引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

広島県神石郡から

2009年07月21日 | いまが旬!

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「神石郡から、こんにゃく届きますよ」

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(神石郡の所在地は、広島県と岡山県の県境、

福山からみると北に位置したところ)

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隣駅・千歳船橋にお住まいのYさん。

いつもこうしてお声をかけてくださいます。

Yさんは、長崎県出身。

食に関心の高い主婦の方です。

また、出汁とり教室を催している

わたしにとっては出汁の恩人。

昨年1月21日、

初めてお会いした日に、

ブログでお馴染みの

最高の、昆布と鰹節のお店を

ご紹介いただきました。

大阪・中央区こんぶの土居さん。

東京・中央区晴海かつお節のタイコウさん。

このときのいきさつは、

昨年6月、わたしのブログのカテゴリー、

「天然出汁とのめぐりあい」というタイトルで

記事にしています。

http://indou-kinomian.blog.ocn.ne.jp/blog2/02/index.html

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さて、広島県神石郡には、妹さんの

ご主人のご実家があり、そのご主人のお母

さま、つまり妹さんのお姑さんは

(元教師・80代前半の方です)、

なんでも手作りなさる素晴らしい方。

お味噌などはいつも大量に作られるため、

おいしくて貴重なおこぼれが

妹さん経由でYさんに届くのです。

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最初にいただいたのは、お味噌。

大豆はもちろん、すべて地元神石郡産。

2年寝かせています。

香りがよく、出汁に入れると、

はらりと溶けます。

上質の、無添加のお味噌の証拠です。

おいしくて、教室でも人気のお味噌です。

Yさんと顔を合わせる度、このお味噌と

お姑さんの話題になります。

「府中味噌じゃないし、

何味噌っていうのかしら」

「神石のおばあちゃん味噌、にしましょう」

「いいかも」

広島は、いりこ(煮干)出汁の土地。

いりこに合うお味噌です。

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今回は、庭先で育てられた、黒筍、

いんげん、ピーマンも頂戴しました。

「味噌ころ、にしてどうぞ(笑)」とYさん。

「味噌ころねぇ・・・・・昭和っぽいなぁ」

黒筍の香りのいいこと。

15分間ゆでてみましたが、

あまりに香りがいいので、

半分はそのままいただきました。

残りの半分は、

かつお節をきかせた出汁で炊いて。

いんげんの色、ごらんください。

広島地方のいんげんの色です。

ピーマンもやわらか。

きっと、お姑、お舅さんお2人で

土の手入れをよくなさってるんでしょうね。

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しおで。

ちょっぴり苦味のある、アスパラのような

味の山菜です。

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ゆでました。

形がアスパラに似てるでしょう。

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深い緑、さてどんな味でいただきましょう。

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1/3は、大根おろしで和えて、しょうゆを。

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残りは、煮びたし。

本枯節の削り立てをあしらい、

和えました。

これがおいしい、おいしい。

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道の駅で売られているという、こんにゃく。

Aさんというこんにゃく作り名人のおばあさ

んのお手製。

地元でも大人気なのだそう。

「おばあさんの掌を感じるこんにゃくね」と

Yさん。

西広島にお住まいの妹さんご夫妻、

このこんにゃくをYさんに送るため、

早朝5時半から車を走らせ、

東京着午前便の宅急便で送

って下さっています。

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このこんにゃくのおいしさ、

やさしい歯ごたえは絶品です。

ゆでて、

ゆで立てを、なんにもつけずにそのまま食

べると、ほんのり、こんにゃくの味がします。

「Yさん、ゆでるだけで食べてみて」

「わたしは、そんなんしません」

「ほうね、おいしいのに」。

薄造りにして山河豚にもぴったり。

山河豚(やまふぐ)=こんにゃくの食感を

ふぐに見立てたこんにゃくの刺身

水に漬けて冷蔵庫に入れて保存。

毎日、1玉づついただきます。

普通、毎日、こんにゃく食べないでしょう?

どんな料理にしてもおいしいんですよ。

いちばん多く作るのはこれ。

軽く、胡麻油で炒めて、みりん、しょうゆで

調味し、七味とうがらしをふります。

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箸がね、

すっと入るのです。

そんな、こんにゃくです。

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広島の府中味噌、広島のこんにゃく。

昔から全国的に有名な特産品でした。

次世代に継承すべく、

お姑さんはお味噌、Aさんはこんにゃく、

地元の方に、作り方を指導されている

とのこと。

広島県神石郡神石高原町。

土地が育ててきた

昔ながらのおいしいものは、やっぱり

ゆるぎない味の力をもっています。

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この口福は、

Yさんと妹さんご夫妻のおかげ。

いつも感謝しています。

コメント (2)
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