to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

悪童日記

2014-10-07 23:30:30 | the cinema (ア行)


原題 Le Grand Cahier
製作国 ドイツ/ハンガリー
上映時間 111分 映倫 PG12
原作 アゴタ・クリストフ 『悪童日記』(早川書房刊)
監督 ヤーノシュ・サース
出演 アンドラーシュ・ジェーマント/ラースロー・ジェーマント/ピロシュカ・モルナール/ウルリク・トムセン/ウルリッヒ・マテス

第2次世界大戦下、双子の兄弟が「大きな町」から「小さな町」へ疎開する。疎開先は、村人たちから「魔女」と呼ばれる祖母の農園だ。僕たちは、粗野で意地悪なおばあちゃんにコキつかわれながら、日々の出来事を克明に記し、聖書を暗唱する。強くなることと勉強を続けることは、お母さんとの約束だから。両親と離れて別世界にやって来た少年たちが、過酷な生活のなかで肉体と精神を鍛え、実体験を頼りに独自の世界観を獲得していく。

この作品では、少年2人の名前は明かされない。
「魔女」は彼らをメス犬の子供と呼び、母親もまた名前で呼ばないからだ。
そして、二人きりになった「ぼくら」の日記がめくられていく。
淡々と、無感情な「ぼくら」の過酷な日々が…―
父の教え、母の願い、それを守りながらも、
それよりも二人で決めていくルールで、大きなノートには、
一心同体の2人が目にし、成したこと。その事実のみが映され、記されていくのです。
以下はネタバレを含んでいます。


ハンガリーの国境付近の、周りを樹や畑で囲まれた、郵便配達以外近づかない農家。
毎日逞しくなっていく兄弟は、そこで空腹で動けなくなった兵士に出会い、
少し頭の弱い少女と出会い、
教会に行きつき、、司祭館の女と出会う…―

「“汝、殺すなかれ”っていうけど、みんな、殺してる」

悪びれもせず、司祭に向かって彼らは言う。聖書なんかもう暗記してしまうほど読んでいた。
痛さに屈せず、襲い来る不条理に立ち向かう準備もしていた。毎日...。

何としても生き抜く為に、窃盗や恐喝などを覚え、その一方で、
餓えた者、弱き者を援けるという・・・かれらの中の正義。価値観。

両親と離れて疎開先で生きる少年たちは、何を得て、、何を失ったのか?
また、何は失わずにいられたのか?

彼らの課題の、最後のテーマ・・・
予感はありましたが、もうひとつの方は予想外で、、
何とも云えない想いで胸がいっぱいに......
そして――唐突に思い出すのですよ、、最初の方で父親が言った
双子は目立つ」......
最後まで厳しい試練を自らに課す、生き抜くために。

矛盾と不条理に溢れた現代社会は、
親の都合で離婚し、また勝手に再婚とか、、挙句、子供をないがしろにする大人は後を絶たず・・。
彼らの目にどう映っているのだろうか?
戦争という事を抜きにしても、この生き難い世を、子供だけで生き抜くとしたら??

どなたにもオススメの作品とはいかないけれど、
鋭く突き刺さる、子供の問いかけ。
ちょっとシュールな戦争ドラマですが、私は結構好きな作品でした。

  少年たちのその後、を祈らずにいられない.....

アバウト・タイム ~愛おしい時間について~

2014-10-06 22:29:43 | the cinema (ア行)

今日を生きることが
好きになる。

原題 ABOUT TIME
上映時間 124分
製作国 イギリス
脚本:監督 リチャード・カーティス
出演 ドーナル・グリーソン/レイチェル・マクアダムス/ビル・ナイ/トム・ホランダー/マーゴット・ロビー/リディア・ウィルソン/リンゼイ・ダンカン

イギリス南西部コーンウォールに住む青年ティム(ドーナルグリーソン)は、両親と妹、そして伯父の5人家族。 どんな天気でも海辺でピクニックを楽しみ、週末は野外映画上映を楽しむ、風変わりだけど仲良し家族。しかし自分に自信のないティムは彼女がいないのが悩み。 そして迎えた21歳の誕生日、一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力があることを父から知らされ、衝撃を受けるが…。

ラブ・アクチュアリー」「ブリジット・ジョーンズの日記」の監督だし、
ジャンルとしてはSFロマンスになるのでしょうが、私的には
家族ドラマとしての印象が残りました。素敵な、優しい作品でした~

自分に自信がなくて、ちょっと頼り無げな青年ティムはまだ恋人もいないので、
伝承の(笑)トクベツな能力を使って恋人ゲット~までのアレやコレや。
さえない男子が恋をして、躓いたりしたあのシーンもう一度やり直せたら…が、
ティムは瞬時に、何度でもOKなのが凄い~(笑)

