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トキが放鳥された

  
(トキ放鳥)

我が故郷のコウノトリが放鳥されて早くも丸3年経つ。ヒナも昨年1羽、今年は8羽が巣立ち、飛び立った幼鳥は関西、中国、四国、最も遠くは九州の佐世保まで、驚くほど遠くへ活動範囲を広げている。コウノトリの放鳥は一度は絶滅した大型鳥類を再び自然界に帰した、世界でも例のない成功事例となった。

コウノトリと同じように一度は絶滅した大型鳥類のトキが、今日、新潟県佐渡市で試験放鳥された。大空から佐渡のトキが消えてから、27年目の快挙である。佐渡トキ保護センターでは中国からトキを譲り受け、この20年で122羽にまで増やして、今日の放鳥を迎えた。

今朝10時30分、秋篠宮ご夫妻を迎えて、雌雄各5羽の10羽が試験放鳥された。これが本当の「トキ(解き)放たれた」だねと親父ギャグ。放たれたトキは四方に散らばって、ほぼ半径2、3キロメートルの範囲内に広がっているという。バラバラに広がって飛んだことを研究者が残念がる報道があったがその理由がわからない。ハラハラでは繁殖出来ないという意味であろうか。まだ先は長いわけだから一喜一憂していれば疲れてしまう。とはいっても、コウノトリのように上手く自然界で繁殖が出来るかどうか、しばらくは注目である。

トキのことを少し調べてみた。トキの学名は「ニッポニア・ニッポン」コウノトリ目トキ科の鳥である。コウノトリと割合近い仲間のようだ。全長約75センチメートル、全長1.1メートルというコウノトリよりもやや小振りである。白色の羽毛に覆われ、後頭部に長い冠羽がある。風切羽や尾羽は淡紅色を呈し、顔と脚が赤い。繁殖期には羽色が灰色となる。黒く長い下方に湾曲したくちばしを持つ。

コウノトリと同じようにかつては日本各地に分布していたが、乱獲と害鳥として扱われたこともあり、明治以降激減した。5羽まで減って、1981年、最後の生育地の佐渡でその5羽を捕獲し、人口繁殖が試みられた。しかし、コウノトリがたどったと同じように、2003年までにはすべて死に国内の野生種は絶滅した。野生では中国の陝西省で繁殖が確認されていのみである。特別天然記念物にして国際保護鳥である。

風切羽や尾羽の色はピンク系の「とき色」として、色見本などに昔から使われてきた。かつてはそれだけ身近な鳥であったことが判る。ついでに言えば、高層湿原の植物にトキソウという花があるが、花の色がとき色であることから命名されている。

3年前、コウノトリの最初の放鳥の時も、秋篠宮ご夫妻を迎えて行われた。あの後、秋篠宮家には後に悠仁親王と名付けられる男子御懐妊の慶事があった。さてトキの放鳥はどんな慶事をもたらしてくれるのであろうか。
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