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パキスタン進出の中国企業25社、閉鎖が近い 公的なCPECプロジェクト企業でも賃金不払い、納税遅延(宮崎正弘国際情勢解題)

2022-05-15 | 中国の歴史・中国情勢

中国は公然とパキスタンに不満を鳴らすようになった。蜜月関係だった中国・パキスタン関係に大きな亀裂が入った。

パキスタン進出の中国企業25社は公的なCPEC(中国パキスタン経済回廊)プロジェクト企業である。そこでも賃金不払い、納税遅延が問題化し、業務は滞り、閉鎖が近いとされる(『ザ・タイムズ・オブ・インディア』、5月12日)。

第一にはびこる汚職、金が途中で消えてしまう。中国プロジェクトにはつきものの習慣だが、輸送途中でも蒸発し、賃金が労働者まで届かない。賃金のピンハネ、セメントなど材料のごまかし、横流し。鉄道建設現場ではレール、機材、はてはブルドーザが盗まれてスクラップ業者へ。

第二は治安が最悪、パキスタン警察は頼りにならず、中国人へのテロ、拉致、誘拐、殺人が後を絶たず、すっかりはたらく意欲をなくした。

第三に習近平の目玉だった「海のシルクロード」の重要拠点とされたグアダル港の開発はついに中断に追い込まれ、カラチに拠点が移行することとなった。イムラン・カーン前首相は、「ゲームチェンジだ!」と衝撃を隠さなかったが、これがイスラマバード政変の導火線となった。議会はカーン首相の不信任案を可決し、最高裁は選挙実施を無効としたため、シャリフ政権が誕生する。シャリフ兄弟は「腐敗の象徴」とされる。

スリランカでも親中政権が風前の灯となっている。観光客激減による外貨準急減にともないガソリンと食料値上げ、猛烈なインフレがスリランカ経済をおそった。このため各地で暴動が発生し、マヒンダ首相、バジル財務省が辞任に追い込まれた。

デモ隊はなおゴダバヤ・ラジャパクサ大統領の辞任を求めている。

ゴダバヤ、マヒンダ、バジルは三兄弟、つまりスリランカはラジャパクサ一族のよって統治され、中国べったり路線を歩んできたのだ。ハンバントタ港の99年に中国への貸与もマヒンダ前政権のときに決められた。

新首相に就任したのはウィクラマシンハ元首相であり、反中、親インド路線だったシリナセ政権下でも首相を務めた。シリナセ政権はコロンボ港の近代化プロジェクトを一時中断したが、猛烈な中国側の巻き返しにあって、いつしかラジャパクサ一味に巻き返されていた。

スリランカに起こりつつある政変も、じつは中国をめぐる路線対立が基盤にある。


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