戻り梅雨のような天気の中、新馬戦もたけなわですが(しかし、3戦連続着外かよ!)、ここで新企画です!先日のドラフト会議後の“山下馬主、2年連続優勝おめでとう!会”で、今年初めてクラシックを制した山岡馬主から「今までのキンタポ会の歴史を知りたいですねぇ!」と云われたこともあって、今年で15回目を迎えたキンタポレースの歴史を振り返ってみようかなぁ・・・と、題して『キンタポ君は14歳!』。というワケで、キンタポレース第1回は、今時の言葉で言うところの“ビギニング”という形でした。名称も“キンタポ”ではなく“TAPAVAN POG”でした。
TAPAVAN POG 1996
95年8月5日~96年7月7日 参加10馬主(10頭持ち/牡牝各5頭)
キンタポ発足のキッカケは1993年4月11日の桜花賞の日まで遡ります。日曜日だというのに高石氏と中門氏は目黒近郊で一緒に仕事をしていました。二人は桜花賞の時間が迫るにつれてソワソワし、発走直前にはふらふらとTVのある場所に二人して仲良く座っていたのです。そこで二人は武豊の鮮やかな手綱さばきによりベガが桜の女王に導かれるのを目撃しました。忘れもしない2着は岩手のユキノビジン。思わず抱き合って喜びを表現していた二人はどちらからともなく「競馬好きなんですねぇ・・・・」とひと時の競馬談義に花を咲かせたのでした。それから2年の月日が経ち巷ではビワハヤヒデ、ナリタブライアンの兄弟、トウカイテイオーの復活、女傑ヒシアマゾン等の活躍により競馬が再び盛り上がろうとしていました。またトニービン産駒・ベガの桜花賞制覇から始まった新種牡馬のクラシック制覇はブライアンズタイム、サンデーサイレンスと続き、競馬ゲーム「ダービースタリオン」の影響もあり多くの競馬ファンが血統というモノに興味を持ち始めていました。そんな世相の中で高石氏は社会人になった頃にちょっとだけ経験のあるペーパー・オーナー・ゲーム(POG)を久々に思い出し、「またやりたいなぁ・・・・・でも競馬好きな人って近くにいたかなぁ・・・・競馬の為なら仕事を放ったらかすような人!・・・・・あ!中門さん!」忘れもしない2年前の桜花賞目撃事件。で、早速、中門さんに
高石:あのぉ・・・POGをやりたいんですけど、中門さんの他に競馬に興味ある人って居ますか?
中門:面白そうですね!じゃ、ちょっと声を掛けてみます!
高石:こちらで3人はいるので、そちらから3人くらい集まれば形にはなると思うんですけど・・・
中門:了解でーす!
3分後、ものの3分後ですよ!中門さんから折り返し電話が「5人集まったよ!」「えー!マジで!」。こうして集まった高石、中門、山下、菊地、大友、加藤、三田、新海、権姉、権弟の総勢10名が記念すべき第1回キンタポレース(当時は『TAPAVAN』と呼ばれていました。TAP+CARAVANの略)に参加することになったのです。
初めてのドラフト会議は1995年の7月19日(水)18時より開かれました。牡牝5頭ずつ合計10頭。全馬記名式で指名が重なった場合は抽選、期間は8月第1週から翌年の宝塚記念まで。一番多くの指名が重なったのはプライムステージの全妹・ランニングヒロイン(SS×ダイナアクトレス)。そのランニングヒロイン(加藤)は活躍出来ませんでしたが、第1回キンタポレースは素晴らしい結果を生むことになりました。
