Hina Sagami ' s

沙神 妃梛の赤裸々プライベート日記(*^ч^*)   

あらしのよるに<本編>3

2005-12-23 03:04:04 | 映画・芝居
結局、2回では書ききれなかった。。。(*^ч^*)ぷぷっ。。(*^ч^*)
ブログって、記事を長く書いているとだんだんと文字入力のスピードがおちてくるんだよね。タイプしているスピードと文字表示に若干のタイムラグがでる。
ブログって、もともとは日記のカテゴリーだから、そんなに長く書ける様には設定されていないのかもしれない・・・。

さてさて、いよいよクライマックスの突入だあ!!

「緑の森」が山の向こうにあると信じて二人は歩き始めた。
オオカミの群れが二人を追ってきている、グズグズしてはいられない。
岩陰に身を潜めながら、また小川を辿って足跡を消し、臭いを消しながらの道のりなので、なかなか前に進めない。
それでも二人は、その逃避行をピクニックのように楽しんでいた。
いつもは、群れに戻らなければいけないという気持ちがあり、別れ際は寂しい思いをしていた。けど、これからはずっと一緒にいられる。
朝起きると目の前には、ガブが、メイが。
眠るときにも目を閉じる前にはお互いがいる。
そんな安心感や嬉しさがあって、辛い道のりも二人にとっては楽しいものだったのだ。

しかし山が近くなってくると気温はグンと下がり、食べるものもなくなってきた。
寒さに弱いヤギのメイはだんだんと身体が弱ってきた。
後ろには追手のオオカミが。目の前には雪山が・・・。
二人は逆境の中、前へ前へ進むしかない。

夜はメイを洞窟に匿い、ガブは1人で外へ出る。
ガブは外で食事をすませ、メイのために草を取って来てから洞窟へ帰る。
そんな日々の中、ある日二人の仲が険悪なムードになってきてしまう。
映画では、「今日は何匹殺してきたんですか?」というメイの問いかけに
ガブは「ねずみを3匹ほど」っと言いながら、肉食動物である自分に不信感を抱いているメイに戸惑ってしまう。
「じゃあ、どうすりゃああイイっていうんっすか?!」
珍しく声を荒げるガブ。
それでも「わかっているけど、いやなものはいやなんです」っと、メイはガブのオオカミとしての特性を受け入れられなくなってしまった。

原作では、ここのところももう少し、細かく描写してある。
メイがガブに不信感を抱く理由として、彼が肉食だから、というだけではなく、母親を殺したのがガブの親分のギロだということを知ってしまうからだ。
ガブはそんな過去があったことを知らずに、「ギロさんはリーダーとして最高です」なんて、自分たちをおってきている相手を褒めたりしちゃう。
そのうえで、昔ヤギに片耳を食いちぎられたことがあって、っと言ってしまうのだ。

メイは自分はなにをしているんだろう??っとふと疑問にかられてしまう。
仲間を捨て、母親を殺したオオカミの子分と旅をしているなんて・・・。
そして、仲良しだと信じている相手は毎晩生き物を殺して、血の臭いをさせながら洞窟に戻ってくるのだ・・・。

それでもガブは自分に嫌悪感を抱いているメイに対してもずっと優しかった。
仲良くおしゃべりができなくなってしまっても、相変わらずガブはメイをかばいながら、気を配りながら旅を続けていた。
そんなとき、ウサギを追いかけるキツネに遭遇する。
キツネは足を怪我しているらしく、ウサギを捕まえる事が出来なかった。
エサを持って帰れずに巣穴に戻ると、そこにはお腹を空かせた子供たちが・・・。
「お父さん、お腹が空いたよおお~~」っとやせこけた仔狐たちがそのキツネに泣きすがる。そしてお父さんキツネはまた狩りに出かけるのだ。
メイはその光景を見て、何かを悟ったようだ。
動物を殺してエサにするということもまた、肉食動物たちにとっては大変なことで、そして生きていくうえで必要なことだということを。

洞窟でひとり身を隠しているメイは、
『ガブが生きていくのはわたしよりずっとずっと大変なことなんだ。それなのに、わたしを食べずにいてくれる。空腹のときはどんなに辛い事だろう・・・』
ガブに対する嫌悪感が少し薄れた気がした。
そして、ガブがいつも背中に背負っている「逃亡セット」の中身をこっそり見てみると、その中には、平らな石に押し花のように挟まれた四葉のクローバーが!!!
嵐の翌日に再会したときに交換し合った、あの四つ葉のクローバーだ!
あのとき自分はすぐに食べてしまったけど、ガブはずっと持っていてくれたんだ!!
そして、洞窟に帰ってきたガブにメイは自分から「おかえり」と言ってみた。

