イラストレーター田中桐子のブログ 『キリコのフキだし』

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横浜のメリーさん

2006-04-25 | 日常


先日ワケあって横浜の野毛大道芸&ジャズ・アートフェスティバルで生ビールを売ってみた。
私が仕入れた生ビール樽を背負って手売りして歩いて小遣い稼ぎをしたわけではない。
色んな筋の友達(や○ざではない)のお手伝いですよ。
売上がある崇高な目的に使われると聞き、いてもたってもいられなくなり
立候補した所存であります。
ていうか、あわよくば「昼ビール飲めたりして」なんてな。

久々の売り子さん。昔はバイトでイヤってほどやったが
最近はご無沙汰だったので楽しかったわ。
「生ビールいかがっすかぁ~」「らっしゃいませ~」みてーなね。
そのうち疲れてきて「生ギールいかがかー」とか「生ミィールいかがですまー」とか
舌がもつれてきたりするのも楽しかったなぁ

野毛界隈はホントに素敵なところですね。
人がとてもあたたかく。心地良かった。
おかげでいつもなら鉄拳ものの、酔っぱらいおじさんも許してあげられたよ。

そこでね出前生ビールしたとき「ヨコハマメリー」のビラもらったのよ。
出前先のお方が監督さんでさ。「おお」って感じよ。

この「ヨコハマメリー」。よくいくバーにチラシが貼ってあったからリンクしちゃって興奮。
バーで見た時「おお。メリーさんか」なんて興味シンシンだったの。

皆さんはメリーさん知ってる?若い人は知らない人も多いかも。
私は静岡から横浜へ放浪の旅に来た当初、伊勢佐木町にて初メリーさんしました。
飲んだ帰りフラフラと歩いていると、目の前に鈴木その子も驚愕の白塗のおばあさん登場。
白のアクリル絵の具で塗りたくったような肌の上にデーモン小暮ばりの攻撃的アイメイク。
口角は頬にぐいっとはみ出し、怒っても笑い顔を演出できる真っ赤なリップメイク。
「アイホールをちょっとぼかして春っぽいメイク」とかメイクテクなんて
あったもんじゃないわけですよ。
細く痩せた小さな身体に「だぶっ」と大きめな純白のワンピースを着込み、何故か大荷物。
そんな異質ないでたちにも関わらず綺麗になでつけられた艶っぽい白い髪。

凝視する遠慮のナイ私の視線に気が付いたメリーさん。たしか何か怒られたような...?
あれ?どうだった?
現実と虚構の境があいまいになるほどの存在感だった。

もちろんローカルではメリーさんの存在は当たり前の事で
びっくりしていたのは静岡の山猿の私だけだったのです。
あとから街でメリーさんに遭遇する度

「メリーさんは売春婦だったんだって」とか。
「実はスゲ-金持ちのお嬢さんだったらしく...」とか。

周りの人間に色んなメリーさんエピソードを聞きたけど
どれがホントでどれがウソだか。
何年も前にメリーさんは死んじゃったらしいって噂で聞いた。それはホント?ウソ?
「ふぅん。死んじゃったんだァ。」くらいのこと。
「まじで?もう見れないんだァ。」くらいのこと。
それから思い出したことも僅かだったと思う。

それなのになぜ?今メリーさん?
なにがこんなに心にひっかかるのか?

私は彼女のことが知りたいと。こう思うのです。

写真展や映画がやってます。詳しくは http://www.yokohamamary.com/
メリーさんの事を知る鍵になりそうだな。
いってきます。

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