ビワハイジ(権姉)が7月30日の『札幌3歳S』を勝ち上がった翌週からスタートしたキンタポレース。最初の新馬勝ちは8月5日!中門馬主のセンターライジングでした。初のオープン勝ちは『フェニックス賞』のマヤノカプリース(加藤)。初の重賞勝ちはエイシンイットオー(三田)の『小倉3歳S』。他にもニホンピロブレイズ(山下)が『函館3歳S』を2着。初めてのPOGにもかかわらずキンタポレースは好スタートを切ったのでした!それから2ヶ月。先頭は中門馬主、以下は順に三田、山下、加藤、菊池、権姉、高石、権弟。大友馬主と新海馬主の2馬主は未だ1頭も出走しておらず先行きが心配されました。しかし!そんな心配をあざ笑うかのように大友馬主のロイヤルタッチとダンスインザダークは12月の阪神で共にデビュー戦を圧勝!同じ日に行なわれた3歳馬初のG1レース『阪神3歳牝馬S』はビワハイジ(権姉)とエアグルーヴ(中門)の1、2フィニッシュ。エイシンビーナス(権姉)も掲示板GETの4着。翌週の『朝日杯』はバブルガムフェロー(高石)が勝ち上がり、新馬、オープン特別に続いて3連勝を決めたのでした。クラシックにより近いと言われていた暮れの『たんぱ杯』はロイヤルタッチ(大友)、イシノサンデー(山下)、ダンスインザダーク(大友)でキンタポ会の1、2、3で決着。同日の『フェアリーS』はマックスロゼ(高石)が勝利して、まさに破竹の勢いのキンタポ軍でした。
<1995年末順位>
高石馬主 14712
中門馬主 10219
三田馬主 8700
権姉馬主 8279
山下馬主 7814
大友馬主 5180
菊地馬主 3455
加藤馬主 3402
権弟馬主 1940
新海馬主 0
年が明けてもキンタポ軍の勢いは止まらず、サクラスピードオー(菊地)が大方の予想を覆し『京成杯』を勝ったと思ったら『共同通信杯』までブッコ抜いてビックリ!その影でセリサイトダンディ(大友)、ローゼンカバリー(高石)、フサイチシンイチ(権弟)もデビュー戦を勝利。イシノサンデー(山下)がクラシックの登竜門『ジュニアC』を、『きさらぎ賞』はロイヤルタッチ、ダンスインザダークのオーさん馬主の2頭が1、2フィニッシュ。侵略すること火の如し!のままキンタポ軍はクラシックTR戦線に突入したのです。その影でローゼンカバリー(高石)が武豊を求めて阪神遠征し2勝目を目指したところ、河内のオッさんに蹴りを入れられて連勝出来ず、クラシック戦線から脱落していったのでした。
『チューリップ賞』はエアグルーヴ(中門)、『弥生賞』はダンスインザダーク(大友)、『4歳牝特』はホクトペンダント(三田)が2着、『アネモネS』はノースサンデー(中門)、『スプリングS』はバブルガムフェロー(高石)とクラシックTR戦はキンタポPOG軍が大活躍!そして、遅ればせながら新海馬主のニシノファイナルがひっそりと新馬を勝ち上がり、初勝利をあげたのでした。クラシックを目前にして絶好調で浮かれるキンタポ会にどこからともなく怪しい歌集『馬歌集』が配信されたのも、この頃でした。
春近し
ふくらむ我夢(ガム)は群れをわり
左団扇でパッカパカパカ
解説:バブルガムフェローが余裕をかましてクラシックを迎えようとしてる歌
暗闇で踊るお馬を(ダンスインザダーク)
追う我は
息も絶え絶え ツメを噛む
解説:とてもじゃないけどダンスインザダークには勝てそうもない!と
イシノサンデーが嘆いている歌 「ツメを噛む」には万年2着のアリダーの血が・・
馬夫の利は
桜の速王(サクラスピードオー)狂い咲き
横の山には 枯れ木の賑わい
解説:漁夫の利で重賞を連覇したが、サクラスピードオーの本当の実力を知っている
横山騎手の嘆きの歌
源の泥水まみれで
馬の背が
さみしからずや 嗚呼!高感触(ロイヤルタッチ)
解説:若葉Sでミナモトマリノスにドロドロにされたロイヤルタッチ!
挙句、騎乗停止なった蛯名騎手の踏んだり蹴ったりの歌。
ちゅうりっぷ
大気切りさき
ひとり旅 桜も樫もパッカパカパカ
解説:イブキパーシヴを捨てて武豊が選んだエアグルーヴ。余裕だらけのツマラナイ歌。
以上のようなアホな馬歌集は、これ以降出回ることはありませんでした!