このエピソードは小説の中でも、郡を抜いて心を打たれるシーンだ。
これが映画では描かれていなかったのが、本当に残念。。。

逃亡の日々の中、メイは不安や疲れから、その苛立ちをガブに当たっていたのだ。
それでもガブはいつもメイに優しい。
原作ではこんなこともあった。
メイが洞窟で休んでいるときに、ガブはメイのために草を探して歩く。
やっと見つけた草をメイの元にもっていくとメイは食べようとしない。
「どうしたんっすか?お腹の具合でも悪いんっすか?」
「これじゃない・・・」
「え?」
「この草は食べられない草なんです。。。」
「あ・・・」
「タプ(メイの友達)なら間違わないのに・・・」
あ~~~!!!メイ!!!そんなこと言っちゃダメだよおお!!
本を読みながら私は思わず心の中で叫んでしまった。
逃亡の日々の中、ガブの優しさに気が付かなくなってる。。。
(ー'‘ー;) ウーン、でもこういうことって、確かにあるよね。
私も自分の苦い経験をいくつか思い出した。

さて、先へ進むほど吹雪はどんどんひどくなっていく。
もうメイは先に進む事ができなくなってしまった。

ガブは雪を掻き分け、小さな穴を掘り、そこにメイを非難させる。
すっかり衰弱しきってしまったメイは
「わたしを食べてあなただけ生き残ってください」と言い出した。
そ、そんなことできるわけないじゃないっすかあ!!
それでもガブのお腹はグ~グ~鳴ってしまう。


「鳴るな~鳴るな~!!!」
「どうしてオイラはオオカミになんか生まれてきちゃったんだろう!!」
ガブの悲痛の叫びだ!
映画でも小説でもこのシーンでは号泣!!・゜゜・(≧◯≦)・゜゜え~ん!!!
切ない・・・。苦しい・・・。全身やるせない気持ちでいっぱいだ。

そして、メイに説得されてガブはメイを食べる事に・・・?!

「わかりやした」
「じゃ、洞窟に入ってくるところからやりやす」
「さよなら、ガブ」

吹雪の中を歩きながら、「いまさらメイを食べられるわけないじゃないっすか・・・」
とぼとぼと歩きながら、ガブは雪を掘ってメイの食べられる草を懸命に探していた。
「ご飯を食べればメイも元気になるはず!!」
あ~~、どこまでもガブは優しい。。。

すると、オオカミの追手が近くまで迫っていることに気がつく。
闘わなければ、っとガブはここで命をかけてメイを救うことを決意する。




激しい戦闘の末、大雪崩がおきて・・・、そして!!!
ガブは仲間のオカミもろとも谷底へ落ちていってしまった!
「メ~~~イ!!!」
最期の最期までガブはメイを思っていたのだ。

嵐は吹き止み、小さな穴からメイが這い出してきた。
そして眼前に見えるのは、二人が夢見て、目指してきた緑の森だ。
しかし、いくら待ってもガブは現れない。。。
「わたしがあんなことを言わなければ・・・」
「きっとあの雪崩に飲み込まれてしまったんだ・・・」
「あ~~、ガブ・・・」
緑の森についてもメイの心の中は吹雪の夜のままだった。
メイは食べ物もろくに食べず、どんどん衰弱していってしまう。
そんなある日、森にオオカミが現れたという噂が!
「ガブだ!ガブは生きていたんだ!!」
ガブを見つけ、走りよっていくと!!


ガッツウウ~~ン!!
ガブと衝突してしまいメイは気を失ってしまう。
目が覚めるとそこには、恋焦がれたガブの姿がある。が!!なんだか様子がおかしい。
ガブは雪崩のショックで記憶を失っていて、メイのことを覚えていない。
っとなると、ガブにとってメイはただのエサだ!

涙ながらに「わたしはメイです」と訴えるのだが、記憶を失ってしまっているガブにはなんのことだかさっぱり。
「ごちゃごちゃうるせええんだよ」っと一蹴されてしまう。

ガブになら食べられてもイイと思っていたメイだけど、ただのオオカミになってしまったガブに食べれるなんてイヤダ!!!

「こんなことならあらしのよるに出会わなければよかった・・・」


すると!!!『あらしのよるに』そのメイの台詞でガブの記憶が蘇えったのだ!


「メイ、こんなとこでなにしてるんっすか??」
「ずっとあなたを待っていたんですよおおお~~~~」

あ~~!!よかった!
そして二人は「二人で満月をみる」という約束を新しい緑の森でかなえることが出来たのです。



映画では、このシーンでハッピーエンドとして幕を閉じている。
が!!小説では切ないラストを迎えているのだ。
二人で丘の上から満月を見上げながら、メイはガブの胸の中でひっそりと息絶え、ほどなくしてガブの命の炎も人知れず燃え尽きた。

たくさんの試練、困難を乗り越えて二人は一体何を手に入れたんだろう??

「命をかけてもいいと思える相手に出会えた幸せ」なのかな。。。

信じたことを突き進むことの素晴らしさ、貫くことの素晴らしさ。
禁断の友情、究極の愛に身を投じ、最期まで相手を信じ、いたわりあうことの素晴らしさをガブとメイは教えてくれた気がしました。

ここまで書いて言うのもなんですが・・・、まだご覧になっていない方は
是非是非、小説を読んで劇場へ足を運んでみてね♪


最新の画像もっと見る