人生ひとり旅気まま旅

ぶらり海外旅行に行った記憶、思い出を中心に楽しく伝えたい。

机上の空論?それとも実戦経験不足?

2010-06-03 10:41:44 | 日記
格安値段だけが取り沙汰されている昨今、やっぱり値段に見合ったサービスを受けられるということはいいものだ。

最近はLCC(ローコストキャリア)と呼ばれる格安航空会社が幅をきかせつつある。安い代わりに機内食も有料、サービスキットも有料とコストダウンを徹底している。短距離路線ではそれで十分かもしれない。しかし長距離になった場合、値段だけでは済まされない部分もある。

そんなことも含め、ファーストクラスやビジネスクラスについては以前よりも更にサービスの向上を掲げ、より差別化した高級化が図られているのも事実だ。

その代表例がシートの改善だ。個々のスペースがとても広くなりゆったりとくつろげるようになった。更に個室化してまさに空飛ぶスイートルームのような豪華さを持つものまで現れている。

そしてもう一つは機内食だ。当然エコノミーとは違い、ビジネスクラスやファーストクラスでは、前菜からメイン、デザートと各社ともかなり凝った内容になっている。

そんな中で、全日空はこの4月19日のフライトから成田~ニューヨーク間のボーイング777-300ER機のファーストクラス、ビジネスクラスにおいて、座席についているタッチパネルを使って好きな時に好きなメニューを注文できるというサービスを満を持して始めたんだね。

確かに機内サービスというと決まった時間にある程度は選択ができるとはいえセットされたメニューを頂くという形になっているんだが、それを乗客の好きな時間に好きなものを注文することができるという画期的なサービスに変えたということで、全日空としては十分な時間と費用をかけて満を持して提供する自信のサービスなんだね。

実際私の場合などを考えても、こういったサービスがあればほんとに嬉しくなってしまうんだね。なぜかというとちょっとお酒とおつまみ程度の食事が欲しいと思っても、今まででは食事も一緒についてきてしまうからね。食事はそんなにいらない私としては、半分有難迷惑なところもあったんだね。

それが好きなものだけを注文できるとなればこりゃ機内で過ごす時間も有意義になるというものだ。全日空を利用する乗客たちもそんなサービスを楽しみにしていたんだろう。

しかし、これがなかなかうまくいかなかったようなんだね。4月19日からサービスが始まったんだが、僅か1ヶ月の間に60数件のクレームが挙げられているというんだね。

いったいどんなクレームなのかというと、タッチパネルの操作自体が難しく、注文するのに手こずってしまうということらしいんだな。ようやく注文できたと思ったら、そのメニューは品切れになっていたり、注文しても料理が出てくるまでにとんでもない時間がかかったりと大ブーイングになってしまったというんだな。

大体メニューが30種類以上もあるということで、その中から注文を受けて準備をするにも時間がかかることに加えて、タッチパネルの操作方法を分からない乗客に説明してあげなければならなかったりして、人出が足りなくなってしまうことなどもあり余計に手間がかかってしまうということらしい。

その間にもあちこちから声がかかるということで、まさに開店間もないレストランで従業員も慣れていないところにお客が殺到してしまったような感じになってしまったんだな。

これじゃ、折角の「好きな時間に好きなものを」というコンセプトなど吹っ飛んでしまったんだね。ニューヨークに着くまでデザートが出てこなかったとか、やっと注文したものの品切ればかりで好きなものは何一つ食べられなかったとかブーイングの嵐になってしまったんだね。

そしてあまりのクレーム多さに、折角導入したサービスが5月19日から停止になってしまったということなんだね。さすがにこれには全日空も大弱りのようだが、このニュースを聞いて正直全日空ならあり得るなと思ってしまったんだね。

それはなぜかというと、昔からよく全日空を利用してはいるんだが、機内での段取りというのが正直うまくないんだね。まあ最近はだいぶ良くはなってきているが、ある種全日空の特徴?なのかもしれない。

というのは、全日空の乗務員は凄く親切で丁寧なんだよ。正直日本航空の日本人乗務員(ジャルウェイズなどのタイ人乗務員の方が親切丁寧)と比べたら雲泥の差なんだ。

決して褒められたことじゃないんだが、例えば機内食を提供する際なども、本来ならばまず機内食をいち早く全員に配らなければならないんだが、途中で乗客に別の注文を受けた際にも一旦食事を配るのを辞めて、その都度リクエストに応じちゃうんだね。

その結果、食事を食べ終わっている人がいる中で、まだ食事を配ってもらえない人たちも多く出てしまうんだね。その都度いちいち乗客のリクエストを聞いてあげることも大事なんだが、その時点での優先順位が分かっていないんだね。

こんな伝統的な?段取りの悪さというのも影響しているんだと思うね。実際、客室乗務員の親切度というか対応は間違いなく全日空の方が上なんだけどね。

しかし、今回の新サービスのために企画からシステム作り、更にはアメリカ連邦航空局への許可申請など、導入までに相当な時間と費用をかけてきたはずなんだね。これが1カ月で機能しなくなったというのはかなりつらいだろうね。

システム上はうまくいったんだろうけれど、実際の機内と同じ状況で満員の人数の中でもうまくできるのかというシュミレーションが無さ過ぎた結果だろうね。シュミレーションでは、おそらく乗客の誰もがタッチパネルを使えるというところから始まっていたんだろう。注文の前段階のタッチパネルの操作方法まで頭になかったのかな?

関係者ではなく一般の人にモデルになってもらえばそのあたりの不便さなども事前に把握できたんだろうけれどね。

でも、こういうサービスはまさに理想のサービスで、こういうものがあればより他社との差別化ができていいPRになるんだろうから、なんとかもう一度検討しなおして再スタートさせてほしいね。