いよいよクラシック!しかし『桜花賞』の最終追いきりが終わった翌日から悲劇が次々とキンタポ会を襲ったのでした。まずエアグルーヴ(中門)が熱発で『桜花賞』を回避。続いて『桜花賞』前日にはバブルガムフェロー(高石)が骨折!そしてダンスインザダーク(大友)も熱発で『皐月賞』回避を表明したのです。風雲急を告げるなかクラシック第1弾『桜花賞』は行なわれました。結果は田原騎手のファイトガリバーが1着。武豊から南井騎手に乗り代わったイブキパーシヴが2着。キンタポ軍はようやく3着にノースサンデー(中門)が入着。5着・ホクトペンダント(三田)、6着・シーズアチャンス(権弟)、7着・マックスロゼ(高石)、10着・センターライジング(中門)、期待されたビワハイジ(権姉)は15着、ニホンピロブレイス(山下)16着という結果に終わったのでした。続く牡馬クラシック第1弾、皐月賞はバブルガムフェロー(高石)とダンスインザダーク(大友)の飛車角落ちの1戦となったのですが、この混戦を制したのは四位騎手のイエローカードぎりぎりの手綱さばきに導かれてイシノサンデー(山下)が見事優勝!キンタポ軍に初のクラシックタイトルをもたらしのでした。ロイヤルタッチ(大友)が『桜花賞』でも代打だった南井騎手の手綱さばきで2着に入線!あまりに結果オーライなワンツーフィニッシュでした。ダンディコマンドと一緒に逃げたサクラスピードオー(菊地)が7着、ローゼンカバリー(高石)の抽選出走権を蹴飛ばして7ヶ月の休み明けで出走したエイシンイットオー(三田)は15着に惨敗!
<皐月賞、終了時順位>
高石馬主 23197
大友馬主 22798
中門馬主 21654
山下馬主 21348
三田馬主 15800
菊地馬主 12395
権姉馬主 10973
権弟馬主 7260
加藤馬主 6044
新海馬主 1105
クラシック第2弾『オークス』『ダービー』に向けてTR戦が始まっても、キンタポ軍の勢いは衰えず、まず『4歳牝特オークスTR』はセンターライジング(中門)。『スイートピーS』はシーズアチャンス(権弟/レース後骨折!)。熱発で皐月賞を回避したダンスインザダーク(大友)は『プリンシパルS』で見事に復活!皐月賞終了時点でトップに立っていた高石馬主でしたが、すでにバブルガムフェローは全治3ヶ月で戦線離脱。マックスロゼも底が見え、頼みの綱はローゼンカバリーだったのですが、『ダービー』出走を賭けた青葉賞でマウンテンストーン(三田)に完敗!またしても三田馬主の馬にやられてしまったのです。新装なった第1回『NHKマイルC』には残念ながらキンタポ会からの出走はありませんでしたが、レースはタイキフォーチュンが4歳馬としては破格のタイムで優勝し、外国産馬が上位を独占したのでした。
中門馬主と大友馬主の一騎打ちの様相をしてきた第1回キンタポレース。伏兵は皐月賞馬・イシノサンデーでダービー制覇までも狙う山下馬主。マックスロゼの奇跡の復活に賭ける高石馬主。そして迎えた晴天の5月26日『オークス』。レースは熱発明け3ヶ月ぶりのエアグルーヴ(中門)が完璧な走りで優勝し、桜花賞馬・ファイトガリバーが2着。高石馬主の頼みの綱・マックスロゼはノースサンデー(中門/降着・12着)の歴史に残る大斜行に巻き込まれて5着!これでトップに立ったのは中門馬主。さぁ、いよいよ『ダービー』!6月2日晴れ。良馬場。なんと大友馬主の2頭ダンスインザダーク、ロイヤルタッチが1番、2番人気。もちろん勝てば中門馬主を交わしてトップへ!そのまま第1回キンタポPOGレースの優勝者になる可能性が99%。レースは悲願のダービー制覇に燃える武豊を背にダンスインザダークが3~4番手でサクラスピードオー(菊地)を追走。4角廻って残り200Mで余裕を持って先頭に!誰もがダンスインザダークの勝利を確信したと思った瞬間、音速の末脚でフサイチコンコルドがダンスインザダークをクビ差かわしてゴール!