波紋

一人の人間をめぐって様々な人間関係が引き起こす波紋の様子を描いている

「新しき道」①

2020-06-01 13:24:48 | Weblog
小学校時代に戦災を受け中学校から新制が始まり男女共学となり、高校も地元の学校へ通い、大学へは兄の指導を受けて入ることが出来た。そしてそのまま兄の指導の下に10年を過ごし、上京、そして結婚と人生を歩んできた。様様なことがあったが、結果的には両親の言いなりであり、兄の軍隊生活の指導の下に過ごすことで、自分自身の時間や人生の覚えがなかった。しかし不思議なもので岡山の会社へ転職し、東京で事務所を構え仲間を作り新しい仕事を始めるころから、人生が変わった。私が自分の考え、自分の思いで仕事を進め計画し、実行する。そしてその成果をもとに新しい仕事を進める。夢のような毎日が始まったのだ。
時代の波も戦後の敗戦から経済もようやく立ち上がり始め世界のニースに応えるために急速に伸び始めていた。東京オリンピックをはじめ日本の存在も世界へ向かって進み始めていたのである。製品の弁柄を東芝の工場へ取引していたが、その工場が新しいマグネットの原料を製造することが決まり、その工場が秋田へできる事になり、そのための製品を引き受けることになった。つまり従来の弁柄とマグネット原料との日本の柱ができたのである。本社はこの新しい事業を立ち上げるために従来の個人資本から上場会社二社の株を取り付けさらなる発展に技術を補完し、その証明を果たしたのである。
このことで東京事務所の運命は大きな歴史的変換を迎えることになった。そして私自身の運命も大きく変わろうとしていた。