映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

家族の灯り(2012年)

2014-03-04 | 【か】

★★★★★★★★☆☆

 映画友がオリヴェイラが好きだから見たいと言うので、新聞にもまあまあの評が載っていたのをチラ見していたこともあって、見に行った。劇場の観客の年齢層、高い・・・。若い人は数えるほど。やはり、内容が内容だからかしらん。

 さて、これは暗い。メチャメチャ暗い。画面も内容も。オープニングはなかなか美しい映像で、シベリウスのVnコンチェルトもなかなか素敵。・・・が、最初だけだった、多少なりとも明るかったのは。

 帳簿係の年老いた男ジェボが家に持ち帰って帳簿付けの仕事をしているその横で、クラウディア・カルディナーレ演じるところの妻が、口汚く罵るのだ。「アンタはつまんない男。こんな人生になったのはアンタのせいだ」と。彼女のその時の顔が怖い。そのくせ、この妻は、自分で人生を切り開く努力はして来なかったらしい。「仕方なかったのよ」と言い訳の嵐。それを、息子の嫁が哀しげに見つめるというその光景。貧しい一家の暗~い光景。もー、目を背けたくなる暗さ。

 こういう、愚痴ばっかり言う人が家にいると、その家の雰囲気は間違いなく暗くなるんだよね。私の育った家庭がそうだったから、よく分かる。母親の愚痴や文句を聞かない日はない、ってくらい。それに黙って耐える父親。この場合の父親は2通りに分かれる気がする。1つは、私の父親のように諦観の域に早々に達してしまう人。もう1つは、本作のジェボのように、それでも妻や我が子を思いやらずにいられない人。

 出奔した息子は8年ぶりにフラッと帰ってくるが、これが、またとんでもないロクデナシ野郎。まあ、あの母親ならああいう息子が育っても当然とは思うが・・・。それでもジェボは息子を責めない。愚痴る妻も責めない。そんなジェボをそっと見守る嫁。嫁が8年も出て行かずに夫婦のもとにいたのは、このジェボの優しさや実直さに惹かれ、癒される部分があったからだと思うけれども・・・。

 元が戯曲ということもあってか、ほとんどが、薄暗く狭い部屋の中で進行していく作品。劇場でも寝ている人がチラホラ。セリフも繰り言っぽいので、やや単調といえば単調だけれど、なかなかシビアな人間模様が容赦なく描き出されていて、グッとくる。

 貧しいって、ここまで人の心を荒廃させるのか、と妻や息子を見ると思う半面、こうまで追いつめられても家族のために身を挺することができるのかと、ジェボや嫁を見ると思う、という両極を見事に描いた逸品。
 
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イングリッシュマンinニューヨーク(1988)

2014-03-04 | ダニエル・デイ=ルイス(D・D・L)

★★☆☆☆☆☆☆☆☆

 う~、記念すべきブログ第1号作品がこれって、どーなんでしょうか。当然、DVD化なんぞされていないので、いささかお高めながらビデオ買いました・・・。なんつったって、ダニエル・デイ=ルイス主演ですから。見られるのに見ないわけにはいかないのです。

 作品の感想なんて、、、ありませんよ、これは。それより、なんというか、見ていて「あ゛ーーー、、、」という気持ちになりました。内容と裏腹に、ダニエル・デイ=ルイスはもの凄い熱演です。素っ裸のシーンもあります(当然モザイクかかってますが)。ひゃー。なんでしょう、コレ。

 もちろん、一応ストーリーはあるし、おそらく、ナンセンスギャグ映画を狙ったんだろうと思うけど、なんだかとっ散らかっているし、そもそもギャグが全く面白くない。つーか、笑えるシーンがまるでない・・・。悲しい。

 どうしてこういう作品に彼は出演することになったんだろうか。この頃、確かにまだ俳優としての足元は固まりつつある途上だったとは思うけれども、既に「眺めのいい部屋」である程度評価を得ていたので、そんな切羽詰ってたわけじゃないでしょうに。まあ、イロイロあるんだろうけど、あそこまで身体張ってやる仕事だったんだろうか。

