goo

「ある日突然、お遍路さん」を読む

(高田京子著「ある日突然、お遍路さん」)

図書館から借りてきた、高田京子著「ある日突然、お遍路さん」という、お遍路体験記を読んだ。10年ほど前に発行された本で、時代は阪神大震災やオーム真理教事件の時代である。

僧侶の修行経験のある外国人男性が先達になって、カルチャーセンターで歩き遍路の参加者を集めた。そして10数人の参加者が集まって無謀にも出発してしまった。計画は全行程を4回にわけて歩く。各回が10日程の計画で、初回は1番霊山寺から24番最御崎寺まで歩くという。この記録はそれに参加した若い女性ライターが書いたものであった。

自分のまんだら遍路の時でも、最御崎寺に着いたのはようやく10日目であった。その時の最高歩行距離は37kmであった。歩くことの、全くの初心者が多い歩き遍路で、その日程では全く無謀というほかない。案の定、一日目から最後はタクシーに乗ることになって、どこが歩き遍路なのだと参加者からクレームが出る。先達氏にとっても、このイベントは初めての試みで、遍路事情がしっかり把握できていなかった。

歩けなくなる人が出たり、時間が掛かって宿に着くのが夜の9時を過ぎてしまったり、宿ではミーティングで、不満や注文が乱れ飛び、お遍路は混乱を極めた。時間が押して来ると電車に乗ったり、荷物を次の宿にタクシーで運んだり、先達氏が大変な苦労をしている。次々トラブルが起きるから記録が面白くなって、ライターとしては美味しいかもしれないが、歩き遍路は一人(弘法大師と同行二人)で歩くのが基本と考えている自分には、信じられないお遍路パーティである。団体で行くならバスなどの乗物を利用して、歩いても体験として限定的に短い距離を歩いてみる位のところであろうと思っていた。

このパーティは先達氏だけが地図や磁石を持って、後の人たちはその後を付いて行くだけで、楽には楽だが、一日だけならとにかく、10日も連続して歩くのは大変なことである。歩くスピードが違えば、間隔がどんどん広がって、前の人を見失ったら、すぐに迷子になってしまう。

しかし、このイベントは第2回、最御崎寺から38番金剛福寺まで、第3回、金剛福寺から51番石手寺までと続き、著者はさすがに団体行動が辛くなって、石手寺から結願までは個人的に女三人で歩いた。しかし、その最後の最後には、同行者にことわって、一人で歩くことにしてもらった。

浮付いた気持で地図も持たずにわいわいガヤガヤと歩き始めて、最後には歩き遍路の基本形の一人に回帰していく。その記述になるほどと思わせるものがあった。団体の歩き遍路はトイレや洗濯など、順番待ちがあったり、特に女性は辛いところがあるようだ。洗濯はネットに入れて皆でまとめてやれば楽に安上がりにできると、まんだら遍路で鬼コーチから学んだ。先達さんはそんな指導もすべきだと思った。

自分とは全く違う歩き遍路を見せてもらって、大変興味深かった。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )