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【断末魔の中国】中国のTPP加盟承認の可否、岸田新政権の試金石に 北京を慌てさせた台湾「歓迎」ムード 日本企業も「これ以上の関与は危険」の判断

2021-10-13 | 中国の歴史・中国情勢

2021.10.12
岸田首相(中央)率いる新政権の対中姿勢が注目される(共同)

岸田文雄首相による新政権が発足した。中国は、自民党総裁選で「露骨な親中派」と期待していた河野太郎前行革担当相が敗れたので、がっかりしたらしい。

ところが、日本の株式市場には「御祝儀相場」がなかった。岸田政権は総選挙(19日公示-31日投開票)を控え、数十兆円の景気浮揚策を用意すると唱える。具体策に曖昧な点が多く、円安と株安が続き、先行きは明るくない。

日本の民意は「中国嫌い」だから、ネットを中心に河野氏への批判は多いが、党員・党友票は「河野支持」が圧倒的だった。つまり、自民党の党員・党友の多くは実業界、財界、団体の組織票であり、中国とのビジネスを続けたいのである。

中国メディアは総裁選前、高市早苗政調会長を「極右」「危険」と書いていた。高市氏があれほど善戦するとは予測しておらず、中国は日本の外交方針が強硬になることを恐れる。

加えて、「親中派の大物」とされる二階俊博前幹事長率いる二階派の影響力は沈没寸前だ。台湾によるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)加盟申請については誰も反対がなく、「歓迎する」ムードに切り替わったのも北京を慌てさせた。

中国が日本のGDP(国内総生産)を抜き、現在は3倍の規模と吹聴しているのだが、「輸出による外貨稼ぎ」はそろそろ頭打ちである。人件費が高騰し、輸出競争力を喪失したばかりか、繊維産業など中国企業自ら外国へ工場を移転した。

日本企業に猛烈な反省が起きたのは数年前からである。鉄鋼や造船、化学製品など日本からの技術移転の後、中国は政府補助金(=WTO違反だが)によるダンピング輸出に明け暮れて、世界市場で日本勢を駆逐した。

一方、中国に進出した自動車会社などは利益を持ち出せないため、中国国内での工場増設に踏み切らざるを得ない。結局、中国経済の発展を助け、日本の国益に何ほどの役にも立たないことが分かった。現場の企業人は、こうした認識に立っている。

ドナルド・トランプ前米政権時代に、対米輸出品への高関税から始まった米中貿易戦争は、その後、米政府が中国当局によるウイグル自治区での人権弾圧を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定した。

米当局は今年1月、ウイグル産の綿を使った疑いがあるとして、衣料品店「ユニクロ」の男性用シャツの輸入を差し止めた。日本企業は「これ以上の中国関与は危険だ」と判断するに至った。欧米では、北京冬季五輪ボイコット運動が燃え、日本に同調を求めている。

さし当たっては、中国も申請したTPP加盟を認めるかどうかだろう。今年は日本が議長国であり、世界が日本の判断を注視している。岸田政権の試金石になる。


■宮崎正弘(みやざき・まさひろ) 評論家、ジャーナリスト。1946年、金沢市生まれ。早大中退。「日本学生新聞」編集長、貿易会社社長を経て、論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析する評論やルポルタージュに定評があり、同時に中国ウォッチャーの第一人者として健筆を振るう。著書に『日本人が知らない 本当の路地裏中国』(啓文社書房)、『中国が台湾を侵略する日』(ワック)など多数。

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