大友馬主の野望は舞い散る外れ馬券のように消えたのでした。他のキンタポ軍はロイヤルタッチ(大友)・4着、サクラスピードオー(菊地)・5着、イシノサンデー(山下)・6着、フサイチシンイチ(権弟)・7着、マウンテンストーン(三田)が11着でした。牝馬ながら果敢(無謀)にダービーに挑戦したビワハイジ(権姉)は13着という結果に終わりました。その後はローゼンカバリー(高石)が900万下の『しゃくなげ賞』を勝った程度で大した変動もなく、静かに第1回キンタポレースは幕を閉じたのでした。優勝は中門馬主。準優勝は大友馬主。初めてのPOGでしたが実にレベルが高く、初年度からG1レースを4つも獲得し、ダービーで優勝者が決まるという劇的な幕切れでした。そしてこの素晴らしい結果が、その後の仁義なき戦いの始まりだったのです
<最終順位/この時は順位はポイント制>
中門馬主 174P エアグルーヴ センターライジング ノースサンデー
大友馬主 138P ロイヤルタッチ ダンスインザダーク
高石馬主 104P バブルガムフェロー マックスロゼ ローゼンカバリー
山下馬主 92P イシノサンデー
三田馬主 64P エイシンイットオー マウンテンストーン
権姉馬主 52P ビワハイジ
菊地馬主 47P サクラスピードオー
権弟馬主 33P シーズアチャンス
加藤馬主 27P マヤノカプリース
新海馬主 5P
因みに実際の獲得賞金で表しますと・・・
中門馬主 37154 +
大友馬主 33148 +
高石馬主 27030 +
三田馬主 22199 +
山下馬主 21778 +
菊地馬主 13915
権姉馬主 13576
権弟馬主 12435
加藤馬主 8474
新海馬主 2895
上位5馬主が+。キンタポ軍の獲得賞金合計は192604万円でした。しかし、最下位の2895万って・・・!Σ( ̄□ ̄;) アグネスフローラの初子アグネスタカオーを指名しているのにねぇ・・・・・( ̄。 ̄ )ボソ…因みに、この時に山下馬主が指名した牝馬マストビーラヴドはその後、ラインクラフトの母親として、加藤馬主のランニングヒロインはスクリーンヒーローの母親として、その血は着実に受け継がれています。
TAPAVAN POG 1996
95年8月5日~96年7月7日 参加10馬主(10頭持ち/牡牝各5頭)
キンタポ発足のキッカケは1993年4月11日の桜花賞の日まで遡ります。日曜日だというのに高石氏と中門氏は目黒近郊で一緒に仕事をしていました。二人は桜花賞の時間が迫るにつれてソワソワし、発走直前にはふらふらとTVのある場所に二人して仲良く座っていたのです。そこで二人は武豊の鮮やかな手綱さばきによりベガが桜の女王に導かれるのを目撃しました。忘れもしない2着は岩手のユキノビジン。思わず抱き合って喜びを表現していた二人はどちらからともなく「競馬好きなんですねぇ・・・・」とひと時の競馬談義に花を咲かせたのでした。それから2年の月日が経ち巷ではビワハヤヒデ、ナリタブライアンの兄弟、トウカイテイオーの復活、女傑ヒシアマゾン等の活躍により競馬が再び盛り上がろうとしていました。またトニービン産駒・ベガの桜花賞制覇から始まった新種牡馬のクラシック制覇はブライアンズタイム、サンデーサイレンスと続き、競馬ゲーム「ダービースタリオン」の影響もあり多くの競馬ファンが血統というモノに興味を持ち始めていました。そんな世相の中で高石氏は社会人になった頃にちょっとだけ経験のあるペーパー・オーナー・ゲーム(POG)を久々に思い出し、「またやりたいなぁ・・・・・でも競馬好きな人って近くにいたかなぁ・・・・競馬の為なら仕事を放ったらかすような人!・・・・・あ!中門さん!」忘れもしない2年前の桜花賞目撃事件。で、早速、中門さんに
高石:あのぉ・・・POGをやりたいんですけど、中門さんの他に競馬に興味ある人って居ますか?
