14-50.ポンペイ
■原題:Pompeii
■製作年、国:2014年、カナダ・ドイツ・アメリカ
■上映時間:105分
■料金:1,800円
■鑑賞日:6月15日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)
□監督・製作:ポール・W・S・アンダーソン
◆キット・ハリントン
◆エミリー・ブラウニング
◆キーファー・サザーランド
◆キャリー=アン・モス
◆アドウェール・アキノエ=アグバエ
◆ジェシカ・ルーカス
◆ジャレッド・ハリス
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
『バイオハザード』シリーズなどのヒットメーカー、ポール・W・S・アンダーソン監督がメガホンを取って放つ歴史アクション大作。『サイレントヒル:リベレーション3D』などのキット・ハリントンを主演に迎え、火山の噴火で埋没した街ポンペイを舞台に、愛する人に全てをささげる主人公の奮闘を描く。
奴隷戦士ミロは裕福な商人の娘カッシアと恋に落ちたものの、カッシアには上院議員である婚約者がいた。身分の違いをつきつけられたミロは自由の身となり街を出ようとするが、そのとき、ヴェスヴィオ山が火を噴こうとしていることに気付く。再び捕われの身となりかねないものの、ミロはカッシアを救うために溶岩が襲おうとしている街へ戻っていく……。
冒頭でミロの立場が描かれる。それは古代ローマ時代に被征服民族出身のマイロは幼少時代の西暦62年(キリスト没後34年後)にローマ兵に村を急襲され、残酷にも両親は彼の眼の前で殺害されてしまう。母はローマ兵のコルブスによって彼が見ている前で首をはねられてしまう。その後、奴隷商人によって現在のロンドンで剣闘士として腕を磨き、ポンペイへと連れてこられることに。その道中でポンペイ市長の娘カッシアの馬車の護衛の一人として道中を共にした際に彼が機転を利かせた行為をみて惹かれる。このカッシアに横恋慕しているのがローマ元老院議員コルブスという設定、ミロはこのコルブスが母の仇であることに気がつくシーンがあるが、当然のことながら彼は知らない。
これがストーリーの核で、そこに火山の爆発がおこってポンペイは一夜にして火砕流、津波、火山弾の餌食となりヴェスヴィオ火山の山体崩壊で逃げ場を失う。その過程でマイロは母の仇をとり、恋仲となったカッシアを救うべく屋敷に向かう。この辺は恋人を必死に救い、何とか逃げ切って幸せな家庭を築くのかなと思っていたら、最後は、馬に跨って必死になって逃げる二人だったが、火山爆発規模は想像以上でついに二人とも逃げきれないことを悟り、最後は抱き合っているうちに炎に呑みこまれてしまった。
地球でこれだけの規模の火山爆発はヴェスヴィオ火山の爆発が最大規模とも言われている。その描写はCGで見事に再現されているが、火山弾が町中に降り注いだり、湾からの津波が押し寄せたり、火砕流で焼き尽くされたりとあまりにもリアルになり過ぎて、火山と密接な関係にある日本人には「やり過ぎ」とも思えますが、そこは映画と割り切って観ましょう。
俳優陣はキーファー・サザーランドの悪役ぶりは権力をタテに迫る様子が良かった、主役のキット・ハリントンの剣捌きは見事、エミリー・ブラウニングは可愛かった、アドウェール・アキノエ=アグバエが剣闘士として戦って最後は自由人として炎に呑みこまれるストーリーも良かった。
全体としては火山爆発が主役なのですが、そこにストーリーとして冒頭からラストまで一貫していたのが見事に絡んでいたので単なる歴史パニック映画に終わらなかったのはアンダーソン監督の手腕として評価したい。
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