社会の真実の見つけかた (岩波ジュニア新書) | |
クリエーター情報なし | |
岩波書店 |
現在の日本の電力事情や原子力発電所に関する「真実を見つける」には、テレビや新聞だけじゃなく、自分から広くネットや外国からの視点も踏まえて情報を集めなきゃね、ってことを若い人たちに考えてもらうのにとっても良い本だと思う。
若い人たちに「第4章 社会は変えられる」を是非読んで欲しい。デモもいい、ツイッターもいいけど、社会を変えるなら「選挙」だし、「政治」だし、「予算」を自分たちの手に取り戻さなきゃね。できるよ!君にも。
例によって何カ所か本文を紹介します。
29ページ
【戦争を作り出す3つのステップ】
この手法がアメリカだけでなく世界中で使われていることの例は、第一次世界大戦で有名になったエピソード「手を切り落とされた子供たち」だろう。
31ページ
【本当に大事な情報が見せてもらえなくなる】
「違う見方が出来たかどうか、じゃない。重要なのは、あの時僕たち国民に、その選択肢自体が与えられていたかどうかってことなんだ。」
46ページ
【貧しい子どもは軍へ、中流の子どもたちは借金づけに】
自衛隊の入隊希望者が急増しているというニュースを思い出した。
65ページ
【教師と公教育バッシングになった教育改革】
「国の要求するとんでもないノルマ」とは、2002年の春にブッシュ大統領(当時)の署名で成立した教育改正法「落ちこぼれゼロ法」
101ページ
【七年で掛け金が二倍になる投資『チャータースクール』】
106ページ
【21世紀の新しいベンチャー型チャリティ】
対象はあくまでも彼らと同じ経営理念を持つ団体に限られていた。もし条件にあう団体が見つからなければ、彼らは自分たちで動かしやすい団体を新しく設立し、そこに資金を注入して間接的に学校の運営を行った。
108ページ
現在アメリカ国内にいる教育の専門家で、三大巨人の戦略を批判するような著書を出版している人は、私が知る限り一人もいません。
130ページ
【マスコミは出演者とお金の流れを見る】
日本でもマスコミへ多額の献金をしている企業名を調べてみれば、同じニュースでも局によって報道の仕方がちがうことがわかる。
151ページ
【当事者の声を聞くともうひとつの世界が見える】
でも、一つだけあの映像ではわからないことがある。それは、戦場で人を殺しても平気でいられるためには、冗談でも言って平静を保つしかないということです。
だから帰国して冗談を言い合う相手がいなくなった途端、兵士たちは心が壊れてしまう。それが”戦争”というものなのです。
164ページ
【スキャンダル報道の裏にある重要ニュース】
ひとつのニュースが主要メディアを独占した時ほど、大衆に知られると都合が悪いもっと重要なニュースがかき消されるパターンはとても多いのです。
174ページ
【大手メディアとローカルメディアを比べてみる】
だがローカルメディアは違っていた。宮崎のケーブルテレビは毎日農家の状況を取材し、その映像を流した。知事もツイッターで状況を呟き続けた。私はこの間の『宮崎日日新聞』を全て読みながら、中央のメディアから聞こえてくる内容とのあまりの落差にショックを受けたことを覚えている。
193ページ
【しあわせになりたきゃ選挙に行け】
選挙に来ない若者や政治に無関心な連中は、政治家にとって都合のいい透明人間と同じなんだよ