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政権が変わった日

(庭のマツバボタン)

夜8時、民主党圧勝、自民党大敗とテレビが伝える。民主党は300を越す議席を確保した模様であると報道していた。8時というのは投票が終了する時間である。投票が終った途端に議席が決まったような報道がされるのがどうにも違和感がある。少なくとも票が一部でも開いた時点で当確を出すなら判るが、出口調査で当確を出してしまえば、我々の一票がどうなってしまうのか。ちょっと愉快ではない。

選挙結果については、これだけの雪崩現象も十分にあり得ると思っていた。しかし数字を見るとやはりびっくりする。それだけ国民の大きな期待が民主党の上に載っかるわけである。自民党の不人気は、すでに小泉ブームの前に顕著になっていた。それが、小泉ブームに乗って、何年か延命されたのだと認識していた。自民党はそれを党勢だと勘違いしていた。小泉ブームが去って、三代の首相がたらい回しになった。勘違いしていた自民党の緊張感のないだらけた内閣が続いた。この選挙で急に有権者が民主党に鞍替えしたわけではない。地殻変動はすでに起きていた。自民党が参議院選挙で負けたのはその先駆けであったのだが、自民党の誰も危機感を持ったようには思えなかった。

マスコミが民主党寄りだという批判があった。しかし政権与党がマスコミの批判の的になるのは当然である。また批判と対象になるごたごたが続いた。二代続いた敵前逃亡首相、老人ボケ議員、酔っ払い大臣、漢字の読めない首相等々、よくもこれだけ欠陥人材を集めたものだ。本当にそんな人材しか残っていなかったのだろうか。考えてみれば骨のある自民党の政治家は、その一部は金にまみれて一線から消え、その一部は見切りを付けて党から去った。残った政治家はその程度の人材だった。その体たらくの議員の多くが世襲議員で、どんな覚悟で政治家になったのか聞いてみたいと思った。この選挙でその多くが有権者の審判を受けて落選したのは、有権者の判断が健全であったと思う。

民主党政権に不安が無いかといえば、不安だらけである。国益を守る外交が出来るのだろうか。官僚政治からの脱却というが、官僚と戦える実力が本当にあるのだろうか。耳当りの良いマニフェストを、実施しながら財政はどのように立て直すのか、等々である。

しかし、もうサイは投げられたのである。明日から今度は国民とマスコミの厳しい眼は民主党に向けられる。野党になる自民党には雌伏の時代が始まる。自民党には今回の衆院選を反省の材料として健全な野党として存在感を維持してほしい。民主党の政権運営によっては、次回の衆議院選挙で全く逆のことが起っても何ら不思議ではない。それが小選挙区制度である。

午前0時を越えるころには、民主党はすでに300議席を越えていた。
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政権が変わった日 (楊貴子)
2009-09-02 19:32:36
今回の選挙、それにしても余りにCriticalな相転移のようだと感じました。もう少し制御設計された相転移であって欲しいという印象です。
鳩山新首相は日本で初めての理系の首相ということで、スタンフォード大のDrだとは知っていましたが、今日街の本屋でアエラをちょっと見ていたら、日本のピカイチの脳の数理科学者である甘利教授(東大)の研究室のの出身であることに驚きました。科学技術の本流のど真ん中で研究した経験があるということです。記事を読んでいると、『政治を科学し、科学された政治にする』ことに志があるようで、弁理士である管さんとも通じるところがあるのでは。
ぜひ『科学された友愛政治の枠組み』を目指していただきたいような気がします。
21世紀の政治は進化した政治でなくてはいけません。

数理科学と聞くと、私達の友人の東北大数理研のU教授も近い所にいる気がしてきました。でも今年定年ですね。
 
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