中門:面白そうですね!じゃ、ちょっと声を掛けてみます!
高石:こちらで3人はいるので、そちらから3人くらい集まれば形にはなると思うんですけど・・・
中門:了解でーす!
3分後、ものの3分後ですよ!中門さんから折り返し電話が「5人集まったよ!」「えー!マジで!」。こうして集まった高石、中門、山下、菊地、大友、加藤、三田、新海、権姉、権弟の総勢10名が記念すべき第1回キンタポレース(当時は『TAPAVAN』と呼ばれていました。TAP+CARAVANの略)に参加することになったのです。
初めてのドラフト会議は1995年の7月19日(水)18時より開かれました。牡牝5頭ずつ合計10頭。全馬記名式で指名が重なった場合は抽選、期間は8月第1週から翌年の宝塚記念まで。一番多くの指名が重なったのはプライムステージの全妹・ランニングヒロイン(SS×ダイナアクトレス)。そのランニングヒロイン(加藤)は活躍出来ませんでしたが、第1回キンタポレースは素晴らしい結果を生むことになりました。
ビワハイジ(権姉)が7月30日の『札幌3歳S』を勝ち上がった翌週からスタートしたキンタポレース。最初の新馬勝ちは8月5日!中門馬主のセンターライジングでした。初のオープン勝ちは『フェニックス賞』のマヤノカプリース(加藤)。初の重賞勝ちはエイシンイットオー(三田)の『小倉3歳S』。他にもニホンピロブレイズ(山下)が『函館3歳S』を2着。初めてのPOGにもかかわらずキンタポレースは好スタートを切ったのでした!それから2ヶ月。先頭は中門馬主、以下は順に三田、山下、加藤、菊池、権姉、高石、権弟。大友馬主と新海馬主の2馬主は未だ1頭も出走しておらず先行きが心配されました。しかし!そんな心配をあざ笑うかのように大友馬主のロイヤルタッチとダンスインザダークは12月の阪神で共にデビュー戦を圧勝!同じ日に行なわれた3歳馬初のG1レース『阪神3歳牝馬S』はビワハイジ(権姉)とエアグルーヴ(中門)の1、2フィニッシュ。エイシンビーナス(権姉)も掲示板GETの4着。翌週の『朝日杯』はバブルガムフェロー(高石)が勝ち上がり、新馬、オープン特別に続いて3連勝を決めたのでした。クラシックにより近いと言われていた暮れの『たんぱ杯』はロイヤルタッチ(大友)、イシノサンデー(山下)、ダンスインザダーク(大友)でキンタポ会の1、2、3で決着。同日の『フェアリーS』はマックスロゼ(高石)が勝利して、まさに破竹の勢いのキンタポ軍でした。
<1995年末順位>
高石馬主 14712
中門馬主 10219
三田馬主 8700
権姉馬主 8279
山下馬主 7814
大友馬主 5180
菊地馬主 3455
加藤馬主 3402
権弟馬主 1940
新海馬主 0
年が明けてもキンタポ軍の勢いは止まらず、サクラスピードオー(菊地)が大方の予想を覆し『京成杯』を勝ったと思ったら『共同通信杯』までブッコ抜いてビックリ!その影でセリサイトダンディ(大友)、ローゼンカバリー(高石)、フサイチシンイチ(権弟)もデビュー戦を勝利。イシノサンデー(山下)がクラシックの登竜門『ジュニアC』を、『きさらぎ賞』はロイヤルタッチ、ダンスインザダークのオーさん馬主の2頭が1、2フィニッシュ。侵略すること火の如し!のままキンタポ軍はクラシックTR戦線に突入したのです。その影でローゼンカバリー(高石)が武豊を求めて阪神遠征し2勝目を目指したところ、河内のオッさんに蹴りを入れられて連勝出来ず、クラシック戦線から脱落していったのでした。
