Kinugasa の日々放談(時事・生活)

政治、社会、時事、日常雑記について放談

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

孫がみた熱海海岸

2019-04-14 22:16:56 | 時事、身辺雑記
桜の時期を狙いすませて孫たちが来日した。花は吉野。


ベルギーでピアノ教師をしている娘が久しぶりに来日。
孫娘とそのパートナー、孫息子を連れての四人組だ。

桜のころに帰るのは殆ど初めてだ。4月は学年末を控えているので教職にあるものは海外旅行などの時間が取れない。普通は6月に卒業生、進級生を送りだして、休みはどうしても7月の夏休み(学年休み)に入ってからになる。

だから孫たちは大喜びだ。一定期間乗り放題になるJRパスを買い込み、インターネットで桜の名所を調べつくして京都、奈良、大阪から広島、東京と過密スケジュールを組んできた。仏教の伝来に深い興味をもつ孫娘の彼氏などはみんなとスケジュールが合わないからと一人で神戸から大阪の環状線乗り換えで高野山まで登った。若いというのは恐ろしいものだ。

東京から神戸に来る途中、熱海まで出向いた私の妻と落ちあい、妻の甥がおぜん立てをしてくれて、その甥夫妻が保養地にしているところに泊めてもらい宴会三昧で熱海を味わったそうだ、

私自身は熱海には行ったことがない。楽しかった二日間の熱海の話を聞いているうちに、全員が急に口数が少なくなった瞬間があった。

妻はその時のことを思い出して、私に話してくれた、

それは日本人なら誰でも知っている、しかしインターネットには出ていない、尾崎紅葉の『金色夜叉』にまつわる話だった。

熱海の海岸散歩する、寛一、お宮の二人ずれ、など流行歌の歌詞を覚えている人も多い。その二人の恋人同士の銅像があるのだそうだ。

それは、婚約を裏切って金持ちと結婚するお宮を、下駄をはいた寛一が怒りに任せて足蹴にする場面で、当時流行した大衆演劇の名場面とされている。

尾崎紅葉は慶応3年生まれ、読売新聞に入って金色夜叉を連載(1897-明治30~1902-明治35)大好評を博し、『来年の今月今夜、再来年の今月今夜、僕の涙できっと月を曇らせて見せる』といったセリフは今も年配の日本人は知っていると思う。、

だがベルギーからやってきた子供たちには、男性が女性を足でけっているところを銅像にして観光名所に堂々と飾ってあるのに、猛烈な不快感に襲われたそうだ。

とりわけ人権や環境、性や人種での差別に厳しい意見を持つ孫娘は食事が喉を通らないとまで言って憤慨していたそうだ。日本大好き青年であるパートナーの青年も日本好きの気持ちに水をかけられたそうだ。

観光案内をしてくれた甥はフランス語は達者なのだけど、銅像をどう説明してよいか困ってしまったようだ。銅像にしてあるからには、日本が誇る伝統習俗を背景にしていると言えなければならないはずだと思っていたに違いない。

世話になった甥夫妻と別れ、神戸に帰ってきて、神戸牛を堪能したり、温泉につかったり大阪の繁華街を歩いたりして今は機嫌が直ったように思うが、これは熱海市の観光担当部門からどういう説明をしているのか、今後どうするのか説明を欲しいと思う。

嫉妬に狂って女性を殺害するなどの事件はある。最愛の妻デスデモーナを殺害したオテロの悲劇は悲しいが、女性を足蹴にする野蛮さからは遠い。

尾崎紅葉は慶応生まれで明治中期まで存命だったが、婚姻は両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦は同等の権利をもつことを基本とするとした現行憲法24条や幸福追求権(13条)などが普通になった現在から116年前に亡くなった作家だ。(金色夜叉は遺作。続編が予定されていた)

封建的家父長制のもと、女は夫にではなく家に付属する(嫁という文字の通り)時代の掟に反して自由恋愛にあこがれた時代にはヒットした作品かもしれないが、それでも女性に暴力をふるうさまを銅像にするとはどういうことだろう。

この百年間の日本の歴史をよく知らない孫たち、その友人、あるいはひょっとして幼くして外国に移住した私の娘自身、銅像の意味を理解するのは困難かもしれない。

熱海の海岸では、実は何事も起こってはいないのかもしれない。とすれば女性を足蹴にすることなど『何でもない』のが古今を問わず日本の常識とでもいうのだろうか。

コメント (2)   この記事についてブログを書く
« 二年前の野党 | トップ |   
最近の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遅いコメントです (すみとも)
2019-04-23 18:53:38
お嬢様ご家族 桜に合わせてのご帰郷でいたっしゃいましたか^^
吉野の桜見事ですね!! 
色んな桜を堪能なさいましたでしょうね^^
熱海の海岸散歩して・・・の あの銅像 お孫さん達にはショックだったのでしょうね!
そんな目で 見る人々もいるなんて 想像もせずに 見ておりました私
さもありなんと・・・感心していますww
間も無く 改元ですね。。 これは他からは如何みられているのでしょうね。  令和の英訳には驚きましたww
女性を蹴る (kinugasa01)
2019-04-25 17:24:20
★ すみともさん

こどもたちがかえってから、一週間というものは二人とも体調を崩してしまいました。前回はおばあちゃんの運転に頼りすぎたから今度はタクシー代を随分予算に組み込んできたのですかそれでも妻も84才、昔ほどには働けません。

熱海の海岸は、日本人だけの問題でよろしいのでしょうかね。

令和の英訳?知りませんでした。英訳しても全く意味がないのに。

新元号になってもよろしくお願い致します。

  inugasa01

コメントを投稿

時事、身辺雑記」カテゴリの最新記事