか、領事館の夜警の大男に催眠をかけさせるんだが、大男は見事に催眠にかかって身動きがとれなくなる。どうやらインチキではないらしい。しかもこの大男、催眠が解けた瞬間にフォーグラーに飛び掛かって、フォーグラーを絞め殺してしまうのだ! 賭けをしていた医者が死亡を確認する。

 この医者は、医師という職業に懸けてこの魔術師の遺体を解剖する。すると、その解剖の部屋に、フォーグラーの幽霊が現れるんである!!

 ……というのも、もちろんトリックありで、医者が解剖していたのは、途中で死んだ自称役者の男で、フォーグラーは死んだと見せかけてこの自称役者の男と入れ替わっていたのでした。

 この、フォーグラーの幽霊が医者を追い回すシーンも、なかなかシュール。医者は本気で怖がっていて、それを見てフォーグラーは留飲を下げるのだ。映像的にもなかなか凝っていて面白い。

 口のきけないはずだったフォーグラーは、領事館の連中にインチキのネタバレをぶちまけ、領事や医者に金を無心するものの失敗に終わり、一座の人々もちりぢりになって、無一文で再び放浪の旅に出ることとなる。

 失意のうちに旅立とうとするフォーグラーとその妻だったが、何とここで、、、というラストのどんでん返しで終わる。ラストのオチは、大したオチじゃないけど、書くのはやめておきます。……は?? みたいなオチです。ベルイマンの宗教に対する批判的な視線の表れなんでしょうかね。

 あれほどフォーグラーに色目を使っていた領事妻、フォーグラーが正体を露わにしたとたん、冷めた関係のはずの夫にしがみついてフォーグラーを化け物を見るみたいに見ていたのが、これまた可笑しい。とにかく、ベルイマンのアイロニカルな視線があちこちに感じられます。

 宗教に詳しい人が見れば、もっと知的な楽しみ方ができるのかもしれないけど、単純に映画としても十分面白いです。テイストはシリアスそうだけど、実はゼンゼン、、、という。『第七の封印』と、そういう意味では似ているなー、と思いました。あれもブラックコメディだもんね。本作よりキリスト教観が強いけど。

 マックス・フォン・シドーのインチキ博士っぷりがなかなかサマになっていて良かった。男装の妻を演じていたのは、イングリッド・チューリン。『地獄に堕ちた勇者ども』での彼女とあまりにも違いすぎてビックリ。
 
 

 

 

 

 

 


未見のベルイマン作品を見てみます。

 

 

 

 

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2 コメント

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Unknown (フキン)
2021-12-02 21:43:23
すねこすりさん!!レビュー楽しみにしてました!!^ - ^

そうそう、この作品 は??プッ は??プッ の連続で
構えて真面目に見始めた自分がアホらしくなるほどコメディでした。
でも、私はベルイマンの敷居がいい意味で低くなって嬉しかったです。
そうかー、宗教的な見方をするともっと面白かったんでしょうか。
私はまるで宗教とは縁がなくて。

全然関係ないけど、大川なんとかの団体が制作してる映画ですが
チラシを見るたびちょっとだけ、観たいよーな気になるんですよねー。笑笑 観たことないんですけどね。(*゚▽゚*)
Unknown (すねこすり)
2021-12-03 19:37:07
フキンさん、こんばんは♪
面白い映画を教えていただきありがとうございました(^^)
よく分かんない映画もあるベルイマンですが、これは面白かったですよねー。
本作の後、道化師の夜、ってのも借りて見たんですけど、やっぱりヘンで笑えました。
でも、本作の方が良いかな。
ちなみに、ある結婚の風景も借りていて、これから見る予定です!
O川さんの、だいぶ前に何かを見に行ったら、そこの劇場でO川さん系の映画を上映していたんですが、満席の表示が出ていましたよ!
信者様たちはノルマでもあるのかな、なんて思いながら眺めてました。
確かに、怖いもの見たさの誘惑も感じました(^^; でも、あの部屋に入って行く勇気はないかなー。
もう師走ですねー。1年早すぎます、、、。

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