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トランプ大統領が来日。「インド太平洋の安全保障」に言及(宮崎正弘国際ニュース早読み)

2017-11-06 | 米国の政治経済
トランプ大統領は横田基地に降りたって、最初に在日米軍ならびに自衛隊関係者およそ二千人を前にスピーチをしている。

「アメリかは圧倒的な力で必ず勝利する」と高らかに宣言し、つづいて「過去にアメリかを見くびった独裁者がどうなったか?」と意味深長な発言をなした。これを北朝鮮の金正恩向けと日本のメディアは捉えた。

ところが前日にトランプは真珠湾に立ち寄って、白い花を海に投げ犠牲者の冥福を祈っており、「パールハーバーを忘れるな」と強調していることに留意する必要がある。英紙インデペンダントは、この点に的を絞り「廣島長崎14万人の犠牲」に弔意を示していないが日本政府がこの問題の表面化を避けたと示唆した。

さて横田基地から川越のゴルフ場へ向かったトランプ大統領は待機した安倍首相と固い握手、日米同盟の深化を演出し、野球帽にサインしたあと、米国製牛肉のバーガーを昼飯とした。「日本は米国の重要な同盟国だ」と強調した。

軽い食事のあと、二人はゴルフに興じたが、9ラウンドで切り上げ、夕食の鉄板焼きに備えた。ゴルフは表向きのジェスチャーで、二人だけの緊密な話し合いが行われたと推測出来る。

米国メディアはトランプ来日記事をメインとしておらず、筆頭はサウジ王子の逮捕である。二番目がトランプはアジア歴訪についてであって、その初日が日本という位置づけ、むしろ習近平との会談とダナンで予定されているプーチンとの会談に重点をおいており、北朝鮮問題の解決に向けて、中国とロシアの協力が不可欠という前提から「過去25年の外交とはまったく異なった手法を用いるだろう」(AP)

「かならず根本解決をする。中国とは公平な貿易に関して突っ込んだ話し合いとなる」(ロイター)などとして安倍トランプ会談の詳細は殆ど触れていない。

 欧米メディアに共通しているのは「アジア諸国を12日間も歴訪するのは1992年のブッシュ大統領以来だ」と強調するばかり。ニューヨークタイムズは「ダナンで予定されるプーチンとの会談で何が話されるか」とし、ワイントンタイムズは「引き続き、フィリピンでもプーチンとの会談の続きが行われる模様」と報じている。

プーチンとベトナムとフィリピンで連続会談を行うと予測しているのはワシントンタイムズだけである。


▼米国のリベラルメディアは相変わらずトランプのロシア疑惑を誇大に報道

トランプ大統領自身は金正恩を「小さなロケットマン」としながらも、「北朝鮮との問題では中国とロシアの協力を求める」とした。ワシントンで巻き起こっているトランプ政権とロシアとの関係疑惑を避けるためにも、プーチンとの個別会談を前面には出したくない姿勢が見受けられる。

しかし、トランプの語彙にも、大いに注目する必要がある。これまでアメリカは「アジア太平洋の安全保障」と言ってきた。昨今は「インド太平洋の安全保障」と語彙の切り替えが行われている。これはペンタゴン戦略の変更に沿っての発言であり、ひろく中国海軍の脅威の範囲を南シナ海からインド洋に拡大している事実が背景にある。

したがってタイムズ・オブ・インディアは「トランプは安倍、文在寅、習近平との協力関係を重視しての統一戦線形成だ」などと楽観的希望的観測をあげた。トランプは「中国とロシアとの協力が必要」と強調しているが、韓国のことに触れていないにも拘わらず、にである。

ワシントンポストは「12日間の歴訪中に金正恩はまたミサイル実験をやるだろう」として2月のフロリダでの日米首脳会談(27ホールも回って親密さの演出に終始した)の最中に北朝鮮がミサイル実験をおこなったことに触れた上で、「北京訪問をわざわざ12月8日としているのはトランプ勝利からちょうど1周年の記念日だからだ」と妙な比較を特筆した。

これらの報道と異なったのはフォックスニュースだった。「北京はトランプ訪中を赤絨毯では迎えないだろう。トランプは中国の銀行を制裁したからだ」
また同紙は「トランプのアジア歴訪中、北がミサイルと飛ばしても、交渉において妥協は不要であり、怯むことはない」とした。

というのもトランプ大統領が北朝鮮をふたたび「テロ支援国家」に指定し直す動きがあって、金正恩が「破滅を逃れたいなら無駄口を叩くな」と威嚇し、「アメリかが無謀にも飛びかかってきたら我々は断固として無慈悲な懲罰を加えざるをえなくなるだろう。そのときになって航海しても無駄だ」と核攻撃をほのめかしたあと、トランプがツィッターで「北朝鮮の人々は偉大だ」などと書き込んだ経緯があるからだ。

それにしても安倍トランプ会談を「バーガーで昼飯」「銀座の鉄板焼き」「イバンカの先乗り厚遇」「メラニア夫人と安倍夫人の銀ブラ」などと、枝葉の問題を訪日日本のメディアは相変わらずのノー天気である。
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