東アジア歴史文化研究会

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「これからの日中関係を決める首脳会談 騙され続けた長年の歴史から脱せるか」(『週刊ダイヤモンド』2018年11月3日号 櫻井よしこ)

2018-11-05 | 日本をダメにする勢力
2018.11.03 (土)

10月23日、私が理事長を務めるシンクタンク「国家基本問題研究所」は「中国の人権侵害に、日本の沈黙は許されない」とする意見広告を、複数の全国紙に掲載した。

中国政府は100万人を超えるイスラム教徒のウイグルの人々を収容所に押し込め、絶え間ない洗脳を行っており、多くのウイグル人が弾圧され、拷問を受け、死亡し、廃人にされ、或いは深刻な後遺症に苦しんでいる。

米議会はマルコ・ルビオ上院議員らが中心になって、民主、共和両党が結束し、中国政府に問題をつきつけた。米議会は中国の凄まじい人権弾圧を「人道に対する罪」と定義し、国際社会に告発した。2022年の冬期五輪の開催地に予定されている北京を他の都市に変更するよう、国際オリンピック委員会に要請し、中国で国家分裂罪で無期懲役の判決を受けて獄中にあるイリハム・トフティ氏を来年のノーベル平和賞に推薦するという。

ルビオ氏らは同盟国にも、中国非難の同じ隊列に加わるよう求めている。米中間で進行中の貿易戦争の背後には両国の価値観の相違がある。ウイグル人に対する不条理な弾圧はそのひとつである。日米安保条約によって同盟国として結ばれている日本にとって、価値観の闘いで、米国と共同歩調をとらない理由はない。その意味で日本の政府も国会議員も、いま、ウイグル問題で声を上げるべきである。

トルコのサウジアラビア総領事館でジャーナリストのジャマル・カショギ氏が殺害された。サウジ政府によるカショギ氏殺害の、人権無視の酷いやり方はもはやどの世界にも受け入れられない。一人のジャーナリストの殺害事件が、サウジ皇太子のムハンマド・ビン・サルマン氏の地位を危うくしている。米国とサウジの関係に亀裂が生じ、サウジの影響力が低下し、イスラエルとの連携も弱まり、イランが得をし、結果として中東情勢が揺らぐ深刻な展開になりかねない。

人権問題が世界情勢を大きく左右する要素になる中で、中国はサウジよりも遙かに残酷な拷問死の山を築いてきた人権弾圧国家である。日本の政治家が中国に抗議の声を上げない方がおかしいのである。

たとえウイグル問題がなくとも、日本政府には中国の人権弾圧について発言しなければならない事情がある。8人もの日本人が中国にスパイとして囚われている。彼らがスパイであるなどとは信じ難い。中国側は容疑を裏付ける詳しい情報を全く示していない。これまでにも中国が日本人をスパイ容疑で拘束した事例はあるが、いずれも濡れ衣と言ってよい事例だった。

26日(本稿執筆は23日)の、実に7年ぶりの日中首脳会談で安倍晋三首相が何を語り、何を語らないかで、これからの日中関係が決まる。首相は日中首脳会談を望みながらも中国が首脳会談実現の条件としてつきつけた要求に屈しなかった。中国側が欲し、日本側も欲した首脳会談でも、同じように妥協しないことが日本の国益を守る道だ。

日本側が中国側に求めるべきことは、まず第一に日本国民の人権と命を守るという意味で、前述の8人の日本人救出である。次に尖閣諸島海域に定期的に侵入する中国の公船について1ミリも譲らずに抗議することだろう。そうしなければ尖閣海域における中国の行動を黙認し、中国が領土を奪うことを認めることになる。第三に中国の知的財産の窃盗への抗議だ。米中貿易戦争で米国の側につく意思を示し、同時に日本が被っている損害について、これ以上許さないとの決意を示すためである。

最低限こうした点をおさえることができれば、首相の対中外交は成功だ。それができて初めて中国に騙され続けるという長年の日中関係から脱することも可能になる。
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