to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

容疑者Xの献身

2008-10-09 22:56:59 | the cinema (マ・ヤ行)
その謎を、愛そう。ガリレオが苦悩する、その謎とは?
製作年度 2008年
映時間 128分
脚本 福田靖
監督 西谷弘
原作 東野圭吾『容疑者Xの献身』(文藝春秋社刊)
音楽 菅野祐悟/福山雅治
出演 福山雅治/柴咲コウ/北村一輝/松雪泰子/堤真一/ダンカン/長塚圭史/益岡徹/林泰文/渡辺いっけい

東野圭吾の「探偵ガリレオ」シリーズ初の長編で、第134回直木賞に輝いた同名小説を映画化。
ある日、男性の惨殺死体が発見される。やがて身元は、無職の富樫慎二と判明。死因は絞殺で、顔が潰され、指を焼かれていた。そこで貝塚北署の刑事・内海は捜査に乗り出し、被害者の元妻・花岡靖子へ聞き込みに当たる。しかし、容疑者と見られていた彼女には完璧なアリバイがあった。そんな中、靖子の隣人である高校数学教師・石神哲哉が“ガリレオ”こと湯川と同じ帝都大出身だと知った内海は、さっそく湯川へ相談を持ちかける。すると、湯川は石神を“僕の知る限り、本物の天才”と評し、2人がかつて互いに唯一理解し合えた“親友”だったことを打ち明ける。そして、彼がこの事件に深く関わっているのではと疑念を抱き始める湯川だったが…。allcinema ONLINE

「西遊記」はドラマも×だったので、DVDもスルー、「HERO」は期待しないで観たけど、
SPでも良かったという内容だった。
でも、これは連ドラのテイストをあまり感じさせない、設定、展開ともに良かった!
堤真一、松雪泰子の二人が映画にしていたような気がしました

堤さん、同じフジテレビの月9ドラマ「やまとなでしこ」では、
主人公に惹かれながらも自分の人生に自信のない、
才能ある数学者でありながらどこかで人生の挑戦を止めてしまった実家を継ぐ魚屋の役でしたが
今回は更に、不幸度もその才能もバージョンアップした天才数学者という設定。
じれったくなるほど覇気のない、陰気な冴えない高校教師を作りこんでいます。


原作を読んでいないので、「容疑者X」を取り違えていたことに、
本編を観るまで気が付きませんでした(汗)
今日になってTVでのスポット予告では、もうクライマックス付近の映像が・・・、見せ過ぎないで欲しい
それでも十分解りやすい伏線の張り方に、サスペンスとして魅力的なキャラ設定は
楽しめ、引き込まれます。
不幸に見舞われながらも、母として、女としての幸せを諦めない
儚さの中に自己をしっかり持ち続ける健気な花岡靖子役の松雪さんも、
「デトロイト」の社長と同一とは思えないぐらいのはまり役。上手かったです

映画もドラマ同様、先に犯人は明かされ、
そのなぜ??いつ??どのように??を、天才湯川が論理的に考察、犯人に詰め寄るパターン。



冴えない人生を送る天才数学者が心に秘めた無償の愛。
愛なんて「さっぱり解らない」天才物理学者・湯川学。


問題を出す男と、それを紐解いていく男。
この2人が一緒に居るだけで、私まで追い詰められていく不安感劇場で味わって戴きたい。
――隣同士が同じ色になっちゃいけない。。
石神のこの呟きに涙が止まりません。
彼を支えていたものが、、彼自身予期しなかった「愛」で壊れる日がくるのでしょうか?

サスペンスとしてより人間ドラマとして、見応えがあり
今回、友人としての男・湯川が描かれているのも良かったと思う。
ただし、
最初の方の爆破テロ事件、それに関連しての大掛かりな実験などは要らなかったと思う。
その後登場する同期生との対比で、順調な湯川のポジションを説明するにしても、
あそこはいつも通り、湯川の軽快な授業のおしゃべりだけで良かったと思う。
先の「HERO」の韓国ロケシーンと同じ。
お金をかければ映画らしくなるわけじゃないのは、この容疑者たちが証明してる

それと、福山雅治は好きだし、柴咲コウも嫌いじゃない。でも、好きな曲だけど、
最後の余韻に浸っている時に、KOH+の「最愛」は意外と合わない。あの歌で気持ちが削がれてしまった。
これも個人的な好みの問題だし、きっと意見は分かれると思うけど・・
エンドロールには最初から菅野祐悟さんのカッコイイあのテーマ曲でいって欲しかった。