kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

映画『ツーリスト』を観て

2011-03-20 10:12:22 | アメリカ映画 2011

11-22.ツーリスト
■原題:The Tourist
■製作年・国:2010年、アメリカ
■上映時間:103分
■字幕:戸田奈津子
■鑑賞日:3月14日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(六本木)
■料金:1,000円
 

 スタッフ・キャスト(役名)
□監督・脚色:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
□脚色:クリストファー・マッカリー、ジュリアン・フェロウズ
□音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
◆アンジェリーナ・ジョリー(エリーズ・クリフトン・ワード)
◆ジョニー・デップ(フランク・トゥーペロ)
◆ポール・ベタニー(ジョン・アチソン警部)
◆ティモシー・ダルトン(ジョーンズ主任警部)
◆スティーヴン・バーコフ(レジナルド・ショー)
◆ルーファス・シーウェル(英国人男性)

【この映画について】
ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーという二大スターの共演で話題の本作は、水の都・ヴェネチアを舞台にした大人の犯罪劇。
『善き人のためのソナタ』で2006年度のアカデミーで外国語作品賞を受賞したドイツ人監督、フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクが手掛けただけあって、ヨーロッパの優美さが際立つ作品となっている。ヴェネチアのシーンは全面ロケにて撮影されているそうで、建築物、運河、ゴンドラなどが独特の雰囲気を醸し出している。このヨーロッパの優美な雰囲気の中で、ごくごく普通のアメリカ人旅行者という設定のジョニー・デップだけが、違和感を感じさせる。しかし、その違和感こそが監督の狙いと言えるかも…。
(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
傷心を癒すためイタリアを訪れたアメリカ人旅行者フランクは、ベネチアに向かう車中で見知らぬ上流階級の美女エリーズに声をかけられる。
イギリス人女性エリーズは、パリのカフェで朝食を取るためにアパートメントを出て食事をしていたが、彼女に対してはパリ警察が見張りを立て、一方ではロンドン警視庁(スコットランドヤード)が追う国際指名手配の金融犯罪者アレクサンダー・ピアースの恋人でもある。そんな背景もあってロンドン警視庁からパリ警察に対して見張りの要請が来ていた。
ところが、肝心のロンドン警視庁も忽然と消えたピアースの最近の顔は分からず、エリーズを見張ることでピアースは必ず現れると踏んでいた。
朝食中のエリーズに、一台のバイクが近付き何かを渡し、それを読んだエリーズは手紙を燃やし立ち去る。見張り中の警官たちは燃えた手紙を回収し、直ちに文面を再生し行き先を突き止め、パリの「リヨン駅」から乗車することを確認し、ロンドン警視庁のアチソン警部は、上司のジョーンズの捜査打ち切り通告を無視して追跡を開始する。
 
その列車車内で、手紙に書かれていたピアースからの内容通り、エリーズは一人の男性の隣に座り、それが旅行中のアメリカ人数学教師フランクだった。
二人はそのままヴェニスへと到着し、豪華ホテルに「夫婦」として投宿するが、フランクはソファで寝る羽目になる。が、何時の間にか隣室で寝ている筈のエリーズは目覚めると不在、そしてエリーズが頼んだ朝食が運ばれるのだが、ここで彼をピアースだと思って来襲した追手に追われる。
ここから先は、フランクと再び現れたエリーズの二人での逃避行?が始まり、フランクは何度も危ない目にあい一度は地元警察に身柄を拘束され、買収されていた警察官によって情報機関へ引き渡されそうになり、ここでも間一髪隙を付いて逃れる。こうなるとフランクは数学教師?ながらスパイのような身のこなしで追跡を交わし、何と、エリーズを舞踏会に訪ねダンスに興じる。エリーズはフランクを帰国させる為に一度は空港へと送り届けていただけに再会に驚く。
フランクはエリーズの身分を知らないが、途中で彼女は英国警視庁の潜入捜査官であることが分かる。エリーズはピアースを追跡していたが、何時の間にか男女の関係になっていたのだった。そのエリーズのもとにピアースは現れる筈だと言う根拠で、ヴェニスにまで来ていた。
結局、2年間行方不明だったピアースは、脱税とマフィア組織の会計担当者だった時に資金横領で追われていたのだが、フランクこそが整形手術を施していたピアースそのものであり、彼だけが知る金庫の暗証番号を見事に開けて見せたことで証明された。
エリーズは、ジョーンズによって潜入捜査の任を解かれ、同時に(希望通り)解雇され退職し、ピアースと共に去って行った。

最初から、フランクがピアースだろうと言うのは配役を見ただけで分かってしまうので、監督の意図としては、観客に対してそう思わせながらも実は違うんだ、というオチに持っていきたかったのだろうが、ラストシーンでは「やはりフランクはピアースと同一人物でした」となる。
ロードムーヴィー風な作りで、パリのカフェからヴェニスへと舞台が移り、ヴェニスではゴンドラや華やかな舞踏会の演出もあり、ヨーロッパを舞台とした追跡劇は007シリーズを思わせるが、ヴェニスでの追跡劇は流石に007シリーズ(ジョーンズ役のティモシー・ダルトンは元ジェームズ・ボンドですが)の様な派手なアクションは控え目。ゴンドラやボートでの追跡は予想通り彼女に傷を与えないし、ジョニー・デップが追われる役に終始し、アンジェリーナ・ジョリーはひたすら大物女優面をした演技というか役所で、監督もエージェントに対して気を遣ったでしょうね。
この作品は、やはり2大スターの共演が売り物であり、決して練られたストーリーとは言えませんが、ヨーロッパ風な画像作りは監督の好みでしょうが、アンジェリーナ・ジョリーを英国人女性として強調しているのですが、風貌から観ても無理がありますが、まあこれは愛嬌?という事でね。
そのストーリーでは、ピアースの謎の部分と彼が組織を裏切った経緯などをもう少し踏み込めばよかったと思いました。
 


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