花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

『 武士は身の程を知るが第一なり(徳川家康) 』

2011年04月28日 18時14分31秒 | ちょっと気になること

福島原発事故で東京電力へのすさまじいバッシングが行われています。 大変な事故をお

こした当事者ですので致し方がありません。放射能汚染で強制的に避難させられて方々か

ら見ると、生活のすべてを壊してしまった東京電力へは怒り心頭でという状況でしょう。

 また、東京電力管内は計画停電で大変な不自由と交通の大混乱を引き起こしました。今

年の夏にもさらに計画停電が実施されますので、家庭、企業でも必死に節電対策に取り組

んでいます。


こうした中、東京電力の清水社長が6月の株主総会後に責任をとって辞任、猪俣会長はタ

イミングを見て責任をとるという報道がなされています。これだけ社会問題化した事故を

起こしたのですから、当事者のトップの引責辞任は当たり前です。しかし、原発事故に対

する政府の責任については、総理の会見などで口頭では政府も責任があると言っています

が、具体的な動きが全くありません。 原発事故の責任を東京電力に押し付けようとして

います。



原子力政策は国策として官民で進められて来ました。 原子力事業の方針決定は政府が行

い、事業者はこの方針に沿って忠実に原子力発電所を建設し運転してきました。 即ち、

政府は、原子力発電所の立地選定、設計内容、建設工事の詳細について電力会社の申請を

承認し、さらに、運転中の安全管理についても微に入り細に入り指導してきました。 原

子力発電所に原子力安全・保安院の職員が駐在しているのはその表れです。

たとえて言うなれば、原子力事業においては、政府のトップである総理大臣が CEO

(最高経営責任者)であり、事業者のトップである社長は COO(最高業務執行責任

者)のような立場にあると言えます。 細野総理補佐官が「東京電力という会社は、決ま

ったことを実行することに慣れているので、大きな決断の出来ない会社だ」という趣旨の

発言をしましたが、電力会社の体質をよく言い当てていると思います。 原子力事業の最

終承認者は政府(総理大臣)であり、この枠内で東京電力は事業を実施してきたのですか

ら。


事故が発生した場合に、直接の事業遂行責任者である東京電力の社長に責任が及ぶのは

当然ですが、COO(東京電力の社長)を指導したCEOたる総理大臣の責任もまぬかれ

ません。 とりわけ、今回の福島原発のような大惨事の場合にはCOOだけが辞めるので

はなく、CEO、即ち、総理大臣も福島原発の事故発生の責任により辞任すべきと思いま

す。

また、菅総理は、「震災と原発事故発生に合わせて総理の立場にいることは運命と考えて

職を全うする」と語っていますが、謙虚に「身の程を知る」ならば、この大震災と原発事

故の対応については、「不徳・非才の自分は身を引き、他の人に委ねたい」と発言すべき

なのです。 このままでは、日本の混迷が続き、日本国民が不幸になるばかりです。



(2011年4月28日  ☆きらきら星☆)



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