木のつぶやき

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全国ろうあ者大会in島根報告07_研究分科会「労働」報告05国内での議論(取り組み)

2010年07月07日 22時54分51秒 | sign language
5.国内での議論(取り組み)

(1)労働政策審議会(講師は「労政審(ろーせーしん)」と略称で呼んでました。)障害者雇用部会

  ●2008年4月から「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応のあり方に関する研究会」スタート
  ●2009年7月「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応について」(中間整理)公表

 とのことで、資料2として
 「職場における合理的配慮についての中間整理の抜粋」がついてました。

 ちょっと長いですが、以下に転記します。
労働・雇用分野における障害者権利条約への対応について(中間整理)
平成21年7月8日
労働・雇用分野における障害者権利 条約への対応の在り方に関する研究会

第3 職場における合理的配慮
1 合理的配慮の内容
【基本的な考え方】
○ 合理的配慮については、条約の規定上はそれを欠くことは障害を理由とする差別に当たることとされている(差別禁止の構成要件としての位置付け)が、これを実際に確保していくためには、関係者がコンセンサスを得ながら障害者の社会参加を促すことができるようにするために必要な配慮(社会参加を促進するための方法・アプローチとしての位置付け)として捉える必要があるとの意見が大勢であった。【再掲】
○ 「合理的配慮」は、個別の労働者との関係で問題となるので、個別の労働者がどのような配慮が必要か主体的に要求する必要があり、行政が企業への指導や助成によって障害者の雇用を拡大してきた手法とは大きく異なることになるとの意見があった。
○ また、具体的にどのような配慮が必要か、自ら説明・要求できない障害者もいるので、本人の代わりに第3者が説明してくれるような仕組みが必要ではないか、との意見があった。
○ 「合理的配慮」は、個別の労働者の障害や職場の状況に応じて、使用者側と障害者側の話し合いにより適切な対応が図られるものであるので、本来的には、企業の十分な理解の上で自主的に解決されるべきものであるとの意見が大勢であった。
障害者を採用する際に企業と本人との間で必要な合理的配慮の内容について一定の合意をするようにしたり、又は、企業内に使用者・労働者・障害者からなる配慮推進会議のようなものを設けて定期的に情報共有・意見交換する場を設けてはどうか、との意見があった。
○ 合理的配慮について、労働者本人の要望を受けて、直ちに提供できるようにすべきではないか、との意見があった。
何が差別であり、どのような合理的配慮が必要であるかを明らかにする必要があるとの意見が大勢であった。また、合理的配慮の内容は、個別の労働者の障害や職場の状況によって多様であり、また、それに要する費用・負担も異なるので、合理的配慮の概念は法律で定め、その具体的内容は指針で定めるのがよいのではないか、との意見が大勢であった。
○ このような指針は、個別の企業において障害者が企業に合理的配慮を求めていく際にも有効であるとの意見があった。
○ 「合理的配慮」義務を労働基準法等で位置付けるのは、刑罰法規であってその範囲を厳格・明確に定める必要があり、却って範囲が縮減されるのではないか、また、制裁を背景にして合理的配慮を進めるのが適切かという問題があるのではないか、との意見があった。

【基本的な内容】
○ 合理的配慮の内容としては、障害の種類ごとに重点は異なるが、おおまかに言えば、①通訳や介助者等の人的支援、②定期的通院や休暇、休憩等の医療面での配慮、③施設や設備面での配慮が必要であるとの意見が大勢であった。
○ 障害の種類ごとに特に必要な配慮としては、以下のようなものが重要ではないか、との意見があった。
・ 視覚障害者、聴覚障害者及び盲ろう者 … 点字、拡大文字、補聴システム等の機器や通訳者、援助者等による情報保障・コミュニケーション支援
・ 内部障害者や難病のある人 … 定期的な通院への配慮や休憩・休暇・疾患管理への配慮、フレックスタイム等の柔軟な勤務体制
・ 知的障害者 … 身近に気軽に相談でき、又は苦情を訴えられるような窓口の配置
・ 精神障害者 … 対人関係・コミュニケーションが苦手である、疲れやすい等の特性を踏まえた、グループ就労や短時間労働等による仕事の確保や職場環境の整備、日常的な相談ができるような窓口
・ 発達障害者 …本人に代わって必要な配慮を代弁できるような、身近な支援者(サポーター)の配置・支援
・ 中途障害者…勤め続けられるための配置(ポスト・職務)の見直し
○ 障害者が合理的配慮の提供を求めたことを理由として、解雇、降格等の不利益取扱いをすることを禁止すべきとの意見があった。

【採用試験】
○ 採用試験の際に、コミュニケーション支援が必要との意見があった。 また、採用基準を緩める必要はないが、長時間の試験は避ける、休憩を間に入れる等、能力を正しく判定できるような環境を整えることこそが合理的配慮ではないか、との意見があった。

【通勤時の移動支援、身体介助】
○ 通勤時の移動支援や身体介助は、企業の合理的配慮というよりむしろ福祉的サービスとして行うべきではないか、との意見があった。 また、労働災害では通勤も対象となっており、通勤も職務と連動するものであるので、今後は労働政策として企業に義務付けたり、助成措置を設けたりすべきではないか、との意見があった。

【相談窓口】
○ 障害者が気軽に相談でき、苦情を訴えられる窓口が必要ではないか、現行の障害者職業生活相談員の機能を見直したり、相談員が選任されない中小企業でも相談・苦情処理の窓口を整備することが必要ではないか、との意見があった。その際、職場内だけでなく生活面での支援も重要であることから、障害者就業・生活支援センター等による支援を充実させ、連携をしていくことが重要ではないか、との意見があった。
また、専門家というよりも、「適切な変更・調整」を行える、身近にいる支援者(いわゆるナチュラルサポーター)を支援していくことが必要ではないか、との意見があった。

2 過度の負担
過度の負担の基準としては、企業規模、業種、従業員数、環境の特性、地域の文化・慣習等を参考にして判断すべきではないか、との意見があった。 また、長期療養者に対する解雇に関する裁判例でも、事業規模を考慮しており、過度の負担の判断に当たっても、事業規模はある程度考慮せざるを得ないのではないか、との意見があった。 さらに、過度の負担の基準として、現行の障害者雇用納付金制度の特別費用の額を参考とする(合理的配慮を行うための費用が特別費用の額と比べてどの程度かを斟酌する)ことも考えられるのではないか、との意見があった。
○ どのような場合に「過度の負担」に当たるのか、具体的な指針を定めるべきとの意見があった。


この中間整理は、2009年7月8日の会議資料ですから、8月30日の第45回衆議院議員総選挙の結果、政権交代が起きた直前のものです。
そのあたりを間引いて考える必要がありますが、清水建夫弁護士のブログでは次のように批判されています。
 中間整理は障害者権利条約が合理的配慮の否定は差別に該当するとした意味を全く理解していません。法による強制力をもってこそ実効性がありますが、コンセンサス、話し合いを前提とすることは強制力の放棄であり、合理的配慮を基本から否定するものです。中間整理は現状を肯定し差別を容認するに等しいと言えます。
(つづく)
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ラーメン33_会津亭

2010年07月07日 18時45分36秒 | food
今日は歯医者さんの帰りに喜多方ラーメンです。左側の歯はまだ使っちゃいけないので大変です。オーソドックスな縮れ麺に醤油スープが美味しかったですが、残念ながら自分の口の中が消毒臭くて味が今ひとつわからなかった
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