『チューリップ賞』はエアグルーヴ(中門)、『弥生賞』はダンスインザダーク(大友)、『4歳牝特』はホクトペンダント(三田)が2着、『アネモネS』はノースサンデー(中門)、『スプリングS』はバブルガムフェロー(高石)とクラシックTR戦はキンタポPOG軍が大活躍!そして、遅ればせながら新海馬主のニシノファイナルがひっそりと新馬を勝ち上がり、初勝利をあげたのでした。クラシックを目前にして絶好調で浮かれるキンタポ会にどこからともなく怪しい歌集『馬歌集』が配信されたのも、この頃でした。
春近し
ふくらむ我夢(ガム)は群れをわり
左団扇でパッカパカパカ
解説:バブルガムフェローが余裕をかましてクラシックを迎えようとしてる歌
暗闇で踊るお馬を(ダンスインザダーク)
追う我は
息も絶え絶え ツメを噛む
解説:とてもじゃないけどダンスインザダークには勝てそうもない!と
イシノサンデーが嘆いている歌 「ツメを噛む」には万年2着のアリダーの血が・・
馬夫の利は
桜の速王(サクラスピードオー)狂い咲き
横の山には 枯れ木の賑わい
解説:漁夫の利で重賞を連覇したが、サクラスピードオーの本当の実力を知っている
横山騎手の嘆きの歌
源の泥水まみれで
馬の背が
さみしからずや 嗚呼!高感触(ロイヤルタッチ)
解説:若葉Sでミナモトマリノスにドロドロにされたロイヤルタッチ!
挙句、騎乗停止なった蛯名騎手の踏んだり蹴ったりの歌。
ちゅうりっぷ
大気切りさき
ひとり旅 桜も樫もパッカパカパカ
解説:イブキパーシヴを捨てて武豊が選んだエアグルーヴ。余裕だらけのツマラナイ歌。
以上のようなアホな馬歌集は、これ以降出回ることはありませんでした!
いよいよクラシック!しかし『桜花賞』の最終追いきりが終わった翌日から悲劇が次々とキンタポ会を襲ったのでした。まずエアグルーヴ(中門)が熱発で『桜花賞』を回避。続いて『桜花賞』前日にはバブルガムフェロー(高石)が骨折!そしてダンスインザダーク(大友)も熱発で『皐月賞』回避を表明したのです。風雲急を告げるなかクラシック第1弾『桜花賞』は行なわれました。結果は田原騎手のファイトガリバーが1着。武豊から南井騎手に乗り代わったイブキパーシヴが2着。キンタポ軍はようやく3着にノースサンデー(中門)が入着。5着・ホクトペンダント(三田)、6着・シーズアチャンス(権弟)、7着・マックスロゼ(高石)、10着・センターライジング(中門)、期待されたビワハイジ(権姉)は15着、ニホンピロブレイス(山下)16着という結果に終わったのでした。続く牡馬クラシック第1弾、皐月賞はバブルガムフェロー(高石)とダンスインザダーク(大友)の飛車角落ちの1戦となったのですが、この混戦を制したのは四位騎手のイエローカードぎりぎりの手綱さばきに導かれてイシノサンデー(山下)が見事優勝!キンタポ軍に初のクラシックタイトルをもたらしのでした。ロイヤルタッチ(大友)が『桜花賞』でも代打だった南井騎手の手綱さばきで2着に入線!あまりに結果オーライなワンツーフィニッシュでした。ダンディコマンドと一緒に逃げたサクラスピードオー(菊地)が7着、ローゼンカバリー(高石)の抽選出走権を蹴飛ばして7ヶ月の休み明けで出走したエイシンイットオー(三田)は15着に惨敗!
