花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

「ガレキ処理要請文書は政府による踏み絵ではないのか? 」

2012年03月16日 16時25分46秒 | ちょっと気になること
東日本大震災でのガレキ処理がなかなか進んでいません。 政府は福島県内のガレキは県内で処理するが、他の2県分は広域処理する方針で、被災3県を除く全国の自治体にガレキを受入れるように本日(16日)総理名の文書を送付すると報道されています。

<環境省ホームページ、他から引用>
・岩手県: 476万T(約11年分)、
内、広域処理希望57万T(木材・可燃物が50万T、不燃物7万T)
・宮城県:1,569万T (約19年分)
   小計 2,045万T
(福島県:  208万T)
  合計 2,253万T  内処理・処分済み:150万T(6.7%)
  
災害廃棄物の仮置き場への移動――平成24年3月末まで
災害廃棄物の中間処理・最終処分―平成26年3月末まで 

阪神淡路大震災のガレキ総量は2,000万Tでしたが、都市部でしかも、被災地が比較的狭かった事もあり、ガレキの処理も、神戸沖への埋め立てなどで8年間で終了しました。東日本大震災の場合は、被災地が広範囲であり、しかも木造家屋が主体であることから、ガレキ総量2200万Tの内、大半は木片などの可燃性のものとみられています。

岩手県では11年分、宮城県は19年分のガレキがあります。放射線測定結果では健康には全く影響が無いことが明白であり、各地自治体が処理のために受け入れても何ら心配することはありませんが、ガレキを受け入れているのは東京都や秋田県など数か所に過ぎません。政府が震災発生時から放射性物質の拡散や被曝影響などについて、国民に正直に説明してこなかったツケが回ってきたのです。

昨年大震災発生後速やかに、政府がガレキの分別作業(可燃物や金属・電機製品、コンクリートなど)、地元での焼却場の建設、ガレキの処理(埋設など)を国家事業として行うことをはっきりと表明したことがあったでしょうか。 国家事業でガレキ処理を長期(例えば10年間)にわたって行うこと、即ち、ガレキを分別し、地元に焼却場を建設し、その運営を民間に委託することなどです。 

政府がこの1年間、ガレキ処理に手をこまねいている結果、今頃になって急に全国の自治体に文書でガレキ受け入れを要請するのは、被災地への支援を盾にとって、自治体に踏み絵を踏ませるような形になっており残念です。
細野大臣が「仮の焼却場を作っても処理しきれず、可燃物の内400万Tは広域処理によらざるを得ない」と発言していますが、2014年(平成26年)3月末という政府のスケジュールに合わせるとそうなるのであって、もっと長期、例えば10年間で処理すればよいのではないかと思います。

10年という期間に沿って、自治体は長期的な復興計画を策定できますし、住民も故郷に帰る時期を選択できます。 さらに、地元に徐々に雇用が生まれ、経済的にも活性化していきます。 焼却灰やコンクリートなどの不燃物は地盤沈下した場所の埋め立てに使えます。 わざわざ遠方まで持っていく必要はありません。日本のどこの埋立地に余裕があるのでしょうか。東京都がガレキを受け入れて焼却していますが、東京湾の埋め立て地が満杯になるのを早めるだけです。また、金属類がしっかりと分別されておれば、リサイクル業者も利用しやすくなります。

今からでも遅くないので、被災地に多くの焼却場を建設することを急ぐべきです。


(2012年3月16日  花熟里)

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