気の広場

気の世界あれこれ・・・
  日常雑感あれこれ・・・

母 ・・・100.無償のはたらき : 別れ

2010-12-22 06:18:07 | Weblog
母は子どもの成長を願い期待します。

子の成長は母から離れていくことです。


この二つの関係は矛盾したものです。



しかし この自立に向かって

子どもを養育してきた母は ・・・ 「別れの日」を覚悟している。

子供がやがて社会へ旅立ち

  自分が孤独な世界に置き去りにされる子ことを

  ・・・ 承知している。



母とこの別れは

  他人どうしの別れのようにドライにはゆきません。

つらい悲しい むごいものです。


仏教でも愛しあうものの別れ 愛別離苦は冷酷なものだといってます。



母の愛が深ければ深いほど 「別れ」は残酷な苦しみを与えます。

けれども 母は

子供が母親から肉体的にも 心理的にも離別しようとして

  日々つみ重ねていることを ・・・ 深く自覚しなくてはならない。



「ああ 立派になって」と母が子をふり仰ぐとき

  子は親を離れ 手のとどかぬ川岸の向こうに立っているのです。


もはや 母は

  子どもの記憶と思い出に残る人間になってしまったことを

  ・・・ はっきりと自分にみとめなくてはならないのです。



もう 母は子にまつわることはできない。

いや ・・・ してはならないのです。




* 2010.11  東ブータンで





母 ・・・ 99.無償のはたらき : 母子分離 (親ばなれ)

2010-12-22 05:07:08 | Weblog
報酬をあてにする労働は 世の中にたくさんありますが

それは契約にもとづいたもので 愛情によるものでありません。



家族は のっぴきならぬ親と子の愛の世界です。


母と子の関係は 愛の無償性によって結ばれているものです。



ただ働きを喜んでする母

  ・・・ その母は 子どもを私物化しません。


もともと無私の心で子につくしてくれる母は

  子の幸せを願いこそすれ

  ・・・ 自分の慾の満足など 一かけらももちあわせません。



ですから

子どもが成人して
  母と子の間に通じあうものがなくなり

  互いの溝と落差が広がり ・・・

ついには別れ別れなっても

  ・・・ にこやかにほほえむだけで満足できる。


母子分離(子ばなれ)がすらりとできる母は ・・・ そうした人です。




* 2010.11  東ブータンで





母 ・・・ 98.無償のはたらき : 無償の人

2010-12-22 04:38:05 | Weblog
母は無償の働きを喜び 何も求めない人でした。


だから

人に親切にしてあげても 報酬を求めませんでした。


「ありがとう」のひとこと ニッコリ笑う微笑み一つで

  ・・・ 満足した人でした。



ただ働きは古い ・・・ というかもしれませんね。


しかし

私たちが故郷に想いをはせるとき ・・・

いまの都会生活よりもずっとうるおいがあったな~ と思うのは

  この無償の親切心にふれることがあったからではないでしょうか。

そして

貧しい人 弱い人 老いた人をいたわり

  大切にしてあげること自体に満足できたのは

母のただ働きの尊さを

  ・・・ 胸に刻みつけられていたからではないでしょうか。




* 2010.11  東ブータンで





母 ・・・ 97.無償のはたらき : 物神崇拝

2010-12-22 04:37:11 | Weblog
いまの社会の異常なまでのおぞましさは

人間の愛も 心も 安らぎも

  すべて「お金」と「物」で割り切っていこうとする

  ・・・ 「物神崇拝」から起こっていることは ご承知の通りです。



そこに 現代日本人の不幸と

  世界中から嫌われる原因がひそんでいます。



母が 無償の働きをいやがり 子どもに代償を期待し

報いられないと思うや

  子を虐(しいた)げたり 家を飛び出したり

 あるいは

  「報酬をとってやろう」と躍起になって教育投資するのも ・・・


実は ・・・ この歪んだ「金と物」社会の反映なのです。



物神万能病に罹患(りかん)してしまっているのです。


・・・ 悲しいことです。




* 2010.11  東ブータンで





母 ・・・ 96.無償のはたらき : 子捨て経済学

2010-12-22 04:36:39 | Weblog
主婦労働価値説という珍説が一時さかんでした。


家事労働は金銭に換算すると幾らになるか計算して
  それを父と子に要求しろという「進歩的?」学説です。



ここには 愛情までも物資にかえられる

  ・・・ という考え方が入りこんでいます。


家庭を企業の職場と均質し

  母の労働と愛を商品にみたてよう ・・・というわけです。


この発想には

  「自分の利益」と「有償の期待」とが土台となっています。


・・・ 子捨ての経済学とでもいったらいいのでしょうか。




* 2010.11  東ブータンで