東アジア歴史文化研究会

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『バブル崩壊前夜を迎えた中国の奈落』石平著(ビジネス社) 中国経済はハイパーインフレが始まり、「成長神話」は終焉 北京に軍靴の響きが聞こえないか?

2021-12-25 | 中国の歴史・中国情勢

副題をみて仰天する読者も多いのではないか。

「すべてはバカ殿、習近平の仕業」であり、「中国は自滅する運命にある」と断言するのだから。

以前から石平さんは習近平が最後の独裁権力の仕上げは、台湾侵攻と、公安系の敵対派閥の粛清になると予測してきた。なるほど、共産党独裁と、その利権をまもりぬき、権力をイエスマンで固めないと、古今東西、独裁者は安眠できないのである。

独裁に必要な軍を習近平は、なんとか掌握できたかに見える。

外交はワクチンと戦狼外交の展開で、東西南北の周辺国は中国の册封体制にはいったと習近平は傲岸不遜にも信じている。

まわりには茶坊主しか存在しないから、習はまるで裸の王様、すなわち「バカ殿」である。

中国外交部スポークスマンが、記者会見場で、いかにも怒髪天を衝くかのように大声で怒鳴るように、居丈高に諸外国を非難するのは、国内向けの芝居、あれは京劇を演ずる場であり、外相の王毅はまるで京劇俳優ではないか。

しかし、あんなことを続けていたら、台湾侵攻に打って出ざるをえなくなり、返り血を浴びて敗退しても「勝った」と獅子吼することになるだろう。

この書評を書いている最中に中国で新幹線駅の渡り廊下が落下する事故が起きた。12月2日、安徽省阜陽市の阜陽西駅で高速鉄道駅と駐車場とをつなぐ渡り廊下が突然落下した。この建物は築二年である。ついで高架橋が落下して多数の死傷がでた。

いみじくも、これらの事故が中国経済のある日突然の崩壊を象徴している。

さて石さんは「歴史決議」を「第二の文革」と捉える一方で、毛沢東と並ぼうと野心剥き出しにしたら、四方八方から批判が飛び出し、修正につぐ修正の結果、なんと習近平の位置づけはトウ小平否定どころか江沢民、胡錦涛に並ばざるを得なくなったと分析するのである。

つまり習は「毛沢東、トウ小平クラスの指導者とは認められず、江沢民、胡錦涛とほぼ同格の扱い」を受けたのだ(48p)。

また「共同富裕」は標的が富裕層と高収入層だと分析し(ということは共産党党員じゃないの)、「却富清貧」だとする。

メディアが大きく報じたのはファンビンビンら著名芸能人、ピアニストたち。そして、次の生け贄はジャック・マーだろう。別の事情通に拠ればジャック・マーこと、馬雲はスペインに「亡命」したのではなく、隠し預金を引き出して「上納」するために海外旅行を許されたのだという。 

大事な数字がある。

地方政府の債務はGDPの52%となって、債務率100%を超えた都市が85都市。ワースト・ランキングは貴陽市が929%、昆明市が679%、西安市663%、天津市が580%、重慶市が558%という。

(よくまぁ、こんな都市の債券を買う人がいたんだ)。

また中国は2060年をメドにカーボンゼロと寝言を繰り返している。

世界の地域別のCO2排出量シェアは次の数字である。

中国が29・3%、米国が15・6%、EUが10・3%、これら諸国に比べて、清浄な空気と澄明な水に恵まれる日本のCO輩出はわずか3・7%に過ぎない。

70年代からの公害対策に本気で取り組んできたからだ。

本書のすべてを紹介しきれないので、最後に目次を紹介しておこう。

第1章 発動された「習近平版文化大革命」
第2章 右往左往・支離滅裂の中国「戦狼外交」
第3章 拍車がかかる若者の“諦観"と“絶望"
第4章 バブル崩壊前夜を迎えた超借金経済大国
第5章 すべてはバカ殿の仕業
第6章 特別対談 宮崎正弘氏との対話

というわけで巻末附録は評者(宮崎)と石平氏との対談となっています。


石平 (セキヘイ) (著/文)

1962年中国四川省成都市生まれ。1980年北京大学哲学部入学。1983年頃毛沢東暴政の再来を防ぐためと、中国民主化運動に情熱を傾ける。同大学卒業後、四川大学哲学部講師を経て、1988年留学のために来日。1989年天安門事件をきっかけに中国と「精神的決別」。1995年神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関に勤務。2002年『なぜ中国人は日本人を憎むのか』を刊行して中国における反日感情の高まりについて先見的な警告を発して以来、日中問題・中国問題を中心に評論活動に入り、執筆、講演・テレビ出演などの言論活動を展開。2007年末日本国籍に帰化。14年『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(PHP)で第23回山本七平賞を受賞。著書に『習近平敗北前夜』『アメリカは絶対許さない!「徹底抗戦」で中国を地獄に導く習近平の罪と罰』『習近平がゾンビ中国経済にトドメを刺す時』『アメリカの本音を見誤り、中国を「地獄」に導く習近平の狂気』『私たちは中国が一番幸せな国だと思っていた』(ビジネス社)など多数ある。


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