ひたすら自分が幸せになるために、まるで動画をリプレイするように瞬時に決行~♪
しかもそのツールときたら超~簡単。自分過去限定版・どこでもドア~(笑)
まあクローゼットって、ちょっと昔の日本なら、押し入れってところでしょうか?
物置とか押し入れって、一番最初の秘密基地、かくれんぼの定番だからアリだと思います~。


妹、キット・カットの出会いのシーンなんか忘れていたし、中盤は
何かが起こる?!ってざわざわしたんだけど、繰り返せない切ない別れの決断も成長の道しるべ......
この作品のメッセージはちゃんと伝わる温かなラスト

上手くいかなかったアンナことや、無かった事にしたいあの時を、
好きなだけやり直せるティムに云われても~
と思わなくもない、
ちょっと説得力はないハズの彼の言葉も素直に受け入れられるのがスゴイ


「ラブアク~」「パイレーツ~」に続いて本作が3本目なのに、
リチャード・カーティス監督は引退宣言してるとか。勿体ない!!
まだまだ素敵な愛を届けて欲しいです。。。

現在、恋人がいなくても、片恋中のひとも、
恋愛進行中の人も、めでたくゴールインした方も、、ご覧になって、
特殊な能力がなくても訪れる、当たり前の日常の幸せを感じて欲しいと思います

ジャージー・ボーイズ

2014-10-04 20:55:37 | the cinema (サ行)

原題 Jersey Boys
上映時間 134分
監督/製作 クリント・イーストウッド
脚本/ミュージカル版脚本 リック・エリス
出演 ジョン・ロイド・ヤング/エリック・バーゲン/マイケル・ロメンダ/ヴィンセント・ピアッツァ/クリストファー・ウォーケン/マイク・ドイル/レネー・マリーノ/エリカ・ピッチニーニ

ブロードウェイ史上最長のロングラン作品のひとつとなったミュージカルを、クリント・イーストウッド監督で映画化。
ベルヴィル。そこは犯罪が日常茶飯事というニュージャージーの最貧地区。
1951年、イタリア系移民が多く住むこの街で、しがないチンピラ暮らしをしているバンドマンのトミー・デヴィートは、美しいファルセットを響かせる少年フランキー・カステルチオ(のちのヴァリ)を自分のバンドに迎え入れる。フランキーの歌声は地元マフィアのボス、ジップ・デカルロも魅了し、サポートを約束する。最初は鳴かず飛ばずの彼らだったが、才能豊かなソングライター、ボブ・ゴーディオとの出会いによって大きな転機を迎える。ヴォーカルのフランキー、ギターのトミー、ベースのニックに、キーボードと作曲を担当する最年少のボブが加わり、バンド名を“フォー・シーズンズ”と改めた4人は、『シェリー』を皮切りに次々とヒットを連発、ついにスターダムへとのし上がるのだったが…。


「地元を出る方法は3つ。
“軍隊に入る“ でも殺される。
“マフィアに入る“ それも殺される。
あるいは“有名になる“ ……俺たちはあとの2つだった.....」


序盤にバッドボーイなトミーが(笑)観客にそうささやく、、、
10代の時から彼らはギャングの下っ端として小遣いを稼ぎ、
回転ドアという刑務所にもお世話になりながらも、音楽で有名になってこの街を出たいと夢見ていた。

ギャングのボスもココロを奪われる、フランキーの声があり、
トミーには野心、そしてニックには耳がある。
そして、ふとした事で知り合った、既に『ショート・ショーツ』というヒット曲を持つボブ・ゴーディオが加入し
“ザ・フォー・シーズンズ”の栄光と挫折のドラマは始まる―


ボブの登場で、一気に誰もが生涯に何度か聴いたことがある
オールデーズがばんばん流れるようになり、
“ザ・フォー・シーズンズ”は栄光の階段を駆け上がるようになると、
お決まりのように、4人それぞれが個性故の問題を抱えるようになる・・・

カネ無し、コネ無しの下積みから、チャンスを掴むまでの苦しい時期に
カラダを張ってメンバーを支えてきたトミーは、問題もあるが貢献者でもあり、
かなりカルイやんちゃな描き方をされているが、実はもっとダーティーな部分があったと想像させる。
解れよ とばかりの、シナトラ連呼が笑える

「恋はヤセがまん(Big Girls Don’t Cry)」「愛はまぼろし(Who Loves You)」
そしてザ・フォー・シーズンズの代表曲「シェリー」
まあ、私は物心ついた時にこの曲は九重佑三子のカバーで育ったみたいなものだけど(爆)