 いや、だからこそ、彼なのだ、とも思う。どんなに一見くだらない仕事でも、絶対手を抜かない、というか。…知りませんよ、実際の彼がどんなだかなんて。ただ、今まで見てきた彼の出演作から判断して、そう思わざるを得ないのです。、、、しかし、彼の中ではこの作品はどういう風に記憶されているのかな。きっと、彼のことだから、決して「汚点」だなんて思っていない気がしますけれども。

 ・・・というようなことを思い巡らせながら見た次第でした、ハイ。
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何でいまさらブログなのか、ということを一応・・・。

2014-03-04 | ブログを始めようと思ったワケ
◆みんなのシネマレビュー
 07年1月から、映画レビューサイト「みんなのシネマレビュー」(以下「みんシネ」)に、見た映画の感想文をちまちまと書き始めました。見た映画の記録のつもりで。あと、その頃の自分が何を思い、何を感じていたかを、自分のために残しておこうという思いもありました。気の向くままですが、細々と続いてきたのが、自分でも意外でした。
 続いた最大の理由は、何より、好きなレビュアーさんが何人かいたことです。彼らの書いていることを読むのが面白く、自分とどう違って、どこが同じなのか、「へぇ~」とか「ほぉ~」とか思いながら読み、自分の思う所も書き続けて来られたのだと思います。

◆このまま続けていくかどうか・・・
 しかし、数年前から、その好きだったレビュアーさんがいなくなってしまったり、書き込みが止んでしまったり、あっても非常に間遠くなってしまったりして、だんだん淋しくなってきました。それと同時に、サイトの雰囲気も何となく変わってきている様な感じ(あくまで個人的な感覚です)や違和感を抱くことが多くなりました。居心地の悪さを感じたというか。
 このままここで書き込みを続けて行きたいんだろうか、私は・・・、と自問自答する機会も増えました。でも、やはりあのサイトは非常に使い勝手が良く、とても良心的なサイトでもあり、何より、見た映画を記録することが習慣化したこともあって、何となく続けてきました。

◆きっかけ
 今年に入り、ある映画を見て感想を書こうと思ったら、驚くようなレビューに遭遇しました。そして、「他人の点数/レビューにケチをつけるのはやめましょう」というサイトのルールを破りました。理由はどうあれ、ルールを破った自分が退場するのが道理ですので、みんシネでレビューを書き続けるのは辞めるべきだと考えるに至りました。

◆今、思うこと
 多分、ここ数年で感じていた違和感が破裂したんだと思います。ルール違反と分かっていながら、敢えて書きこまずにいられなかった訳ですから。そのせいで、レビューの板に、珍妙なレビューが2つ並ぶことになってしまいました。これはオカシイだろうと思い、管理人さんにもその旨お伝えし、2つとも削除していただきたいとお願いしました(自分のレビューだけ自分の意思で削除するのは、フェアじゃないと思ったので)が、管理人さんのご判断では、あれは放置で良い、ということの様です(直接は何のご回答もいただいておりませんが、現状を見る限りではそういうことかと理解しました)。これは、管理人さんのご判断なので、それならそれで良いか、と思うに至りました。
 いずれにしても、管理人さんにご迷惑をお掛けしたこと、あの板をご覧になった方々のお眼汚しになってしまったことについては、本当に申し訳なく思っております。
 ですが、あれは、あのままあそこに当面残しておこうと思います。いつか削除されたらそれはそれで良しと思います。

◆ブログ開始に当たって
 このブログは、私にとっては、あくまでみんシネと同じ位置付けです。つまり、見た映画のことについて「のみ」書き込むつもりです。その他のことは、映画の感想の中に出ては来るかも知れませんが、あえてタイトルを立てて書き込むことはありません。とにかく、今までと同じように、記録として書き続けていけたらと思っています。・・・が、結構、既にメンドクサそうな予感がしており、いつまで続くことやら、という感じですが。とりあえず、細々と続けていくつもりです。
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