11-40.アウェイク
■原題:Awake
■製作年・国:2007年、アメリカ
■上映時間:85分
■鑑賞日:6月4日、武蔵野館(新宿)
■料金:1,800円
□監督・脚本:ジョビー・ハロルド
□美術:ディナ・ゴールドマン
□撮影監督:ラッセル・カーペンター
□編集:クレイグ・マッケイ
□音楽:グレーム・レヴェル
◆ヘイデン・クリステンセン(クレイトン・ベレスフォードJR.)
◆ジェシカ・アルバ(サマンサ・ロックウッド)
◆レナ・オリン(リリス・ベレスフォード)
◆テレンス・ハワード(ジャック・ハーパー)
◆クリストファー・マクドナルド(ラリー・ルーピン)
◆フィッシャー・スティーヴンス(パットナム)
◆ジョージナ・チャップマン(ペニー・カーヴァー)
【この映画について】
実際の医療現場でも起きることのあるアネセシア・アウェアネス(術中覚醒)をモチーフに、全身麻酔の手術中に意識を取り戻してしまった青年の恐怖を描くサスペンス・スリラー。意識はあるが麻酔で体の自由が利かず、激痛の中で衝撃の事実を知る主人公を、『スター・ウォーズ』シリーズのヘイデン・クリステンセンが熱演。彼の恋人に『アイズ』のジェシカ・アルバがふんするほか、『アイアンマン』のテレンス・ハワード、『愛を読むひと』のレナ・オリンら実力派が共演する。
(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
亡き父から大会社を継いだクレイトンは、ウォール街の新たなやり手と噂される程の実力者。しかし、今彼は人生の大きな岐路に立たされていた。秘書サムとの身分違いの恋をマザコンのクレイトンは母リリスに打ち明ける勇気が無く、、サムからは結婚を懇願されるという板挟みの状態だった。その上、すぐにも移植手術が必要な心臓疾患を抱えていた。
友人の心臓専門医ジャックは、クレイトンの珍しい血液型に適合するドナーを探すために奔走している。ジャックを信頼しているクレイトンは、恋の悩みも打ち明けていた。クレイトンはジャックに背中を押され、母の反対を押し切り、サムと二人だけで結婚式を挙げる。奇しくもその夜、ドナーが見つかったとジャックから連絡が入る。
クレイトンがサムに付き添われ病院へ行くと、リリスが心臓医療の権威ナイヤー医師を連れていた。医療ミス疑惑でいくつかの訴訟を抱えているジャックに、一人息子の手術を任せられないとリリスは訴えるが、クレイトンはジャックの腕に委ね、手術室へ運ばれていく。全身麻酔が施され、クレイトンの感覚は鈍っていくが、なぜか意識だけは目覚めた「術中覚醒」のままだった。全身に電流のように激痛が走る。さらにクレイトンは、心もズタズタにされる衝撃の事実を知らされる。
前半はウォール街のやり手と目されているクレイトンとサムのロマンス話が中心なのだが、後々考えるとこの前半部分の一部にサムの本当の狙いと正体が映像でチラリと映るのだが、ロマンス話に気を取られていると見逃してしまいそうだったがやはり布石が打たれていた。
そのサムが秘書として採用される前の人間関係と、医師ジャックとの関係が徐々に表面化すると同時に、何故サムがクレイトンに接近したのかが分かるようになる設定。リリスは医療過誤で複数の訴訟を抱えているジャックを信頼しておらず、嫁のサムに対しても「女の勘」で胡散臭さを嗅ぎ取っていた。そのサムの本性があらわになるシーンが、クレイトンが手術室へと消えた後にロビーで待っている時のこと。予定されていた医師チームの中の一人が急遽交代したのだが、サムはそれを不審に思い「あなたここの医師ではないでしょう?」みたいに問い詰める。まだ、この時点ではサムが怪しいとは100%感じていなかったので、サムは何でそんな事を言い放ったのか不思議だったが、直ぐにその謎が解けた。
サムはジャックと共謀してジャックの訴訟費用を工面する為に、大金を相続したクレイトンの資産に目を付けたのだった。サムとジャックは以前同じ病院に勤務していた関係で、今回の手術チームも全てこの線で仕組まれたものだった。計画通りクレイトンは「死」んだ筈だったが...ここで母親リリスが機転を利かせる。
サムを怪しんでいたリリスは自分の命を投げ打ち、更に、悪事を見破ったナイヤー医師がジャックらを追い払い、自らが執刀してリリスの心臓をクレイトンに移植する手術を担当した。クレイトンはナイヤー医師の見事な腕前で息を吹き返し、ジャックやサムらのチームは呆気なく警察に御用となった。
この映画、「術中覚醒」というのがテーマなのだが結局は金に目がくらみ悪事を働いたグループの話でもあり、麻酔中にクレイトンが医師の会話から自分が死んでしまうと分かりながらも何も出来ないという下りは、クレイトンが涙を流しながらも無視されたりして映像的にもインパクトがイマイチ。
美男子ヘイデン・クリステンセンのマザコン男っぷりも、彼の個性と言えばそれまでだが、母リリスの自分の心臓を自ら提供することで息子を救うという女の意志の強さが最後に印象に残り、サムには女の怖さと色仕掛けで男をモノにする意志の強さが前面に出て、結局、ヘイデン・クリステンセンのひ弱な(役の上での話ですが)イメージがここでも覆されずに終わった感じ。
ヘイデン・クリステンセンはどうも出演作に恵まれていないのか、それとも敢えてアナキンのイメージを払しょくするためにマイナーな作品を選んでいるのか知らないが、どの作品も中途半端な役所ばかり。折角の美男子ぶりを活かす作品だったり、逆にコミカルな作品に出るとか、演技の幅を広げると同時にメジャーな作品への出演も考えないと、ハリウッド映画界で埋没しそうな気も。
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全身麻酔で"術中覚醒"(アウェイク)・・・・意識はあって 体は動かない・・・ そんな中 衝撃的な内容を聞くことに
厳しいコメントします クレイトン・・・父親の死で 事業を告ぐプレッシャーは 大変なのは わかるが 結局は サムの黒いたくらみを見抜けず まだまだ世間知らずな ボンボンお坊ちゃんな "甘さ"がでていたのは否めません。お母さんは 厳しかったが それは わが子を思ってこそ。
でも 最後は 息子のクレイトンをを救うために 衝撃的な行動に・・・
ホントに力強い愛情に思えます
最後見終わって クレイトンには 会社と自分自身しかないと思いながら生きていってほしいです。 ”脇見”してると 今度こそ自分自身も失うぞと。
返事が遅くなり申し訳ありません。
「術中覚醒」、そういう言葉があるとは実はこの映画で知りました。怖いですね、意識はあるのに麻酔で体が動かないとはね。
それにしても女は怖いのと同時に「勘が鋭い」ですね、男にはこういうセンスは持ち合わせていませんね。母からすればクレイトンはまだまだ心配の種そのものですね。
ストーリーとしてはもう少し捻りがあれば良かったと思うのと同時に、出演陣の個性が発揮されていたとは言い難かった点が残念でした。