映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2019

2019-05-05 | 番外編

 

 毎年、GWに有楽町の国際フォーラムで行われている“ラ・フォル・ジュルネ”。2005年から始まったというから今年で15回目だけど、実は一度も行ったことがない。毎年じゃないけど、一応プログラムはチェックしたりしていたんだが、GWに人混みにわざわざ出掛けることを考えると、出不精としては何となく足が向かなかった。

 が、今年は何しろ休みが10日もあって、巣穴に籠っているのにも限界があると思い、良い機会だと思って行ってみた。

 行ったのは、2日目の4日(土)。せっかく行くのだからと、欲張って4公演。

 ① 11:15 ~ 12:00 「さすらいの音楽:ロマ&クレズマー×バラライカ!」  ② 17:00 ~ 17:55 「フランス ~優美と官能の音楽」  ③ 19:30 ~ 20:15 「“Cor di memoria” 地中海のポリフォニー」  ④ 21:30 ~ 22:30 「ショパンの青春 ~パリでの門出」

 ①と②の間が結構あるので、その間に渋谷まで行って映画を見てきた。外出した以上は精一杯時間を有効に使いたい貧乏根性を発揮する。何故この4公演を選んだかというと、①と③は面白そうだから、②と④は普通のクラシックコンサートではあんましかからないプログラムが入っているから(④のPコンは除く、だけど)。

 で、感想だけど、④はハズレ、③は面白いけどイマイチ、①②は大当たり、って感じだった。ま、簡単にその理由を。

 

◆① 「さすらいの音楽:ロマ&クレズマー×バラライカ!」

 映画『アンダー・グラウンド』(1995)を見て以来、ジプシー音楽の魅力に目覚めたんだけど、なかなかライブで聴く機会ってあるようでないこともあり、このプログラムでは主にロシア音楽が組まれているということだったけど、是非ライブで聴いてみたいと思った次第。

 実際ライブでシルバ・オクテットの演奏を聴いて、大正解。シルバ・オクテットは、パリ管のメンバーが中心になって結成されているとのことで、なるほど腕は確か。『アンダー・グラウンド』ではブラスが中心だったが、こちらは弦楽。最後の「カリンカ」なんて、超メジャーなロシアの曲。ノリノリで終わった。

 

◆② 「フランス ~優美と官能の音楽」

 プログラムは、フォーレの「パヴァーヌ」「ピアノと管弦楽のためのバラード」、ドビュッシーの「ピアノと管弦楽のための幻想曲」の3曲。ソリストは、2曲目がジャン=クロード・ペヌティエ、3曲目がジョナス・ヴィトーとどちらも初めて聴くピアニスト(CD等でも未聴)。

 特にドビュッシーが良かったなぁ。まあ、ドビュッシーが好きだというのもあるけど、この曲はあんまりコンサートではプログラムされないから、ライブで聴けるのは貴重。ピアニストのヴィトー氏、80年生まれの39歳だけど、身体も大きくて、ものすごい貫禄。顔写真を見ると童顔だけど、2階の客席から見ていると顔まではっきりは分からないのよね。

 フォーレももちろん良かったので、このオケはフランスのオケかと思いきや、メニューインがポーランド室内管をもとに設立したオケで、ワルシャワが本拠地なのかな? とにかく、ポーランドのオケらしい。弦楽も素晴らしいけど、木管陣が手練れ揃いと見た。

 

◆③ 「“Cor di memoria” 地中海のポリフォニー」

 ポリフォニーについては、結構wikiが詳しく説明してくれているけれど、まあ、分かりやすく言うと、主旋律+伴奏、ではなくて、主旋律+主旋律がハモって一つの音楽に聞こえる、というふうな理解で大きくは間違っていないと思う(きちんと学んだわけじゃないので、すみません)。前に見た映画『放浪の画家 ピロスマニ』 (1969)の中で、結婚式のシーンがあって、そこでポリフォニーが歌われていたのが印象的だった。

