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映画『フルートベール駅で』を観て

2014-04-12 22:16:12 | 映画・ドラマ、アクション

14-34.フルートベール駅で
■Fruitvale Station
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:85分
■料金:1,800円
■観賞日:4月12日、新宿武蔵野館(新宿)

□監督・脚本:ライアン・クーグラー
◆マイケル・B・ジョーダン
◆オクタヴィア・スペンサー
◆メロニー・ディアス
◆ケヴィン・デュランド
◆チャド・マイケル・マーレー
◆アナ・オライリー
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
2009年1月1日、22歳の黒人青年が警察官に銃で撃たれて死亡した事件を基に映画化し、映画祭や賞レースを席巻したドラマ。新年を迎えようという12月31日、家族や友人といつもの日常を過ごす青年の姿を描き、突然この世から去った彼の運命の残酷さやはかなさを浮き上がらせる。
サンフランシスコのベイエリアに住む22歳のオスカー・グラントは、前科はあるものの、心優しい青年だった。2008年12月31日。彼は恋人のソフィーナと、2人の間に生まれた愛娘タチアナと共に目覚める。いつもと同じようにタチアナを保育園へ連れて行き、ソフィーナを仕事場へ送り届ける。
車での帰り道、今日が誕生日の母親ワンダに電話をかけて“おめでとう”と伝える。母と会話をしながら、新年を迎えるに当たって彼は、良い息子、良い夫、良い父親として、前向きに人生をやり直そうと考えていた。その夜。家族や親戚一同が揃って母の誕生日を祝うと、サンフランシスコへ新年の花火を見に行くことにしたオスカーとソフィーナは、タチアナをソフィーナの姉に預けに行く。オスカーとの別れ際、タチアナは不安を口にする。“恐いの。鉄砲の音がする。”仲間とカウントダウンを祝って花火を見た帰り道、電車内でケンカを売られる。仲間を巻き込んで乱闘になったところへ鉄道警察が出動。オスカーたちは、フルートベール駅のホームに引きずり出されてしまう。何もしていないと必死に弁明するオスカーだったが、警官たちは聞く耳を持たず、ついに事件が起きる……。

これは実際に起こった事件を元にドキュメンタリー・タッチで描いている。フルートベール駅、はサンフランシスコ湾の対岸オークランドへの鉄道(Bay Area Rapid Transit,通称BART)の駅だ。実は、私はMLB観戦旅行に出かけた際に、シスコからこの電車を乗ってフルートベール駅の一つ先の駅で下車して徒歩で球場へと向かっているのだが、目的が野球観戦なので途中下車はしていない。それに、オークランド近辺は危険な場所だと知っていたので余計な行動は捕らなかった次第である。閑話休題。
22歳の青年が列車内で発生した喧嘩に巻き込まれて(本人と全く無関係だった訳ではないが)、乗車してきた警察官と運悪く眼が合ってしまい、しかも、アフリカ系の容姿だったことからホームに連れ出された。妻も同行していたのだが、妻の心配をよそに駅でうつ伏せにされた状態で、興奮状態の警察官に無抵抗なのに発砲されてしまう。オスカーはしきりに無実を訴えるが、その声に過剰に反応した白人警官は黙らせる目的でテーザー銃を使用した積りが実弾を誤って発射してしまう。この様子は停車中の車内から携帯カメラで撮影されていた。オスカーは直ちに救急搬送されたが、妻の叫びに反応することなく22歳でこの世を不本意な形で去ることに。盛んに俺には4歳の娘がいると訴えていた彼、きっとあの世から妻子の幸せを願っているのだろうな~。

その最後の一日を追ったのが本作で、未入籍の妻との間に愛娘タチアナが出来て、最後は実際の映像で妻と愛娘の姿が映されていた。最初(銃撃されたシーン)と最後に実際の映像を挟み、その間を追うことでドキュメンタリー・タッチに仕上げた。ただ、最後の日を追ったことで事件を人種差別問題に特定せず、家族の悲劇の要素を加えたことでアフリカ系以外の人たちの関心も引き付けた構成にしたのだと思う。人種問題を過剰に描くと資金集めに苦労するのは眼に見えているからだと思う。
オスカーを撃った警官は、間違えて撃ってしまったと供述し、科せられた刑期はわずか2年。保護観察処分のもと、結局は11ヶ月で釈放された。これがアメリカの現実だ。

俳優陣は母役のアカデミー賞受賞女優のオクタヴィア・スペンサー以外は知名度の低い俳優で固めているが、こちらもアカデミー賞受賞者であるフォレスト・ウィテカーが共感し製作者として名を連ねている。


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