(承前)
トランプ大統領の息子らは、新たな暗号通貨ベンチャー企業「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」を設立し、営業を開始した。ドナルド、エリックに三男バロンも加わる。
ドナルド・トランプ前大統領は七月に「全米ビットコイン会議」で講演し、「暗号通貨ファン」に対し、米国を「暗号通貨の中心地」とすると言い放った。
「長い間、ふつうのアメリカ人は大手銀行と金融エリートによって圧迫されてきた。今こそ我々が立ち上がる時だ。新たな暗号資産取引の計画が必要だ」
SEC(証券取引委員会)はビットコインなどの暗号通貨を「証券」として扱い、関連企業に対して「詐欺、虚偽宣伝、登録漏れを厳しく取り締まってきた。
トランプ大統領はこのゲンスラーSEC委員長を解雇すると発言している。
「SECは非常に敵対的で、人々を追い詰めている」とトランプ大統領は主張し、「暗号通貨業界に利益をもたらす規制指針」を策定するための暗号通貨諮問委員会を設置するとも発言した。そのうえでFRB(連邦準備制度理事会)が独自のデジタル通貨を発行することを阻止すると述べた。
トランプは2016年に大統領選に出馬した際、資産を不動産に投資するテレビ番組のスターだった。『おまえは馘首だ』と言って視聴者を笑わせる人気番組は多くのアメリカ人が見た。
就任前に記者会見し、「自身の経済的利益よりも大統領職を優先する。関連企業から取締役を退き、息子たちに家業を継がせ、倫理上の懸念に対処する」と発言し、大統領報酬はすべて寄付するとし、実際にその通りに実践した。メディアはこのことを小さく報じるか、なかには無視する新聞もあった。たぶん、多くの日本人は知らないだろうが、三ヶ月分をまとめて何処かの非営利団体に寄付し続けたのである。
トランプは左翼集団の圧力でツィッターのアカウントを凍結された。このためソーシャルメディア・プラットフォームを創設し、トランプ自身が過半数株主になった。一時期には時価総額で35億ドルを超えた。2024年10月現在、時価総額は半分くらいに落ち込んでいるのはXが登場したからだ。トランプの「トルース・ソーシャル」は比較的小規模な存在で訪問数は1,300万回、Xの40億回に達する訪問数の1%にも満たない。
▼トランプ一家は暗号通貨トークンに挑んだ
さてトランプ一家が開始した暗号通貨取引とは何か?
「暗号通貨トークンは、お金として使いこなすことはもちろん、長期投資として保有することもできます。政府によって発行または管理されることはなく、銀行を介さずに取引を完了できます」と謳って9月16日、ワールド・リバティ・ファイナンシャルを登録し、ユーザーが暗号通貨を取引、借り入れ、貸し付けが可能となるプラットフォームを設立した。
トランプ・ブランドの世界的な影響力と認知度を活用してユーザーを引き付け、「分散型金融」を推進する」とした。当初は「The DeFiant Ones(ザ・ディファイアント・ワンズ)」と呼称する予定だった。DeFiは『分散型金融』を意味する
ドナルド前大統領が支持する暗号通貨「DeFiプラットフォーム」と喧伝され、DeFiの技術により「安全で高利回りの仮想通貨投資」を実現するものだとも言われた。
「これは『デジタル不動産』であり、誰でもすぐにアクセスできる担保」などのキーワードを掲げ、DeFiを使った融資プロジェクトであることも示唆され
米下院金融サービス委員会のマキシン・ウォーターズ議員はワールド・リバティ・ファイナンシャルを批判し、「分散型金融(DeFi)は、より効率的で透明性の高い金融を目指す一方で、ハッキング、詐欺、情報の不平等、利益相反などのリスクが高まり、消費者や投資家に損害を与える可能性がある」と主張した。
ウォーター議員はカリフォルニア州選出の民主党で、ビットコインなど暗号通貨とは対称的なステーブルコインの推進議員、トランプ企業のカネの流れを追求してきた黒人女性である。
10月16日、トランプ暗号通貨トークンが販売開始された。最初の1時間、サイトが何度もダウンしたにもかかわらず数千の投資家がトークンを購入した。最初の1時間で3億4400万以上のトークンが販売された。
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