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「家忠日記増補25巻3」の解読 11

(散歩道のクサイチゴの花、3月30日撮影)

散歩道にクサイチゴの花が、今、沢山咲いている。花が終ると赤い実を付ける。僅かに甘くて、美味しいのだが、もちろん手にする人はいない。この散歩道は犬の散歩道でもあるからだ。

夜、名古屋のかなくんが長い疎開を終えて帰るというので、掛川のまーくんたちも来て、すき焼きパーティをする。孫たちも伸び盛りになって、食欲が半端ではないと聞いた。

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「家忠日記増補25巻3」の解読を続ける。

武田信玄、卒去するの事、深くこれを密するといえども、近国に推察して、これを疑う。北条氏政、その実否を知らんがために、板部岡江雪斎に面す。夜陰、灯明がならざるに仍って、江雪斎、逍遥軒を信玄と見誤る。江雪斎、小田原に帰りて、信玄存命の由を、氏政に告げる。然りといえども、去年、奥平父子、大神君の麾下に属し、信玄卒するの事を、大神君に告げるに仍って、遠三両国にして、信玄が死、(あまね)これを知る。
※ 推察(すいさつ)➜ 他人の事情や心中を思いやること。 おしはかること。
※ 徧く(あまねく)➜ もれなくすべてに及んでいるさま。広く。一般に。


勝頼、を三州鳳来寺に築きて、甲州の兵をして、これを守らしむ。酒井左衛門尉忠次、大神君の命を奉りて、兵を鳳来寺に発して、敵の城下、角屋(門谷)村に放火す。城兵出て、これを拒(ふせ)ぐ。忠次、戦い大いに勝ちて、敵を数多撃ち捕る。
※ 塁(るい)➜ とりで。

天正三年乙亥(きのとい)、正月大
一日 群臣、遠州浜松の城に登りて、大神君に謁(えつ)して、新正(しんせい)賀儀(がぎ)を献ず。
二日 夜に入り、例の如く、浜松の城に於いて、御謡い初め(うたいぞめ)あり。諸士参賀す。
※ 群臣(ぐんしん)➜ たくさんの臣下。諸臣。
※ 新生(しんせい)➜ 新年の正月。
※ 賀儀(がぎ)➜ 祝いの儀式。祝いごと。また、祝いの言葉。
※ 謡い初め(うたいぞめ)➜ 新年になって初めて謡曲を謡うこと。


二月小
十五日 大神君、浜松の城下に御放鷹(ほうよう)あり。時に路辺(ろへん)にして、大神君、井伊萬千代(時に十五歳、後に兵部少輔直政と号す)を見給い、誰が家の童子なるの由を問わせ給う。井伊信濃守直光(直満)が孫、肥後守直親が(よし)に仍って、御城下に熱(ほとぼ)り去(きょ)するの旨を達す。台聴(たいちょう)驚かれ、即日、万千代を城に召して、麾下に属す。井伊之谷は、先祖歴代の旧領たるに依って、万千代に賜いて、井伊之谷三人衆、及び与力の士を附けられ、また木俣清左衛門尉守勝、椋原(むくはら)治右衛門尉、西郷藤左衛門尉をして、万千代に附けしめ給う。
※ 好み(よしみ)➜ 何らかの縁によるつながり。縁故。
※ 台聴(たいちょう)➜ 身分の高い人がきくこと。

(「家忠日記増補25巻3」の解読、つづく)
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