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放射能のお茶への影響

(大きな株になった庭の松樹上のセッコク)

福島第一原発事故の放射能の影響で、茨城や神奈川などで生葉に安全基準値を上回る放射性セシウムが検出され、出荷停止の処置が行なわれた。全国の4割のお茶を生産する静岡県への影響が心配されたが、静岡県では一番茶に対して安全基準値を大幅に下回る数値であるとして、安全宣言がなされた。

お茶はホウレン草などと違って、すべてを食べてしまうわけではなくて、抽出したお茶を飲むわけで、茶葉から抽出される成分の割合では約二十分の一の成分がお茶に出てくるに過ぎないため、それだけでもホウレン草よりはるかに安全である。それでも気になる人は、しばらくは食べるお茶は避けて、急須で入れて飲むお茶を勧める。

同じ放射能が降っても、作物によって吸収の仕方が異なるので、基準値を超える作物とそうでない作物の差が出てくる。お茶の場合は土壌からカリウムを吸収して育つが、セシウムがこのカリウムによく似ているため、放射性セシウムが降ってくると、肥料と間違えて吸収して、新芽へ出てくるといわれる。それならば、あらかじめ肥料としてカリウムをたくさん与えれば、セシウムを吸収することも無くなると思うのだが、茶農家へそのような指示が出たとは聞いていない。

そんな理由でお茶の数値が特に高まったと思われる。但し、一番茶で多くが吸収されてしまったとすれば、継続して数値を調べていけば、二番茶、三番茶は大幅に下がるのではないかと想像される。

恐いのは風評被害である。幸いにも、現在お茶に大きな風評被害は起きていないが、新茶ではなくて古茶をわざわざ買っていく客もあるらしい。ヨウ素は甲状腺に蓄積され、ストロンチウムは骨に溜まって、長い間体内から放射線を浴びることになる。しかし、セシウムは体内に入ると体液の中に流れて100日でその半分が体外へ出てしまうといわれる。そういう意味では蓄積するものと比べれば危険性ははるかに少ない。チェルノブイリで多くの犠牲者を出したのは放射性ヨウ素である。今までに、放射性セシウムが原因でガンなどの病気になったという報告はされていないという。

多くの人々は、20年先に、ガンになる可能性がコンマ以下のパーセント上がるかもしれないというような、不確実な可能性論議をして風評被害を起してしまう。しかし、本当に健康のことを考えるならば、お茶を飲むことによって得られる、1ヶ月先の各種生活習慣病への数パーセントの向上効果を、どうしてもっと問題にしないのだろうか。
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コメント
 
 
 
食べるお茶は大丈夫? (hagure)
2011-05-26 10:21:27
今年NHKの「試してガッテン」で、お茶の葉を粉にして飲んでしまうと健康に良いと放送されてから、私の友人達もその方法を実践するようになっています。

以前狭山茶(?)の残留農薬が問題になったとき、お茶は抽出して飲むから野菜より残留農薬が高くても支障が無い。
また、食べるお茶は農薬の散布回数を減らしているとも言っていたと思います。

友人達が食べているお茶は普通の茶葉ですが、放射能はともかく残留農薬は問題ないのでしょうか。
 
 
 
食べるお茶は安全 (きのさん)
2011-05-26 11:19:36
現在、日本でお茶に使用している農薬は、日が経つと無毒化するものしか使われていません。(昔は確かにきつい農薬が使われていたことも有りました。)

例えば散布後10日で無毒化する農薬であれば、摘採の10日前以前に散布を終え、散布後、10日以上経たないと摘採してはならないと、厳しく管理されています。

個々のお茶に対して栽培記録があるはずですので、いつ農薬を散布し、いつ摘採したかのチェックが出来ます。消費者でも要求すれば提示してもらえると思います。

日本で作られているお茶では、現在ではまず残留農薬は無いと考えてよいと思います。
 
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