goo

「竹下村誌稿」を読む 283 助郷 5

(散歩道のホトトギス)

夕方、日本の11歳の少年が世界オセロ選手権で優勝したという。末恐ろしい少年である。

********************

「竹下村誌稿」の解読を続ける。

作者逸名の詩に、
※ 逸名(いつめい)- 作者の名が知られていないこと。作者不詳。
 
         雲助行
 雲助これ何物、更に雲助の児(こ)非らず。
 昔を尋ぬれば元歴々、如何(いかが)今この姿。
 一朝勘当を蒙り、十年艱難を受く。
 霜を踏み体能く固まり、秋に至り肌毎(つね)に寒し。
 玄古餅咽に迫(せま)り、坂東酒身に染む。
 痩せるといえども、病に非らず、壮といえども唯これ貧し。
 袖壊(やぶ)れ肘自(おのず)から見ゆ。裾断ちて足殊(こと)に軽し。
 街筋の道を徘徊し、生き馬の眼を抜かんと欲す。
 夜建念寺に宿り、月勝負に当り濃し。
 偶(たまたま)一盃を受くるといえども、未だ在所の松を見ず。
 謂う莫(なか)れ吾が舎(家)なきを、天に幕(ばく)し太平に坐す。
 一本竹杖有りて、万里に横行すべし。

※ 歴々(れきれき)- 身分や家柄の高いさま。
※ 坂東酒(ばんどうざけ)- 関東の酒。下り酒(関西の酒)に比べ、下等な酒。
※ 横行(おうこう)- 自由気ままに歩きまわること。


よくその実態を穿(うが)ち得たりと云うべし。

却説(さて)、課役人馬の代弁は遠隔の助郷のみならず、後には近傍の助郷に於いても、また人馬の課役を請負に為せしことあり。安永六年(1777)十二月、金谷宿助人足請負の証書あり。

         請負申す金谷宿助人足の事
一 御村方高二百二十三石分、この人足二人掛四人、この賃代四貫八百四十八文にて、戌年中、請負申す賃金、只今慥(たしか)に受取り申す所、実正に御座候。然る上は、金谷宿問屋所よりお触れ出の通り、員数刻限遅滞なく差し出し、急度相勤め申すべく候。もっとも、日光宮様官人正路の儀は相除き、その外御通りの儀は、如何様の御通りにても間違いなく、急度相勤め申すべく候。万一、請負等如何様の不埒仕り候とも、拙者ども引き請け、何方までも罷出、急度埒明け、御村方へ少しも御苦労相掛け申すまじく候。後日のため、証人加判、よって件の如し。

※ 正路(せいろ)- 正規の道路。また、公道。

    安永六酉十二月           金谷町
                       請負人  藤次郎  ㊞
                       同断   藤四郎  ㊞
                      竹下村
                       同断   五助   ㊞
                       引請証人 小左衛門 ㊞
     竹下村
      御庄屋衆中
   (渡辺氏記録)


読書:「梅安影法師 仕掛人・藤枝梅安」 池波正太郎 著
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )