花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

「フォレスタ・セレクションコンサート」

2015年02月05日 10時47分52秒 | 趣味(音楽、絵画、等)
2月3日のフォレスタセレクション・コンサート~和魂洋才~に行って来ました。過去にセレクション・コンサートは自宅から近いということもあり2回とも見ており、今回は3回目になります。 第一部は日本の名曲、第二部はオペラ名場面・名曲集ということで、期待していましたが、日本の歌は言うもがな、フォレスタ・オペラも大野隆さんの構成力、演出力が光る期待以上の素晴らしいステージで堪能しました。

プログラムは次の通りです。
第一部 日本心の歌 (ピアノ:8曲すべて山元香那子)
「美しき天然」 (全員合唱)
「山寺の和尚さん」 (全員合唱)
「初恋」 (女声、小笠原優子ソロ)
「さくら貝の歌」 (女声、白石佐和子ソロ)
  <女声が歌いたい曲紹介>
「惜別の歌」 (男声)
  <男声が歌いたい曲紹介>
「荒城の月」 (男声、澤田薫、榛葉樹人、横山ソ慎吾ロ)
  <ピアノチームが演奏前に気をつけていることを紹介>
  <横山慎吾指導で柔軟体操>
「浜辺の歌」 (会場合唱)
「静かな湖畔・輪唱」 (会場輪唱)

第二部 オペラ名曲集  <オペラの解説と見どころ紹介:一条貴之、小笠原優子>
~第一楽章~
P.マスカーニ作曲 オペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』より 間奏曲(P:吉野翠)
1、C.グノー作曲 オペラ『ロメオとジュリエット』より
   ジュリエットのアリア「私は夢に生きたい」 中安千晶 (P:吉野翠)
2、ロメオのアリア「ああ、昇れ太陽よ」横山慎吾 (P:吉野翠)
3、G.プッチーニ作曲 オペラ『ラ・ポエーム』より
  ロドルフォのアリア「冷たき手を」 榛葉樹人 (P:南雲彩)
4、ミミのアリア「私の名はミミ」 白石佐和子 (P:南雲彩)
5、ムザッタのアリア「私が町を歩くとき」 内海万里子 (P:南雲彩)
6、「告別の四重唱」 白石佐和子、榛葉樹人、内海万里子、大野隆 (P:南雲彩)

~第二楽章~
G.ビゼー作曲 オペラ『カルメン』より 前奏曲(P:南雲彩、吉野翠)
7、カルメンのアリア「ハバネラ」 吉田静 (P:南雲彩、吉野翠)
8、ホセ、ミカエラの二重唱「手紙の二重唱」 澤田薫、上沼純子 (P:南雲彩、吉野翠)
9、エスカミーリョのアリア『闘牛士の歌』 塩入功司  (P:南雲彩、吉野翠)
10、G.ヴェルディ作曲 オペラ『ナブッコ』より 
「行け、わが想い金色の翼に乗って」 全員合唱 (P:南雲彩、吉野翠)

~アンコール~
ヘンデル作曲 オラトリオ『メサイア』より
 「ハレルヤコーラス」 全員合唱 (P:南雲彩、吉野翠、山元香那子)


以下、ステージを見ての感想です。
一条さんが挨拶の中で「フォレスタらしさ」を強調されました。即ち、「日本の歌の美しい詩と旋律を守ること」です。この“一条イズム”をメンバーが忠実に実践しているところが、フォレスタが多くの他のコーラスグループと根本的に異なり、ファンに強い印象を与えているのだと思います。第一部の日本心の歌」では、この一条イズムを皆さんが体現して歌い、素晴らしいステージでした。

女声、男声ともに「歌いたい歌」を紹介しました。
一条さんのコメント。女声の紹介の後、「世代の差を感じた方も多かったと思う。自分も知らない歌があった」。男声の紹介の後「フォレスタの歌の領域が広がりそうだ」。
吉田さん:
「飛行機雲」(荒井由美)、大宮で日本フィルとの演奏会のアンコールで歌った曲。
小笠原さん:
「津軽恋歌」(新沼謙治)
中安さん:
「君をのせて」(天空のラピュタのテーマ)、宮崎駿のアニメが大好き。
白石さん:
「糸」(中島みゆき)。昨年からリクエストしているが叶えられていない。
 白石さんは会場に盛んに手を振っていました。サービス精神旺盛ですね。あとに続く上沼さん、内海さんも白石さんに  習って(?)会場に向かって手を振っていました。
上沼さん:
「青春の影」(財津和夫)
内海さん:
「夢見るシャンソン人形」(フランスギャル)、吉田さんからのリクエスト。
 腕組をしながら話していたが、途中で吉田さんに指摘され、笑いながら普通の姿になりました。 第二部のオペラで腕組 みをする場面があったので、内海さんの気持ちは既にオペラの場面に移っていたのではないでしょうか。

