花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

「ミャンマーの国際社会での活躍を支援しよう」

2013年02月22日 16時54分10秒 | ちょっと気になること
2月上旬に日本経団連の訪問団がミャンマー、カンボジアを歴訪しました。経団連が両国を訪問するのは初めてだそうです。 両国は中国と親密な関係にありますが、ミャンマーは軍政から民政に移管し、従来の中国一辺倒から脱却しつつあります。  また、カンボジアはシアヌーク元国王も病気療養を北京で行うなど、アセアン諸国の中で最も中国寄りで、東南アジア諸国連合(アセアン)の会議でも南シナ海や東シナ海での領有権問題で、中国に不利にならないように動いています。 こうした、親中国の国に日本が経済協力を進めることは、対中国政策からも極めて重要です。訪問団は140人と日本としては異例の大型で、両国に対する日本経済界の期待のほどがうかがえます。

「テイン・セイン大統領は経団連の訪問団に「ミャンマーはインドや中国などの大市場を周囲に抱え、世界で最も投資すべき国だ」とアピールした。ミャンマーには地理的に中印に近いというだけでなく、中東やアフリカ向け輸出基地にもなるという地の利がある。原油や天然ガス、銅などの天然資源が豊富な上、工場を建設した場合にも識字率が約9割と高く、若く安価な労働力が期待できること、さらに親日的で手つかずの約6000万人の市場があることが進出企業にとっての魅力だ。」 (フジサンケイビジネシアイ:2月15)

欧米諸国はテイン・セイン大統領の民主化が不十分として、ミャンマーヘの本格的な支援にはあくまでも慎重な姿勢を見せていますが、他方では、アウンサン・スー・チーさんには親密感を抱いています。 昨年11月にアバマ大統領がミャンマーを訪問した際に、TVや新聞では、オバマ大統領がテイン・セイン大統領との会見前にわざわざスーチーさんを自宅に訪問し、記者会見後に熱いキスをし、しっかりと抱擁している姿が流れました。スーチーさんは国会議員ですが、野党の指導者にすぎません。一国の指導者をないがしろにするにも程があると白けてしまいました。

来る4月に、日本政府の招待でアウンサン・スー・チーさんが来日し、安倍首相や与野党幹部、経済人などとの会談を予定していると報道されています。欧米に対して、日本が民主化を支援していることをアピールする良い機会であるとも報道されていますが、あくまでも野党の指導者であるという原則をはみ出さないようにしてほしいものです。着々と民主化を進めているのは、テイン・セイン大統領なのです。アウンサン・スー・チーさんの政治家としての力量や政治姿勢が未だにはっきりとしていません。少数民族問題にはほとんど関わろうとしていませんし、中でも“存在を否定された民族”として難民化し、周辺民族との紛争に見舞われているロヒンギャ族へはナゼ無関心でいるのでしょうか。そろそろスーチーさんの真の姿を見極めなければなりません。

日本は同じアジア人として、欧米諸国とは一線を画して、テイン・セイン大統領の民主化を積極的に支援していくべきです。テイン・セイン大統領は従来親密であった中国とは距離を置く姿勢を示しています。中国の支援で計画が進められていた「ミッソン・ダム」の工事を中止する方針を打ち出しました。この意義は極めて大きなものがあります。対中国包囲網構築の絶好のチャンスです。 しかし、単に日本企業の進出を前に出してしまうと、過去、東南アジアで「エコノミック アニマル」と批判された教訓を生かせません。 ミャンマーの国造りへの支援という視点で、ミャンマー国民が切実に求めていることを着実に実現するような木目細かい取り組みが求められます。

2月11日〜22日に、米国、タイ、日本、シンガポール、インドネシア、マレーシア、韓国の計7カ国が参加する東南アジア最大級の合同軍事演習「コブラ・ゴールド」が、タイ北部チェンマイなどで実施されています。ミャンマーがオブザーバーとして初参加しました。
コブラゴールドは、1982年から毎年行われ今年で32回目です。今年は7カ国から 1万3千人が参加しました。日本は2005年から参加しており、今年は9回目で、約80人が各国と協力し、海外での大規模災害発生や治安状況が悪化した事態を想定した邦人輸送、医療支援などの訓練を行いました。 ミャンマーがアセアンの一員として、オブザーバーとはいえ、コブラゴールドに参加したことの意義は大きいものがあります。
コブラゴールドは、中国の中華民族膨張主義に危機感をもつ周辺国とともに、強固な包囲網を示す絶好の機会です。 自衛隊も法的な制約のある中で存在感を発揮していただきたいと願っています。


【2013年2月22日  花熟里】
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