東アジア歴史文化研究会

日本人の素晴らしい伝統と文化を再発見しよう
歴史の書き換えはすでに始まっている

浜口和久、江崎道朗、坂東忠信著『日本版 民間防衛』(青林堂)

2019-11-09 | 日本の安全保障
「ときおり地政学的・軍事的な危機が迫ると、日本でも「民間防衛」について熱心に語られた時代があった。昭和三十年代からしばらくは、モデルがスイスと言われた。しかし国内擾乱、共産革命の危機が去ると皆は関心を失い、日常の安逸さに埋没してしまう。自衛隊退役の予備自衛官が、いかに少ないか、信じられないほどの体たらくを示すのが、平成の日本だ。

しかも拉致被害に遭おうと尖閣に中国の軍艦が押し寄せようと、日本の空が敵機で蔽われようと、目の前に危機に鈍感となり、何をどうしたら良いのか分からない。まともな防衛策を主張すると、左翼メディアは「極右」などと言いがかりをつける。中国の敵対行為をなかったかのように意図的な印象操作を展開するのだから、利敵行為である。軍事的侵攻を受けたときだけではなく、日本は二十四時間、中国からの「間接侵略」を受けている。だが、国民は不感症なのだ。よほど鈍感か、無神経か、それとも善意の塊なのだろうか?

この本は戦国武将時代からの地政学に詳しく城の研究家でもある浜口氏と、戦中のスパイ活動や現在の諜報工作の専門家である江崎氏と、そして移民問題に鋭角的な問題提議をつづける警視庁刑事出身の坂東氏との合作、まさに名物トリオの執筆陣となった。民間防衛の役割が平易に、イラスト入りで説かれ、テロ、戦争、移民問題、そして地震、異常気象、災害など予期せぬ事態に遭遇したときに、いかに対応するかのマニュアルでもある。

第一章の「テロとスパイ工作」、第二章『戦争』、第三章が「自然災害」と、これらは浜口氏の執筆範囲である。第四章の『移民問題』はこの人をおいて専門家はいないと言われる坂東氏。そして第五章「インテリジェンス」が江崎氏と、まさしく適材適所の陣容で、内容は多彩にみえて、一貫した整合性がある。

さて中国がハッカー攻撃で標的とするのは何々か?

指揮系統をずたずたにし、日常生活を成立させなくするには、まず首相官邸、放送局、ガスタンク、水道施設、発電所、化学工場、鉄道、空港、石油コンビナート、駅、通信網、金融ネットワークなどである。すでに日本の官公庁や大手企業の被害は続出しているうえ、年金機構が狙われ、125万人分の個人データが盗まれてしまった。中国ばかりか北朝鮮のハッカー部隊も格段の進歩を遂げているとの指摘がある。北はサイバー戦力の一元化を図り「人民武力部偵察局隷下にあったサイバー部隊121所を偵察総局の直属とした。(中略)兵力をそれまでの500人から3000人の規模に増強している。」

その目的は韓国軍の機密資料をハッキングし、指揮系統を痲痺させることにある。「現役軍人や入隊対象の青年に厭戦思想を広めて、戦闘力の質的な瓦解を実現し、国内対立を煽り、社会的混乱を増大させるなど、韓国社会を根底から揺るがすことまで想定している」という(59p)。また北朝鮮は「朝鮮コンピュータセンター(総勢4500人)が中心となって、日本の重要インフラのコンピュータシステムへのサイバー攻撃のシミュレーションを行っている」(60p)。油断大敵である」。
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