東アジア歴史文化研究会

日本人の素晴らしい伝統と文化を再発見しよう
歴史の書き換えはすでに始まっている

現憲法は、日本古来の家族の美風を破壊している(加瀬英明コラム)

2017-04-05 | 日本の素晴らしい文化
現行の日本国憲法は、読めば読むほど、おかしい。

家族が社会と国家をつくっている、もっとも基本的な単位であることには、誰も異論がないと思う。

「いや、そんなことありません。夫婦が社会のもっとも基本的な単位ですよ」と、誰かが反論したとすれば、読者は「夫婦のほうが家族よりも、大切なんですか?」といって、その人物を奇異な目で見るにちがいない。

私たち日本人は2000年以上も、家族を何よりも大切にしてきた。夫婦は家族の一部だった。

だが、日本国憲法では第24条が家族について、次のように規定している。この他に現行憲法に、家族を取りあげている条項はない。

「第24条【家族生活における個人の尊厳と両性の平等】

婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。」

この条項は、「家族生活における個人の尊厳と両性の平等」と、題されている。睦みあう家族のあいだで、「個人の尊厳」が求められるというのは、寒々しい。日本の家族の姿になじまない。

「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」すると定めているが、親や兄弟の意見を求める必要がないと、説いている。「両性の合意のみに基いて」と述べているが、「両性の合意」のあとに「のみ」が入っているのは、祖父母、親兄弟が、孫、子、兄弟姉妹の婚姻について、干渉してはならないとしか読めない。

この条項は、日本古来の伝統となってきた美風である家族制度を、破壊するものである。アメリカは日本兵が南や北の海の孤島において玉砕するまで、勇敢に戦ったのが、愛国心と家族愛から発していたことに震えあがって、日本人を家族から切り離して、個人主義を植えつけようとはかった。

ドナルド・キーン博士は日本文学の優れた研究者、訳者として、文化勲章を受章しているが、日本に帰化した。私はアメリカに留学した時から、親しくさせてもらってきた。

キーン博士は先の大戦中、語学将校として日本兵捕虜の訊問や、戦死者から日記などを回収して、情報蒐集にあたった。

キーン博士は著書で、「ガダルカナルを餓島と呼んだ日本軍の兵士たちの耐えた困苦は、圧倒的な感動を呼び起した。アメリカ軍の兵士の手紙には何の理想もなく、ただ元の生活に戻りたいとだけ書かれていた」

「大義のために滅私奉公する日本人と、帰郷以外のことにはまったく関心を持たない大部分のアメリカ人。日本の兵に対しては賛嘆を禁じえなかった。そして結局、日本人こそ勝利に値するのではないかと信じるようになった」(『日本との出会い』学生社)と、述べている。

では、何とおぞましいことに、「離婚並びに婚姻」といって、離婚が結婚よりも先にでてくる。

こんな憲法は一日も早く捨てよう。

                 (かせひであき氏は外交評論家)

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