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ミカエル・ペティス(北京大学教授)「中国のGDP成長率の数字は半分だろう」 もとよりGDP数値は正確に経済力を示すデータではないが、近似の数値である(宮崎正弘国際ニュース早読み)

2019-03-11 | 中国事情・中国情勢
2019年3月8日、上海で講演したミカエル・ペティス(北京大学教授兼カーネギー財団客員研究員)は、「中国のGDP成長率(ことしは6−6・5%)の実態は、おそらく公表の半分だろう」と述べた。(中国の有力経済学者の向教授はGDP成長率を1・67%と言った)。

中国国家統計局関係者にとっては、衝撃的な内容なのだが、すでにマティス教授は「カーネギー財団 中国財政研究レポート」(2019年1月16日付け)に同様な見解を述べている。斯界では、この意見は穏当なものと捉えており、中国メディアが騒ぐほどのことではない。

もとよりGDPが正確に当該国家の経済実態をあらわす指標ではないうえ、各国が独自の方法で集計分析するために、国際基準に各国が必ずしも同一の方法で統計をとっているとは言えない。とくに中国の統計方法は恣意的であり、地方政府の水増しが平均30%増であることは、国際常識である。

かといって世界の経済シンクタンクがときおり用いる「PPP(購買力平価)」の国際比較も、よりアテにならない。したがってGDPは実態を反映する指標の代理数値という定義でよいのではないか。

一番重要なことは、マティスが論拠としたのが「経済統計は中国の場合、経済データ統計というより、『政治意図』を表現する数字である」と規定していることだ。

ちなみに世界列強のGDPランキングを下記に掲げる
(単位は米ドル。2017年統計)

 米国    19兆3906億ドル
 中国    12兆2377億ドル
 日本     4兆8721億ドル
 ドイツ    3兆6774億ドル
 英国     2兆6224億ドル
 インド    2兆5974億ドル
(インドは2018年に英国を抜いていると想定されている)

また中国のほかの経済指標をここで思い出しておきたい
 中国の外貨準備  3兆0600億ドル
 同 金利     4・35%(二年もの国債)
 銀行間金利    2・95%
 預金金利     0・35
 
これらは「公式数字」だが、実相は外貨準備マイナス、金利体系は公表数字でしかなく、実態は高金利、不動産担保激減による貸しはがしで、社債金利は6%から15%という異様な状況に陥没している。

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ちなみに小誌は平成25年(2013)5月30日(木曜日)においても、マティス教授の発言を援用している。「中国の貯蓄率は異常な高さだが、消費に向かわず、高金利商品に群がり、異常な不均衡がつぎになにを中国経済にもたらすか?」としてペティス教授の当時の分析(いまから六年前、バブルの最中)を紹介している。
 (以下引用)

中国の貯畜率は異常である。2005年統計で中国の貯蓄率は43・4%、2012年のIMF推計で52%、もちろん世界一(日本は20%台、米国のそれは最近、10%を割り込んでいる)

経済の原理原則から言えば、貯金の目的は住宅投資、学資、結婚資金の積み立てなど、将来の投資のための準備である。健全な経済行為でもある。しかし中国は普通の国とは異なって、政治体制が独裁であり、国民の大半は銀行に預金口座を持っていない。その日暮し、年収が200ドルもない貧困層がある。出稼ぎ農民は公式統計でも2億6000万人を越えている。

「家計が悲惨で消費に回らない」という貧困家庭は、所得があまりにも低い結果であり、他方で貯金率が高すぎるのは「普通の国には見られない不均衡だ」と問題点を鋭く指摘するのはマイケル・ペティス(北京大学大学院教授兼カーネギー財団客員研究員)だ。

ペティス教授によれば「この不均衡の逆を行ったのが90年代のドイツであるが、中国の異常な貯蓄率の高さは、政治独裁の中国の構造的問題であり、投資が貯蓄率に比べて低く、そのくせ海外投資率は異様に膨らんでいる。つまり国内生産が過剰で、国内消費を上回り、あまつさえ中国の不動産投資は価格上昇をもたらしているが、これは『消費拡大』ではなく、投機である。これが所得格差、冨と貧困の二極分化を生んだ原因である」という。

所得が増大しないのに住宅価格が上昇すれば、投機はいずれ株式、債権市場にも向い、消費はネガティブになる。生産が消費を上回れば、失業率が急増し、失業者は預金を食いつぶし、親戚友人の貯金も減少し、ひいては貯金量が減少する。

したがって住宅投資にGDPの50%が向かっている歪さは、GDP主義の表われ、偽りのGDPであり、モノとサービス分野で中国は決定的な遅れをとった経済構造をもたらしたと同教授は総括する(『アジアタイムズ』、13年5月29日)。

中国ではクレジットカードの普及が遅れ、社会保障、医療保険、養老年金のシステムが未整備であり、将来への不安から貯蓄に励む性向があることは多くのエコノミストが指摘している。(引用止め)
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