花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

健康保険制度及び国民健康保険(国保)料の滞納、差し押さえについて

2011年09月07日 17時49分26秒 | ちょっと気になること

健康保険については、健康なときにはあまり気にかけませんが、病気になり入院でもした

場合に医療費の高額にびっくりし、健康保険のありがたさが身にしみます。私は脳卒中で

脳外科と回復期リハビリ病院に合わせて3か月入院していましたが、健康保険の恩恵を実

感しました。退院後、会社勤務に復帰しました。 入社以来30数年間、脳卒中で倒れる

まで大病することなく、給料から自動的に健康保険料や介護保険料などの社会保険料を引

き去られてきましたので、健保組合の財政には貢献してきたものとの思いはあります。


最近、企業の健康保険組合の解散が時々報じられています。従業員の疾病費用の増加や

“後期高齢者医療制度の支援金負担”などもあり、健康保険組合の財政の悪化が慢性化し

ており、さらに企業の業績悪化もあり、健康保険組合の解散に拍車をかけています。健保

組合解散後は、国民皆保険の建前から、全国健康保険協会の健康保険、いわゆる「協会け

んぽ」に加入することになります。 どの健康保険組合や協会けんぽでも、健保財政改善

のために、従業員の健康管理や疾病予防のための取り組み(法定の定期健康診断に加え

て、人間ドック補助やメタボ健診の実施もその一つ)を積極的に行い、さらに、医療費低

減のためにジェネリック医薬品の使用を勧めています。


日本は世界有数の長寿大国です。どの病院も高齢者で溢れており、病院が養老院になって

いるような錯覚に陥るときがあります。管に繋がれた回復見込みのない高齢の患者が入院

患者の大半を占めている医療機関もあるように聞きます。 医療の現状に疑問を持たざる

を得ません。私と妻はお互いに、単なる延命のための医療措置は希望しないことを語り合

っており、さらに、書面にしておこうと考えています。意識が無くなってからでは意思表

示が出来ないからです。

今後、我が国の医療はどうあるべきか、又、高齢者医療をどうするのかについて、国民的

な新たな合意を得る時期に来ているのですが、政府・政治家は世論の反発を恐れて、抜本

的な施策を議論しようとしません。医療保険制度は現役世代の負担で成り立っているわけ

ですので、医療保険制度の財政を健全化して次世代に引き継ぐのは、今の我々の世代の義

務だと思います。


ところで、自営業者や退職サラリーマンなどが加入する“国民健康保険”で保険料滞納者

が増え、財産の差し押さえが増えていると新聞で報じられていました(8月29日付け朝日

新聞)。景気悪化の影響で、保険料を納められずに滞納を余儀なくされ、市区町村による

財産の差し押さえという最悪のケースになったものと思います。


国民健康保険事務を担当する市区町村では、保険料の減・免助について制度を設けていま

すので、制度自体を知らなかったり、知っていても本人が何らかの事情で相談しなかった

例もあるものと思われます。 減・免制度については、自治体が積極的に広報していない

ように思えますし、最近は、特に個人情報の問題もあり、行政が親身になって住民の相談

に乗ることが難しくなって来ているのも一因なのでしょうか。 いずれにせよ、差し押さ

えが急増している現実を解消するような対策を実施していただきたいと思います。


2008年に児童の健康保険無保険問題がクローズアップされましたが、流石に、この問題に

ついては、与野党が一致して動き、政府も素早い対応をして、親などが国民健康保険の保

険料を滞納して「無保険」状態になっている中学生以下の子どもには「短期保険証(6か

月間有効)」を一律に交付、当時、全国で約3万以上いるとされた中学生以下の子供の無

保険の状態が解消されました。然し、高校生は対象になっておらず、救済されません。 

現状はいったいどうなっているのでしょうか。 現実には、高校は準義務教育であり、高

校生も救済の対象に含めるべきと思います。



厚生労働省の報告(2011年2月4日)では、滞納の世帯数(及び全世帯に占める割合)は、

平成20年:448万世帯(20.6%)、21年:442万世帯(20.6%)、22年:436万世帯

(20.6%)と世帯数ではやや減少気味で、全世帯数に占める割合はこの3年間、横ばいに

なっています。被保険者数は、3,566万人で、31万人減少しています。

平成21年度の国民健康保険料の収納率は、88.01%(前年比▲0.34)で、減少の主因は景

気悪化の影響と指摘しています。



『国民健康保険ガイド』によると、滞納した場合の行政の手順は次(1~5)のようです。

1.国保から督促状が送られてきます。

2.保険証の有効期間が短くなります

 国保の窓口で保険証を返還し、有効期間の短い「短期被保険者証」が交付されます。

 「短期被保険者証」とは、保険料(税)の滞納が1年未満の場合、国保から交付される

 有効期間の短い保険証で、期限切れごとに保険証の交付を国保の窓口で受けることにな

 ります。

< 1年以上滞納すると>

3.医療費の負担がいったん全額自己負担になります。

 窓口で保険証を返還し、「被保険者資格証明書」が交付され、それでお医者さんにかか

 ることになります。保険証が再発行されるのは、滞納保険料(税)を納めた場合か、 
 
 滞納の事情が認められた場合に払い戻しが受けられます。
 
 <1年6ヶ月以上滞納すると>

4.保険給付が一時差し止められます。

 <それ以上滞納すると>

5.差し止められた給付額から滞納分が差し引かれます。



『国保滞納者の差し押さえ急増、4年で5倍』(朝日新聞 2011年8月29日)

「国民健康保険(国保)の保険料を滞納し、財産を差し押さえられる世帯が増えている。朝日新聞社が19の政令指定市と東京23区に聞いたところ、回答があった37市区の差し押さえ件数の合計が、2010年度までの4年間で5倍に増えたことがわかった。差し押さえた財産を換金するケースも急増。雇用悪化を背景に国保料収納率の低下に歯止めがかからず、強制徴収が加速している実態が浮き彫りになった。
 調査は7月、計42市区を対象に06~10年度の差し押さえ状況を聞いた。仙台、京都両市と東京都渋谷区は10年度分について「未集計」「非公表の段階」と回答。大田、板橋両区は「古いデータが残っていない」と答えた。残る37市区の差し押さえ件数は06年度、計3429件だったが、10年度は4.96倍の計1万7020件に増加。特に指定市の伸びが大きく、増加率は6.6倍に上った。
 10年度でみると、指定市では横浜(2913件)、福岡(1745件)、名古屋(1254件)の順に多く、北九州は99件だった。23区は杉並区の943件が最多。差し押さえた財産の内訳は預貯金が50%で最も多く、保険(22%)、不動産(15%)と続いた。36市区が回答を寄せた差し押さえ金額(滞納額)は総額91億3千万円。4年前に比べて4.6倍となった。 」



[平成21年度国民健康保険(市町村)の財政状況等について](厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000011vw8.html



(2011年9月7日 花熟里)


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