映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

英国総督 最後の家(2017年)

2019-04-07 | 【え】

作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv65336/

 

以下、上記リンクよりストーリーのコピペです。

 =====ここから。

 1947年、デリーのイギリス総督の大邸宅。インドを返却するため6か月間の最後の総督の役職を引き受けたルイス・マウントバッテン卿(ヒュー・ボネヴィル)が妻エドウィナ(ジリアン・アンダーソン)と娘とともに2階に暮らし、下の階には500人ものヒンズー教徒、イスラム、シーク教徒の使用人が住んでいた。

 2階では連日連夜、政治のエリートたちがインド独立の議論を行い、世界に多大な影響を与える歴史的な決断がなされようとしていた。彼らはインドを分断し、パキスタンに新しい国を作り出すという、人類史上最も大きな移民政策を打ち出そうとしていたのだ。

 一方、新総督のもとで働くインド人青年ジート(マニッシュ・ダヤル)と令嬢の秘書アーリア(フマー・クレシー)は互いに惹かれ合っていたが、宗派が違う上に、アーリアには幼いときに決められた婚約者がいた。

=====ここまで。

 インドとパキスタンの分裂を割と分かりやすく描いてくれている映画。

 

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 昨夏公開時に、見に行こうかなぁ、、、と思いながらも、何となくポスターがイマイチそそられない感じで、結局行かずに終映、、、。DVDで見てみました。

 

◆手際の良いシナリオだけど、、、

 タイトルにもなっている“総督 最後の家”は、今の大統領官邸らしいのだが、その建物のスゴさが映像からでも伝わってきて圧倒されそうになる。とにかくデカい。やっぱり、ヨーロッパの人間が造る建物はデカいなぁ、、、と改めて思う。そこまでのデカさが本当に必要なのか?? と、この映画を見てもやっぱり思った。でもって、そこで働くインド人は500名を超えるとか。……まぁ、雇用を生んでいたとも言えるのか。

 マウントバッテン卿はその名の通り貴族だし、甥っ子がチャールズ皇太子とのことで、なるほど、穏やかで品があるはずだわと納得(チャールズ皇太子に品があるかというのは、また別問題)。妻のエドウィナはかなり左寄りのリベラルだけど、仲は良さそうだし、なかなか面白い取り合わせの夫婦。いくらエドウィナがリベラルと言ったって、そこは身分あっての似非リベラルだろうから、まあね、、、という感じだけど。

 この映画を見て良かったのは、インドとパキスタンが分裂したいきさつについての入門編となってくれそうなところ。きっと実際はもの凄く複雑で混乱の極みだったと思われるが、本作は2時間弱の枠内でコンパクトにまとめられており、インドとパキスタンとイギリスそれぞれの思惑の絡み合いなども通り一遍ながら描いてくれている。

 個人的には、ジートとアーリアのラブストーリーなどいらなかったと思うクチだが、まぁ、こういうのもないとエンタメ映画としては成り立たないとでも言うところか。手垢の付きまくったインド版ロミジュリで、正直見ていて白けてしまった。二人の成り行きも想像通りだし。面白くもなんともない。

 そんなことに時間を割くのなら、もっと国境線の確定に際してチャーチルが暗躍していたその辺りを丁寧に描いてくれた方が有り難い。そうすると、かなり映画のジャンルも変わってくるかも知れないが、それだったら、多分迷わず劇場に見に行っていたと思う。結局見に行かなかった最大の理由は、ポスターからどうもヒューマニズム系の匂いがしたからで、この題材を扱うのにイギリス目線でヒューマニズムもクソもあるか、という気がして足が向かなかった。

 分裂が確定的になった後、総督が500人の使用人たちに自分で国籍を選ばせ、総督邸内のあらゆる財産を分割するシーンが印象的。自分の国籍を選ぶのに躊躇のなかった人も多かったみたいだけど、そういうものなのかねぇ、、、と、ちょっと想像し難いものがあった。私だったら、いくら信仰の上ではお隣の国に行った方が良くても、人情としては割り切れないよなぁ、、、などと思ってしまって。まあ、実際は分裂後、民族大移動が起きて、それはそれは大変な混乱だったそうだから、やっぱり映画なんだよね、その辺は。

  

◆イギリスって、、、

 それにしても、イギリスはホンマ悪いやっちゃなぁ~、、、と思っちゃいましたね。反乱を抑えるために都合良く宗教対立を煽っておきながら、手に負えなくなったら放棄、後は野となれ山となれ的なそのやり方に、今の混乱するイギリスも、さもありなんと思うわ。

 この映画では、インドが独立して、総督夫婦はその地にとどまってインドのために尽くした的な描かれ方だったけれども、当初はインド連邦としてイギリス連邦に加わったので、形式的には総督は存続したんだとか。その地に留まったのが総督夫婦の自発的なものなのかどうかは知らないが、ちょっと美化しているっぽい。

 引っかき回した張本人が、それを収集しようとしてこんだけ尽力しました、、、みたいなことを描いていると言うと身も蓋もないが、アメリカのベトナム戦争ものしかり、イラクものしかりで、自業自得なくせに被害者面している映画はどうもいただけない。本作が被害者面しているとは言わないけど、まぁ、その辺は上手くかわしている。

 ネルーやジンナー、ガンジーが実物にそっくりで、エンディングで実際の映像が出てくるんだけど、まったく違和感がないくらい。主役のマウントバッテン卿が一番実物とイメージが違っているが、マウントバッテン卿を演じたヒュー・ボネヴィルは「ダウントン・アビー」でもクローリー伯爵を素晴らしく演じていて、こういう気品のある役が似合う人だ。実際のマウントバッテン卿は、若い頃の画像を見るとなかなかのイケメンで日本にも来たことがあるらしい。

 

 

 

 

 

インド史等々、知らないことが多すぎるので、もう少しお勉強しようと思いました。

 

 

 

 

 

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