 というわけで、このポリフォニーは結構面白いんだけれども、これもなかなかライブで聴く機会がない(というか、ちゃんとライブ情報をチェックしていないってのもあるんだけど)。ので、今回、楽しみにしていたのだけれども、聴いてみて思ったのは、割と、どの曲も同じような曲調で、12曲演奏されたんだけど、正直言って途中で飽きてきてしまった(すんません)。宗教歌と世俗歌とでは確かに違うんだけれども、どれもテンポはゆったりしていて、同じフレーズが繰り返される上に長い、、、。最初の3曲目くらいまでは面白がって聴いていたんだけど、、、。

 歌ってくれたのはタヴァーニャというコルシカ島のオジサンばっかし9人のアンサンブル。思わずイケメンを探す私、、、。ううむ、渋いオジサンはいらっしゃったがイケメンは、、、。でも、皆さん、楽しそうに歌っていらっしゃいました。……いや、ホント、歌は良かったんですよ。私の感性が途中で着いていけなくなっただけです。  

 

◆④ 「ショパンの青春 ~パリでの門出」

 これがハズレと思った最大の理由は、会場。デカ過ぎる。国際フォーラムでも一番大きいホールだと思うけど、5000席以上あるんだもんね。ショパンを演奏する会場じゃないよ、そもそも。

 プログラムは、「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 」と「ピアノ協奏曲第1番」で、私の目当ては1曲目のアンスピ。映画『戦場のピアニスト』(2002)でラストのクレジットにかかっていたのがこの曲。あのエンドクレジットは、途中で席を立てない人が多いんじゃないかしらん。この曲は、ピアノ独奏で演奏されることは割とあるけど、オケ付きで演奏されることは非常に珍しい。

 けれども、せっかくのアンスピのライブなのに、そんな会場だから、音がわんわん反響して速いパッセージなんか何弾いているか分からないような有様。もう少し、演目と会場を考えた方が良い。申し込みの段階で大きすぎる会場だとは思っていたけど、ここまでヒドいと思わなかった私も甘かった。

 あと、ソリストのネルソン・ゲルナーのピアノ演奏も、正直なところ、あんまり好きじゃなかった。アンスピが終わったところで帰ろうかと思ったくらい。ああいう、軽いタッチで弾くピアノは好きじゃないのだ。会場を抜きにしても、一音一音の輪郭のないピアノはピンとこない。曲の解釈もちょっとなぁ、、、。ポロネーズって何かとか、もう少し研究した方が良いのでは? コンチェルトも2楽章まではまあまあだったけど、3楽章はやっぱり違うと思った。……まあ、好みだとは思うが。

 ちょっとアルゲリッチに似ている? と思って、後でプロフィール見たら、アルゼンチン出身でアルゲリッチとも縁のある人だった。偶然だろうけど。アルゲリッチは日本でも人気が高くファンも多いが、私には彼女の演奏の良さがイマイチ分からないので、、、。

 しかも、このソリストはかなりオケが伴奏しづらかったんじゃないかと感じた。アンスピのフィナーレもズレてたし。そういう意味では、指揮はよくコントロールしていてさすがだった。ま、プロだから当たり前だけど。

 

◆来年からも行きたいか?

 今回初めて行ってみて、それなりに良かったとは思うけれども、来年からも是非! って感じではないかな。テーマ次第かも。ちなみに今年のテーマは「Carnets de voyage ―ボヤージュ 旅から生まれた音楽」だそうだ。

 あと、ホールAの公演は、よほど大編成のオケとかじゃない限り、ちょっとキツいと思った。てか、クラシック演奏向きのホールじゃない。もうホールAの公演は聴かない。

 ①のシルバ・オクテットはCDも出しているそうなので、買ってみたいなぁ。というか、ジプシーミュージックってやっぱりすごく面白いし奥が深い。もっといろんなジプシーミュージックを探検して行きたいと、改めて思った次第。

 まあ、あんまりゴタゴタ言わずに、1公演3,000円前後だし、無料コンサートもたくさん企画されているから、思い立ってふらりと行ってみるのも良いかもネ。良い気分転換にもなるし、知らなかった音楽への扉を開いてくれるきっかけになるかも。

 


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