これまでもイーストウッド監督の作品は、その世界観に合ったキャストで成功してきた感があるけど、
本作のキャストも実力重視で舞台のキャストをもってきて、新鮮だし、成功してる♪
大物といえば歌わないギャングのボスだけ
このギャングのボス@クリストファー・ウォーケンが最後まで美味しい~

1950年代、、、世界中が今よりみんな貧しく、
若者は誰もが目を輝かせて成功を夢見ていた。成功と幸せは同じだと思っていたけれど・・
成功、金、愛…―今と変わらない葛藤は彼らの前にも待っていて――
「君の瞳に恋してる」誕生の裏で起きていたドラマには胸に迫りくるものがあります......

フォー・シーズンズを聴いたことがなくても十分、
音楽も、音楽に生きた若者たちのドラマも堪能できる作品でした~
クリント・イーストウッド監督、大人だからこその優しさを感じる。。素晴らしい~

sherry


名曲「君の瞳に恋してる」歌唱シーン『ジャージー・ボーイズ』本編映像

オールスター感謝祭♪

2014-10-03 22:54:06 | Weblog

画像クリックでTBS公式HPにジャンプします

オールスター感謝祭14秋  
アノ話題の人がナマで大暴れSP
TBS 10/4(土)6:30~

TBS 「女はそれを許さない」公式サイトに出演者情報がありました
 女はそれを許さないチーム
恭子ちゃん加藤雅也さん溝端淳平さん竹中直人さん♪
うぅ~ん・・・上川さん、SPドラマもあるし、舞台もあるし、、お忙しいのでしょうか~

↑一応動画トップに、仲間サンと共に恭子ちゃんの画像が

もしかしてコレ↓なんか挑戦してくれちゃったりする?(笑)
女優対抗!プレッシャーアーチェリー!
  超豪華女優陣たちが本気で挑むアーチェリー対抗!
  アノ話題の美人女優も挑戦!?演技ではない本気の表情に大注目!!
楽しみにしたいです~

今月の気になる作品♪

2014-10-01 21:29:00 | Weblog


春には優しい薄紅の花を咲かせていた街路樹のハナミズキも、
その葉も少しずつ色づいて、
その下で可愛く揺れていたキバナコスモスも、もうそろそろ終わり、
季節は秋まっしぐら。
空と自分の距離を感じる今日この頃。。。

あなたの秋はどんな風に訪れて、何色の想い出を刻んでいくのでしょうか、、、



関東は雨の10月スタートとなりましたが、
レディースデイと映画サービスデイが重なって、映画日和なのかも知れないですね。

それでは、気になる今月の新作、
暇な時期なのに、観たい作品がこれだけ・・・

10/03 公開
悪童日記
第2次世界大戦末期を舞台に、“魔女”と呼ばれる祖母のもとに疎開した双子の少年の日々とは、、
彼らの日記という体裁をとってハンガリー出身の亡命作家が綴る、生き抜くこと!
migさんのブログで知って、追加しました~

10/04 公開
蜩ノ記
 役所広司/岡田准一 /堀北真希
10年後に切腹せよと命じられた男と、監視役の男の物語。
年に何本も観ない時代劇が、今年はこれで3本目。。「柘榴坂~」が良過ぎたのが吉とでるか?

めぐり逢わせのお弁当
インド映画
間違えて届けられた弁当が取り持つ孤独な男女の出会いと心に染みる交流を映し出す。
遅れて今月、地元公開されます♪

10/18 公開
まほろ駅前狂騒曲
 瑛太/松田龍平/高良健吾
一見ゆるい多田便利軒の、かなりハードな日常(笑)NOと言えない2人の事件簿、楽しみです♪

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札
 ニコール・キッドマン/ティム・ロス/パス・ベガ
モナコ公妃となった伝説の美女グレース・ケリーを演じるニコール、アリだと思います

10/31 公開
ドラキュラZERO
ルーク・エヴァンス/ドミニク・クーパー
ドラキュラ伯爵のモデル、“串刺し公”の異名で恐れられた実在の君主ヴラド・ツェペシュを主人公に描くダーク・ファンタジー・アクション♪
ルーク・エヴァンスってコスチュームもの、似合いますよね。


1年前は・・・
今月の気になる作品♪
果てしなく続くかに思われた酷暑もいつの間にか終わり、ようやくというか、急速に秋はやってきましたね~朝夕の気温の差も激しくて、出かける際の格好にもいつも悩むこの時期ですが、...