大野さん:
「安来節」(出身地島根県の民謡)、「夢芝居」(梅沢冨美夫)。
 一条さん「大野、踊りもするのか」、大野さん「安来節のドジョウ掬い」です。
塩入さん:
 加山雄三の歌。若いとき聞いていたので。ソロで歌わせてもらえそうにないが。
横山さん:
「北酒場」(細川たかし)、いい日旅立ち(山口百恵)。
榛葉さん:
「みずいろの雨」(八神純子)、
「帰ってきたヨッパライ」(親が良く歌っていた歌だが取り上げられそうにもないが)
澤田さん:
「炭鉱節」

ピアノチームの演奏前に気をつけていることの紹介。
南雲さん:
 お腹一杯にならないように。ハングリー精神を保つために、6分~5分にしている。
吉野さん:
 体を冷やさないようにしている。腹、腰、手などカイロで温めている。
山元さん:
 リキマナイようにしている。 気が散らないように、チームでは同じ香水をつけている。

第二部のオペラでは、一条さんと小笠原さんがステージの下に登場、各々をハンフリーボガードとオードリーヘプバーンに擬えて、笑いを誘っていました。一条さんが、「フォレスタメンバーは全員音大卒であるが、オペラなどを専攻した人、歌曲をしっかり学んだ人など様々だ」と発言。言外に小笠原さんが第二部でオペラを歌わないことへの疑問に答えたものと思いました。

小笠原さんが「初恋」で素晴らしいソロを披露しました。「にっぽん心の歌」で小笠原さんの素晴らしい歌唱力を聴いているので、一条さんの説明に納得。

第二部冒頭の、マスカーニのオペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』の間奏曲」について、一条さんが、「間奏曲に歌詞がつけられ、マスカーニのアヴェマリアとして知られている」と紹介。シューベルト、バッハ/グノー、カッチーニのアヴェマリアと共に有名です。

第二部は、一条さんがオペラの概要を解説し、小笠原さんがオペラの詳細解説と見どころを説明しながら進められました。一条さんは、昨年のセレクション・コンサートでも丁寧な解説をされましたので、手慣れたものですが、小笠原さんの、優しい声に加え、ゆっくりとした丁寧な説明は大変良かったです。小笠原さんには、ナレーションの才があるのではないでしょうか。一条さん!! 小笠原さんに毎週月曜日の「こころの歌」のナレーションやフォレスタ・コンサートでの曲紹介なども担当してもらったらどうでしょうか。

第二部での見どころ。
内海さんの声量豊かなハイソプラノの歌声と、おとなしく気配りのイメージのある内海さんが、”高慢ちきで生意気な女 ムゼッタ”を見事に演じていました。予のイメージとの落差の大きさにびっくりするとともに、新しい内海像を見た方が多かったと思います。

榛葉さんは、昨年3月のセレクション・コンサートと同じ「冷たき手」を歌いました。ハイテノールのところも見事に歌いこなしていました。榛葉さんの広い声域に脱帽です。

「私に名はミミ」では、恋人に“私の名前はミミ。でも、本当の名前はルチアというのです”と打明ける、けなげな女性を、白石さんが見事に演じていました。拍手喝采のステージでした。

セレクション初登場の塩入さんが「闘牛士の歌」を歌いましたが、全員で塩入さんを盛り上げるようなステージで、なかなか良かったです。塩入さんは細身で、服も黒で、優しい闘牛士のように思えましたが、今後塩入さんが闘牛士の歌を歌う機会があれば、服装もカラフルなものして、闘志をあらわにした闘牛士も見てみたいと思いました。

吉田さんの「ハバネラ」ははまり役ですね。完全に役になりきって演じていました。

最後の全員合唱の「行け、我が想い金色の翼に乗って」は昨年と同じでした。 第二の国歌としてイタリア人に愛されているこの歌に、大野さんは思い入れが思い入れある曲なのでしょう。
来年のセレクションではどのようなステージを見せてくれるのでしょうか。

(2015年2月5日 花熟里)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする