goo

「竹下村誌稿」を読む 286 助郷 8

(散歩道のカリガネソウ)

昨日上げた俳句の句合わせから、さらに五句上げてみる。

  更けるほど 町は夜のなし 夏の月
  物憂げへ 鳴きける声あり 明けの雲
  岩角に 掛かる鳥あり 風光る
  花守や 持ちて産まれた 奇麗好き
  振り向いた 顔のやさしき 鹿の子かな


名句かと云えば、そんなに深い句でないけれども、発句を楽しむ気持ちが感じられて、面白い。

********************

「竹下村誌稿」の解読を続ける。

按ずるに、江戸参觀(参勤)の諸大名、及び京阪在番などの、東海道を往還するもの、及び官駄、益々多く、驛馬の濫用、助郷の酷使など甚だしく、加うるに、悪漢諸驛に徘徊し、驛政大いに紊(みだ)れ、その弊害少なからざりしかば、正徳二年(1712)三月、幕府は左の条項を頒布して、これが矯正に努めらるゝと同時に、東海道の要驛(品川、府中、草津)に貫目改め所をも設置せりと、雑誌歴史地理に見えたり。
※ 官駄(かんだ)- 公用の荷物。

            定
一 公家衆、門跡方、道中往来の時、人足三十二人、馬三十匹に相限り候処、近年は御定め人馬の外、添い人馬多く相立て候故、宿々並び助人馬出し候在々まで、困窮に及ぶ由、相聞き候。向後はたとい宿々馳走として人馬差し出し候とも、御定めの人馬とも、都合五十人、三十五匹の外は、一切差し出すべからざる事。

一 御用にて道中往来の衆中、これまた近年は、御朱印人馬数の外へ、添え人馬多く相立て候由、相聞き候。向後は御朱印員数の外、添え人馬差し出し候義、堅く停止たるべく候事。

一 道中往来の面々、雇い人足、近年不届きの仕形(仕方)どもこれ有り、就中(なかんずく)御用にて往来、或るは在番の衆中、雇いの者、主人の権威を以って、猥りに手替りの人足これを取り、その上、馬、駕籠などに乗り、賃銭払わざる者これ有り。その外、非分の儀ども申し掛け、宿々費え多く候由、相聞き候に付、江戸、京、大坂に於いて、人足請負の者方より、雇いの人足どもなど、急度申し付け、不届きこれ無き様に申し渡し候間、向後宿々にても、その旨を存じ、誰の雇いの者たりとも、無用の人馬出させ候か、または非分の儀仕り候わば、その所に留め置き、早速、道中奉行へこれを訴うべし。当分の難儀を存じ、用捨せしめ、後日に相聞き流すに於いては、宿々の者まで急度申し付くべき事。

※ 非分(ひぶん)- 道理にはずれたこと。
※ 用捨(ようしゃ)- ゆるすこと。大目に見ること。


一 御用並び在番の衆中、その外諸大名、惣て道中往来の面々、向後は人馬割り役人を問屋場に相残し、御朱印人馬、賃人馬、入るべきほど差出させ、賃人馬の分は賃銭相違なく相払い、諸事不埒これ無き様に吟味仕らせ、その外の家来、併(なら)び、雇いの者どもより、私に人馬、駕籠、出し候様に申し掛け候とも、人馬割り役人のこれ無き候わば、一切これを差し出すべからざる由、申し達し候間、宿々にても、その旨を存じ、費えの人馬相立てざる様、仕るべく候。この上、不埒の族(やから)これ有り候わば、誰の家来たりとも隠し置かず、早速、道中奉行にこれを訴うべきこと。
※ 断(だん)- 物を決定すること。また、その決められたこと。

(この定、明日へつづく)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 「竹下村誌稿... 「竹下村誌稿... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。