Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

カンパニョーロ ペダル スーパーレゲロ グリスアップ

2012-07-12 20:34:17 | 自転車整備 ペダル
1974年発売のカップ&コーンの回転構造を持った Campagnolo カンパニョーロ
のペダル スーパーレゲロ 前回までに分解、清掃を済ませていますので今回は
各部のグリスアップを行いましょう





前回までに分解洗浄の事前準備が終わったカンパのペダル 今回はグリスアップをし
玉当たりの調整を行いましょう






まず玉受け ボールレースにグリスを塗布する事から
始めます 今回はカンパのグリス LB100を使いましょう

このグリスは綺麗な白色でそれ程柔らかくは無いのですが
ほとんど粘着力を感じずサラサラした感触のグリスです






では玉受けにグリスを入れます こちらは内側
クランク側です






外側にも同じ様にグリスを入れます そして指先を使い
ペダル本体の内部の金属部分に塗り広げてやります

これは回転だけではグリスが行き渡らない部分の錆止め
が目的です






スチールボールを玉受けに入れます この作業は
内側、クランク側からした方が良いでしょう

使われているスチールボールのサイズは 5/32
規格では3.9688mm で これが片方に 12個です






ここで一旦シャフトを通し 回してやります




そしてボールの状態とグリスの量を確認します
ここまでする必要は無いのかも分かりませんが
一つづつ確認しながらの作業は大切だと思います

この時先に、外側にボールを並べておくと シャフトを
通した時にボールが落ちる事があるので 内側から
作業を進めた方が無難ですね




外側も同じ様にボールを並べます






外側は玉押しを仮に入れ回転させます






玉押しを外すとこんな感じです 少しグリスが少ないかな?
試合で使うならこの位の量で充分ですが 普段使いなら
もう少し多い方が良いでしょう 少しグリスを足しましょう






じゃここから組み付けて行きます その前にシャフトにも
薄くグリスを塗っておきます 錆や腐食を防止するのが目的です






シャフトを内側 クランク側から通します シャフトは
左右で異なりますので間違わない様にしましょう 

間違っても組み付けは出来ますが ペダルが左右逆に付く
事になり 少し情けない結果になりますよ(笑)






ここからは外側での作業です 玉押しを取り付けます
※この部分のネジは左右共、正ネジです






次は舌付きワッシャーですが この部品は凄く大切な
役目をしています カンパのペダルはこれが無くては
玉当たりの調整が出来ません

これはシャフトのこの溝に舌が収まりワッシャー自身は
回転しません 最後にロックナットを回しても 内側の
玉押しが共に回らない様にする構造です




その舌付きワッシャーを装着します カンパの場合
玉押しに埋め込まれる様になっています この辺りが
凄いですね






ロックナットを装着します






ここから玉当たりの調整です モンキーレンチを
シャフトのクランク側に掛けます ここは 15mmレンチ
でも良いですね






ロックナットには 11mmのめがねかスパナを使います

これでロックナットを締め付ければ 玉押しも固定されますが・・・




玉当たりの調整が必要です 試合に使うペダルなら
ガタが出る一歩手前の針の先の様な部分を探し調整
しますが 

普段使いならもう少し渋い方が良いでしょう
かと言ってゴリを感じるのは良く有りません この辺は
指先に神経を集中し自分で感じ取るしか無いですね




微妙な調整をする時 玉押しにスパナが必要なら
13mmを使います  

ただこの 13mmとロックナットの 11mmが相ちゃん
出来ないので 先述の舌付きワッシャーが必要に
なります






そうして玉当たりの調整が終われば ダストキャップを
取り付けて完成です キャップのネジにも防水の為
グリスを塗っておきましょう






これで分解整備は完了ですが はみ出したグリスなどは
ウエスで綺麗に拭き取ります 残しておくと汚れを呼ぶ
だけです






アウタープレートとシャフトに誇らしげな CAMPAGNOLO
カンパニョーロの文字 皆がこれに憧れました






シャフトにネジの規格が刻まれています 9/16×20
雄ネジの外径が 14.29mm ねじ山が1インチ辺り
20山の自転車用の特殊ネジですね

片方には S の刻印 これは左側を表します イタリア語の
Sinistra でしょう 右側には D の文字が有ります Destraの
略かな?

ペダル軸のクランクへの取り付けネジは 右は正ネジ 
左は逆ネジです





これでメンテナンスが完了しました この様に定期的に整備をしてやれば
カンパの部品は何時までも使えます 一生物と言われますがそれは偽りでは
有りません 私が使っているオールドカンパと呼ばれる部品達 すでに40年以上
経っていますがまだ新しい時の滑らかな回転を保っています カンパって凄いですよ

さてこれで全てが終わりましたがうんちくも多くて長くなってしまいました
皆さんが整備される時の参考になれば幸いです

今回の関連記事
 
分解風景 【 カンパニョーロ ペダル スーパーレゲロ 分解整備 】

洗浄風景 【 Campagnolo ペダル スーパーレゲロ 洗浄 清掃 】


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4 コメント

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一生物 (miyoshi)
2012-07-12 22:03:28
いつも、整備に付いて勉強させていただいてます。
確かに、この時代のカンパは一生物ですね。
息子の以前書いたホイルもこの時代のものですし、学校所有のディスクホイルのカムシンディスクも現役でガンバッテます。
レゲロのペダルも憧れでしたが当時ウエムラの社長に「この道に足を突っ込んだら出れなくなるぞ~」と泣く泣く買うの止めたことを思い出します。ただ大工具セットは「今すぐ買え。もう買えなくなるから」と言われ嫁サンに頼みこんで買いました。
この前掃除したたらシュパーブプロのチタンシャフトのロードペダルが出てきました。
自分としてはこの時代の部品が好きです。
はじめまして (キクチ)
2012-07-13 00:10:51
いつも楽しく、時にメモを片手に拝見させていただいています。
今回のペダルのメンテナンス記事、大変参考になりました。
さっそく買ったばかりのペダルのメンテナンスの参考にさせていただきます。
miyoshiさん (Kino)
2012-07-13 20:58:13
カンパが良い物を作ってやるぞ! の気概を感じ その迫力に圧倒されるのがこの時代ですね

ペダルに関しては重量的な事もありアルミプレートの物を使いますが
本当に良いと感じるのは私は鉄のレコードだと感じています

シュパーブプロ
シマノのデュラに対抗する為 杉野、三信、三ヶ島などの協力の下出来たブランドで 1982年頃でしょうか
競輪選手にも愛好家が多かったブランドですね
キクチさん (Kino)
2012-07-13 21:00:29
初めまして コメントを有難うござます

この様なブログが少しでもお役に立てば嬉しく思います
どうぞこれからもご贔屓に宜しくお願い致します

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