<皐月賞、終了時順位>
高石馬主 23197
大友馬主 22798
中門馬主 21654
山下馬主 21348
三田馬主 15800
菊地馬主 12395
権姉馬主 10973
権弟馬主 7260
加藤馬主 6044
新海馬主 1105
クラシック第2弾『オークス』『ダービー』に向けてTR戦が始まっても、キンタポ軍の勢いは衰えず、まず『4歳牝特オークスTR』はセンターライジング(中門)。『スイートピーS』はシーズアチャンス(権弟/レース後骨折!)。熱発で皐月賞を回避したダンスインザダーク(大友)は『プリンシパルS』で見事に復活!皐月賞終了時点でトップに立っていた高石馬主でしたが、すでにバブルガムフェローは全治3ヶ月で戦線離脱。マックスロゼも底が見え、頼みの綱はローゼンカバリーだったのですが、『ダービー』出走を賭けた青葉賞でマウンテンストーン(三田)に完敗!またしても三田馬主の馬にやられてしまったのです。新装なった第1回『NHKマイルC』には残念ながらキンタポ会からの出走はありませんでしたが、レースはタイキフォーチュンが4歳馬としては破格のタイムで優勝し、外国産馬が上位を独占したのでした。
中門馬主と大友馬主の一騎打ちの様相をしてきた第1回キンタポレース。伏兵は皐月賞馬・イシノサンデーでダービー制覇までも狙う山下馬主。マックスロゼの奇跡の復活に賭ける高石馬主。そして迎えた晴天の5月26日『オークス』。レースは熱発明け3ヶ月ぶりのエアグルーヴ(中門)が完璧な走りで優勝し、桜花賞馬・ファイトガリバーが2着。高石馬主の頼みの綱・マックスロゼはノースサンデー(中門/降着・12着)の歴史に残る大斜行に巻き込まれて5着!これでトップに立ったのは中門馬主。さぁ、いよいよ『ダービー』!6月2日晴れ。良馬場。なんと大友馬主の2頭ダンスインザダーク、ロイヤルタッチが1番、2番人気。もちろん勝てば中門馬主を交わしてトップへ!そのまま第1回キンタポPOGレースの優勝者になる可能性が99%。レースは悲願のダービー制覇に燃える武豊を背にダンスインザダークが3~4番手でサクラスピードオー(菊地)を追走。4角廻って残り200Mで余裕を持って先頭に!誰もがダンスインザダークの勝利を確信したと思った瞬間、音速の末脚でフサイチコンコルドがダンスインザダークをクビ差かわしてゴール!大友馬主の野望は舞い散る外れ馬券のように消えたのでした。他のキンタポ軍はロイヤルタッチ(大友)・4着、サクラスピードオー(菊地)・5着、イシノサンデー(山下)・6着、フサイチシンイチ(権弟)・7着、マウンテンストーン(三田)が11着でした。牝馬ながら果敢(無謀)にダービーに挑戦したビワハイジ(権姉)は13着という結果に終わりました。その後はローゼンカバリー(高石)が900万下の『しゃくなげ賞』を勝った程度で大した変動もなく、静かに第1回キンタポレースは幕を閉じたのでした。優勝は中門馬主。準優勝は大友馬主。初めてのPOGでしたが実にレベルが高く、初年度からG1レースを4つも獲得し、ダービーで優勝者が決まるという劇的な幕切れでした。そしてこの素晴らしい結果が、その後の仁義なき戦いの始まりだったのです
<最終順位/この時は順位はポイント制>
中門馬主 174P エアグルーヴ センターライジング ノースサンデー
大友馬主 138P ロイヤルタッチ ダンスインザダーク
高石馬主 104P バブルガムフェロー マックスロゼ ローゼンカバリー
山下馬主 92P イシノサンデー
三田馬主 64P エイシンイットオー マウンテンストーン
権姉馬主 52P ビワハイジ
菊地馬主 47P サクラスピードオー
権弟馬主 33P シーズアチャンス
加藤馬主 27P マヤノカプリース
新海馬主 5P
因みに実際の獲得賞金で表しますと・・・
中門馬主 37154 +
大友馬主 33148 +
高石馬主 27030 +
三田馬主 22199 +
山下馬主 21778 +
菊地馬主 13915
権姉馬主 13576
権弟馬主 12435
加藤馬主 8474
新海馬主 2895
上位5馬主が+。キンタポ軍の獲得賞金合計は192604万円でした。しかし、最下位の2895万って・・・!Σ( ̄□ ̄;) アグネスフローラの初子アグネスタカオーを指名しているのにねぇ・・・・・( ̄。 ̄ )ボソ…因みに、この時に山下馬主が指名した牝馬マストビーラヴドはその後、ラインクラフトの母親として、加藤馬主のランニングヒロインはスクリーンヒーローの母親として、その血は着実に受け継がれています。