波紋

一人の人間をめぐって様々な人間関係が引き起こす波紋の様子を描いている

「チルチルミチル」

2019-04-08 10:38:52 | Weblog
親の愛情の下で何も知らずに育っていた私が、高校生になったころ少し周囲の物事を考えるようになっていた。その頃メーテルリンクの童話劇に書かれた「幸せの青い鳥」に出てくる話を知った。夢の中で過去や未来の国へ幸福の象徴である青い鳥を探しに行くが幸せは自分たちの手近くなところにある鳥かごにあったという話であったが、その他にもカールブッセの詩で「やまのあなたの空遠く幸い住むと人のいう。ああ我人と尋めゆきて涙さしぐみ帰り来ぬ。山のあなたのなお遠く幸い住むと人の言う」
人生の究極の目的は幸せになりたい平安の一生を過ごしたいということに尽きることは間違いないことだろう。しかし現実は厳しく毎日が不安と悩みと苦労の中にあってその中から抜け出すことはできない。少し落ち着いたかなと良かったと思っていてもまた新しい悩みの中に置かれるか、不安が襲ってくる。それは体の問題であったり周囲の家族の問題であったり経済的な問題であったり様々な問題であろう。いずれにしても生きている限りこの悩みから抜け出すことはないのである。そんな日々の中で私はふと昔を思い出してこの歌を口ずさんでいた。当時は何の悩みも不安もなく口にしていたが、今この詩を口にするとその意図するところが少しわかるようになっている気がする。
人は生まれたときに新しい荷を負わされて生まれてくる。それを下ろすことはできない。生きている間その荷を背負い続け生きることになる。だから幸せというか、本当の意味での平安を得ることはできないのだろう。つまり幸せはこの世では見つけることはできないのかもしれない。
つかの間の幸せは日々の身の回りの出来事の中に見つけることはできる。
静かに顧みて自らの周りに起こる出来事に耳を済ませれば必ず聞こえてくる幸せの音を聞き分けることができるはずだ。それを聞き分けて大事にしたいと考えることだと思う。「青い鳥」」であったり、山の向こうにあるものではないことを知ろう。そして日々を大切にすることに心がけることにしたい

最新の画像もっと見る

コメントを投稿